歴史能力検定とは、歴史に関する民間資格を得る検定試験です。小学生でも十分合格できる5級から、最難関大学の受験問題のような1級まで、幅広いレベルの級があります。
しかし、どのような試験なのか?レベル別の難易度や学習方法、取得するメリットなどを疑問に感じている人もいるのではないでしょうか?
この記事では、歴史能力検定とはどんな検定試験なのかといった解説に加え、各級の具体的な難易度や勉強方法をご紹介します。歴史能力検定と似ているご当地検定についても触れました。最後まで読むと、自分に合った歴史能力検定のレベルや学習の取り組み方がわかるでしょう。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
歴史能力検定とは
歴史能力検定は民間資格ではあるものの、「歴検」という名称で社会科系の検定資格として知名度が高いです。1997年に「歴史能力認定試験」として始まり、これまでにのべ54万人が受験しています。自分の歴史知識や理解度を測るための試験ですが、2級以上を取得すると入学試験や資格試験の免除となるメリットもあります。
もともとは社会教育の一環としてシルバー世代を対象に始まった検定試験でしたが、実際には若い世代の歴史好きを掘り起こすことになり、現在では中学生が受験生の多くを占めています。
歴史能力検定の試験概要
受験資格 | 年齢や学歴などに制限なく 誰でも受験可 |
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試験場所 | 全国各地 |
試験内容 | 筆記試験 |
受験料 | 5級2,800円〜1級7,800円 |
合格率 | ・5〜準3級までは70%以上 ・3級は50%前後 ・2〜1級は30%前後 |
合格基準 | 目安として正答率60% |
主催団体 | 歴史能力検定協会 |
受験資格
受験資格に制限はありません。自分の希望する級から受験することができます。これまでに10歳未満から70歳以上の方まで試験を受けています。また、試験時間が重ならない場合は、違う級に同時出願も可能です。
受験料
インターネットで申し込みの場合はクレジットカード決済、もしくはコンビニエンスストア決済、郵便払込から選べます。専用の願書に記入し、郵便局での支払いもできます。
- 1級:7,800円
- 2級:6,800円
- 3級:4,900円
- 準3級:3,900円
- 4級:3,000円
- 5級:2,800円
合格率
2019年に実施された、第38回の歴史能力検定合格率は以下の通りです。
- 1級(日本史):53.4%
- 1級(世界史):31.3%
- 2級(日本史):26.4%
- 2級(世界史):58.8%
- 3級(日本史):43.8%
- 3級(世界史):45.0%
- 準3級:82.2%
- 4級:69.5%
- 5級:91.8%
合格基準
各級100点満点で、合格基準は正解率60%が目安ですが、試験により多少変動があります。
また、日本史・世界史ともに1級に3回合格すると「修士」という称号がもらえ、木製盾が贈呈されます。5回合格すると「博士」となりクリスタル盾が、10回合格すると「大博士」となりディクショナリークロックがもらえます。2020年時点で、「修士」は136名、「博士」は84名、「大博士」は16名となっています。
歴史検定で得た称号は、もちろん履歴書などにも載せることができます。ただ、一般的に「修士」というと大学院の修士課程を修めた後に授与される学位であり、「博士」とは大学院の博士課程を修めた、もしくは博士論文が認められた人に授与される学位です。勘違いされないように、履歴書には「歴史能力検定日本史修士」といった表記をするようにしましょう。