日本・海外の有名建築家10選!代表作品や注目の若手も簡単に紹介

「日本や海外で有名な建築家って誰だろう?」
「どんな建築物が有名なの?」

世界には有名建築を作った著名な建築家がたくさんいますが、どんな人がいるか知っていますか?そして、なぜ、有名なのか…と気になったことはありませんか?

今回の記事では、有名建築家とその代表作を紹介するだけでなく、建築家とその作品の見どころまでご説明します。この記事を読めば、きっと今より深みを感じながら建築作品を見れるはずです。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

日本の有名建築家5選

まずは、日本の有名建築家をご紹介します。

建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」を受賞した8人のうち3人と、受賞歴はないものの、世界的に定評のある日本人建築家を2名をピックアップしました。

プリツカー賞とは?

アメリカのハイアットホテルアンドリゾーツのオーナーであるプリツカー一族が運営する団体から、建築家に対し授与される賞です。
1979年の開始以来、日本では8人の受賞歴があります。

安藤忠雄(あんどう ただお)

一人目は、建築に興味がない人でも知るであろう、「世界のANDO」こと安藤忠雄です。

独学で建築を学び、建築家になったということが、とりわけよく注目されています。彼は独学で建築を学んだのち、建築事務所を立ち上げています。

彼は、1979年「住吉の長屋」で日本建築学会賞を受賞したことで、注目を浴び始め、以降、日本にとどまらず世界中の建築を手掛けています。1995年には、冒頭で紹介したプリツカー賞の受賞を果たしました。

住吉の長屋
出典:Wikipedia

次に、安藤忠雄の有名な建築作品を紹介します。

「住吉の長谷」は、1979年に日本建築学会賞を受賞した、安藤忠雄の代表作品です。当時は斬新な発想とされたコンクリート打ちっぱなしのデザインが評価された建築です。住宅地に面した奥行きのある土地を上手に使い、風通しや採光具合まで考えて制作され、現在も実際に人が住んでいます。

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隈研吾(くま けんご)

次に紹介するのは、隈研吾です。

東京オリンピックで丹下健三の建築に衝撃を受けた隈研吾は、幼少期から建築家を目指し、東京大学で建築を学んだ後、コロンビア大学客員研究員を経て設計事務所を開設しました。これまでに、20カ国を超える国の建築を手がけてきています。

土地の環境や文化を考慮した建築を目指し、やわらかなデザインの建築を提案してきています。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求をし、工業化社会ののちの建築のあり方を追求し、活動を続けています。

浅草文化観光センター
出典:Wikipedia

隈研吾が手掛けた建築作品をご紹介します。「浅草文化観光センター」は、隈研吾が、公開コンペで設計する権利を勝ち取って製作した建築です。その名の通り、観光案内所や会議室、多目的ホールなどのさまざまな機能を狭い空間に納めつつも、浅草に馴染むような、木造デザインを施しているところが特徴。内部も、斜め屋根を積み上げることで、フロア空間を大きく見せる工夫をしたりと、隈研吾のこだわりが細部にまで宿る建築物となっています。

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伊東豊雄(いとう とよお)

伊東豊雄
出典:Wikipedia

次に紹介するのは、伊東豊雄です。

韓国で生まれ、東京大学で建築を学んだ後、建築事務所での経験を経て自身の事務所を開設しています。自身の事務所の設立当時は、個人住宅を中心に手がけ、ミニマルな作風で注目を浴びた他、都市を批評する活動なども行ってきました。その後は、官能的な外観や内部空間を有するような作風に移り代わり、現在では家具の設計までも手がけています。

せんだいメディアテーク
出典:日経XTECH

次に彼の建築作品を紹介します。「せんだいメディアテーク」は、伊東豊雄の代表作品なのはもちろんのこと、日本を代表する建築作品の一つとしてあげられるほどの建築です。この建築の魅力は、薄い床を壁ではなくチューブで支えているところです。支柱となっているチューブを円状にすることで床を支えつつ、階段やエレベーターに活用しているところが特徴的です。建物の中には、図書館やギャラリー、スタジオなど様々な施設があります。

谷口吉生(たにぐち よしお)

谷口吉生
出典:SUMUKOTO.COM

次に紹介するのは、谷口吉生です。

彼は、ハーバード大学で建築を学んだ後、丹下健三のもとで経験を積み、建築家である父親の谷口吉郎の研究所を引き継ぎました。

谷口吉生の建築は、素材への強いこだわりと、時代の機微を読み取ったデザインが特徴的です。建築作品自体は、他の建築家と比較してみると少ないものの、建築一つ一つへのこだわりが細部にまで宿る、いわば美術作品のような作品を手がけてきています。

豊田市美術館
出典:豊田市美術館

愛知県豊田市にある「豊田市美術館」は、「谷口吉生の最高傑作」とも呼ばれる建築物です。高低差を生かした設計により、豊田市街の街並みを一望できるようになっており、日常との距離を保っているところが特徴的です。また、外観から館内まで、幾何学的な構造を用いて美しさを体現しています。

坂茂(ばん しげる)

坂茂は、建築家である磯崎新のアトリエでの勤務経験後、バークレー・ユニオン建築学部を卒業し自身の建築事務所を設立しました。新たな建築商材や建築手法の開発をするかたわら、災害支援活動も積極的に行っています。

1995年の阪神淡路大震災では、紙管を用いた仮設住宅を製作。続く2011年の東日本大震災が起きた際も、紙パイプや布を用いて、避難所でのプライバシー確保のための仕切りシステムなどを手がけました。このような災害支援を絡めた建築制作の活動が評価され、2014年にプリツカー賞を受賞しました。

坂茂の紹介作品は、2011年2月のニュージーランドの地震で半壊した、ニュージーランド・クライストチャーチにある大聖堂の代わりの仮設大聖堂である「紙の大聖堂」です。特殊な紙で作られたこの建築は、防水や難燃加工がされ、耐久性にも優れています。

紙の大聖堂:祭壇
出典:たびこふれ

祭壇や祭壇の奥にある十字架も、全てが紙で作られています。また、カラフルなステンドグラスと、ステンドグラスを通し館内に広がる鮮やかな光も見どころです。

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