日本史の年表を時代別に解説【旧石器時代〜令和】

奈良時代 | 710年~794年

平城京の復元模型
出典:Wikipedia

奈良時代は710年から794年まで続いた時代です。平城京(現・奈良県奈良市)に都が置かれて事に由来しますが、奈良時代中期には天然痘や天変地異が発生し、激しく動揺した聖武天皇が大仏を建立しています。

日本仏教による鎮護国家を目指した天平文化が花開いた他、日本古来の感性を書き記した万葉集が生まれたのもこの時代です。794年に桓武天皇が平安京に都を移した事で、奈良時代は終わりを迎えます。

年代主な出来事
712・太安万侶(おおのやすまろ)が古事記を
 朝廷に撰上
718・藤原不比等(ふひと)が養老律令を制定
 (施工は757年)
721・舎人親王が日本書紀を朝廷に撰上
729・長屋王が藤原四兄弟の讒言で無実の罪で自害
 (長屋王の変)
737・藤原四兄弟が天然痘で相次いで死去
740・藤原広嗣が九州で挙兵(藤原広嗣の乱)
741・聖武天皇が国分寺建立の詔を発布
743・墾田永年私財法で、土地の私有化が
 永久的に認められる
752・東大寺の大仏が完成し、開眼供養が行われる
755・藤原仲麻呂(恵美押勝)が橘諸兄の一族を排除
764・恵美押勝が乱を起こして敗死し、
 淳仁天皇が淡路に流刑
765・道鏡が称徳天皇の寵愛を受けて、権勢を誇る
769・道鏡が失脚し、翌年に称徳天皇も崩御
784・桓武天皇が長岡京を造成するが、途中で中止
794・桓武天皇が平安京に遷都を決行する

平安時代 | 794年~1185年

平等院鳳凰堂
出典:Wikipedia

平安時代は794年から1185年まで続きました。平安時代中期には天皇に代わり藤原摂関家が台頭したものの、後期には天皇を譲位した上皇が院政を敷く政治体制が確立しました。

枕草子や源氏物語等の雅な文化が生まれる中で、地方は治安が悪化した無政府状態となりました。有力な百姓は自衛の為に武装するようになり、彼らは武士という存在に成長。平安時代後期には武士が大きな権力を握り、平家と源氏による争いも起こりました。

年代主な出来事
794・平安京に遷都(せんと)
810・薬子の変(平城太上天皇の変)で
 平城上皇が出家
842・承和の変で恒貞親王が皇太子を廃される
858・藤原良房が摂政となる
 (摂関政治 の始まり)
866・応天門の変で大伴氏が没落
887・宇多天皇と藤原基経の間で
 阿衡の紛議が起こる
901・藤原時平の讒言で菅原道真らが
 太宰府に左遷
934・紀貫之が土佐日記を現す
939〜941・関東で平将門が、九州で藤原純友が
 乱を起こす
969・安和の変で源高明が失脚し、
 藤原摂関家の政敵は壊滅
1001・清少納言の執筆した枕草子が完成
1008・紫式部の執筆した源氏物語の大筋が完成
1016・藤原道長が摂政に就任
1019・外満州の一族を主体とした海賊が
 対馬を襲う(刀伊の入寇)
1028・房総地方で平忠常の乱が3年近く続く
1051・陸奥国で安倍一族が前九年の役を起こす
1068・後三条天皇が即位、摂関政治は終わる
1086・白河天皇が上皇となり、院政が敷かれる
1156・保元の乱で後白河天皇側が勝利し、
  崇徳上皇は流罪
1159・平治の乱で平清盛側が勝利
1167・平清盛が武士として初めて太政大臣に
 就任
1175・法然が浄土宗を開く
1180・治承・寿永の乱が始まる
1184・源頼朝が 問注所・公文所を設置する
1185・壇ノ浦の戦いで平家が滅亡
・地頭・守護の設置が始まり、
 鎌倉幕府が本格的に始動

鎌倉時代 | 1185年~1333年

鎌倉・高徳院の大仏
出典:Wikipedia

鎌倉時代は1185年から1333年まで続いた時代です。源頼朝が鎌倉に武家政権を設置した事に由来します。源頼朝死去後は北条氏が台頭し、幕府の権力を掌握。13世紀にはモンゴル帝国から日本に侵略する事態と起きますが、鎌倉幕府はそれを撃退する事に成功します。

文化的には素朴で質実な鎌倉文化が誕生した他、仏教の宗派も広がりを見せました。隆盛を誇った鎌倉幕府ですが、1333年には後醍醐天皇や足利尊氏らの勢力により滅ぼされてしまいます。

年代主な出来事
1192・源頼朝が征夷大将軍に命じられる
1199・源頼家が家督を継ぎ、翌年から
 十三人の合議制が始まる
1200〜1213・北条氏が有力御家人を次々と排除
1219・源実朝が公卿に暗殺される
1221・承久の乱で北条義時陣営が勝利して
 後鳥羽上皇は島流し
1226・北条家が傀儡となる九条頼経を
 将軍に擁立する
1232・北条泰時が御成敗式目を制定する
1238・鎌倉で大仏の建立が始まる
 (1243年に完成)
1247・北条氏が有力御家人・三浦氏を
 宝治合戦で滅ぼす
1274〜1281・元寇(文永の役、弘安の役)
1285・霜月騒動で有力御家人・安達泰盛が
 北条氏に滅ぼされる
1297・永仁の徳政令
1317・南北朝の動乱の原因となる
 両統迭立が決められる
1324・正中の変で後醍醐天皇の
 謀反の計画が漏洩
1331〜1333・元弘の乱で鎌倉幕府が滅亡

鎌倉時代とはどんな時代?特徴や出来事をわかりやすく簡単に紹介

南北朝時代 | 1333年~1392年

後醍醐天皇
出典:Wikipedia

1333年から1335年にかけて後醍醐天皇は建武の新政という政治体制を確立させます。この期間は鎌倉時代でも室町時代でもない特殊な時期です。様々な混乱を経で、南朝と北朝という2つの朝廷が存在する南北朝時代が生まれました。

広義では室町時代は1336年から1573年までを指しますが、狭義では1333年から1392年を南北朝時代、1392年から1492年(もしくは1467年)を室町時代、1492年以降を戦国時代と区分する事もあるのです。

年代主な出来事
1333・後醍醐天皇による建武の新政が始まる
1335・北条氏の残党が中先代の乱を起こす
1336・建武の乱で後醍醐天皇の政権は終焉
1337・後醍醐天皇が吉野に逃亡して南朝を宣言
1351・正平一統により年号が統一される
1392・明徳の和約で南北朝が統一される

室町時代 | 1336年~1573年

金閣寺
出典:Wikipedia

室町時代は広義では室町幕府が存在した1336年から1573年の期間を指します。3代将軍・足利義満の代に南北朝の統一がなされ、国内は安定するものの、1467年の応仁の乱を経て、再び国内は荒れていきます。

室町時代は農業や商業が著しく発達した時期であり、金閣寺や銀閣寺などの優れた建造物も数多く作られました。民衆や戦国大名の台頭もめざましく、旧勢力の没落と、新興勢力の発展を承知する時代と言えるでしょう。

年代主な出来事
1338・足利尊氏が室町幕府を開く
 (征夷大将軍就任は2年後)
1350〜1352・観応の擾乱で足利尊氏と直義が対立
1379・康暦の政変で細川頼之が失脚
1389〜1400・足利義満が有力な大名を次々と滅ぼす
1397・鹿苑寺(金閣寺)が建立される
1401・勘合貿易が始まる
1410・4代将軍・足利義持が勘合貿易を中止
1441・嘉吉の乱で6代将軍・足利義教が
 暗殺される
1455〜1483・享徳の乱で室町幕府が
 鎌倉公方・足利成氏と対立する
1467〜1477・応仁の乱で幕府の権威は失墜
1489・足利義政が銀閣寺を建立する
1493・明応の政変で細川政元が
 10代将軍・足利義稙に反旗を翻す
1495・北条早雲が小田原城を奪回
1542・斎藤道三が土岐氏を滅ぼし、
 美濃国を奪う
1543・種子島に鉄砲が伝来する
1549・ザビエルがキリスト教を日本に伝える
1553・上杉謙信と武田信玄による
 川中島の戦いが起こる
1560・織田信長が桶狭間の戦いで
 今川義元を破る
1565・永禄の変で13代将軍・足利義輝が
 暗殺される
1568・織田信長が足利義昭を擁立して
 入京を果たす
1573・足利義昭が河内に追放され、
 室町幕府が滅亡

安土桃山時代 | 1568年~1603年

織田信長
出典:Wikipedia

安土桃山時代は安土城を居住とする織田信長と、桃山丘陵にある伏見城を居住とする豊臣秀吉が中央政権を担っていた時代です。始期と終期は複数の見解があり、室町時代や戦国時代とも重複しています。

信長や秀吉だけでなく、多くの戦国大名が登場した時代であり、この時代が大好きな人も多いでしょう。文化的には仏教色の薄れた、豪華で派手な建築や絵画が特徴です。千利休に代表される「わびさび」の発展も見過ごせません。

年代主な出来事
1573・朝倉義景と浅井長政が織田信長に
 滅ぼされる
1579・安土城が完成する
1581・信長が伊賀を平定する
1582・本能寺の変で織田信長が自害
1585・豊臣秀吉が関白に就任
1588・刀狩令の発令
1590・奥州平定が完了し、
 豊臣秀吉が天下統一
1591・千利休が豊臣秀吉に切腹を命じられる
1592・1597・文禄の役と慶長の役で朝鮮に出兵
1598・豊臣秀吉 死去
1600・関ヶ原の戦いで
 徳川家康が石田三成を破る
1603・徳川家康が徳川幕府を開く

江戸時代 | 1603年~1868年

徳川家康像
出典:Wikipedia

江戸時代は1603年から1868年まで続きました。徳川幕府が江戸に幕府を置いていた期間を指します。徳川家康による盤石な体制もあり、260年近くも太平の世を築きました。経済も発展し、当時の江戸は世界最大の都市となりました。

鎖国体制を敷いていた徳川幕府ですが、1853年に黒船が来航すると国内も不安定になります。幕末と呼ばれる政権交代の期間は大河ドラマの題材にもなり、非常に人気のある時代です。

年代主な出来事
1612・禁教令でキリシタン信仰が禁止となる
1615・大坂夏の陣が勃発し、
 豊臣氏が滅亡する
1637・島原の乱で天草四郎が蜂起
1641・鎖国体制が完成
 (オランダ・中国・朝鮮は例外)
1649・慶安の御触書で農民の生活が
 統制される
1651・由比正雪の乱による
 幕府転覆事件が起こる
1669・シャクシャインの戦いで
 アイヌ人が蜂起
1685・徳川綱吉が生類憐れみの令を出す
1702・赤穂事件で大石内蔵助良雄達が
 吉良邸に討ち入り
1709・新井白石が正徳の治を行う
1716〜1745・徳川吉宗による享保の改革が始まる
1768・田沼意次が田沼政治を開始
1774・杉田玄白と前野良沢が解体新書を刊行
1787〜1793・松平定信による寛政の改革が始まる
1808・間宮林蔵が樺太調査を行う
1825・異国船打払令の発令
1837・大塩平八郎の乱
1841〜1843・水野忠邦が天保の改革を行う
1853・ペリーが浦賀に来航し、
 翌年に日米和親条約を締結
1858・安政の大獄による幕府の大弾圧が
 行われる
1860・桜田門外の変で井伊直弼が暗殺される
1863・薩英戦争の勃発
1864・禁門の変で長州藩は朝敵となる
1866・薩長同盟の締結
1867・大政奉還で江戸幕府は政権を
 朝廷に返上
・王政復古の大号令で新政権が発足
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