吸血鬼は実在した?モデルとなった有名な人物5人を逸話と共に紹介

映画や漫画、アニメに度々登場する吸血鬼。架空の存在だと感じる一方、フィクション作品の中では人間と区別がつかない描写もあるため、「実際、吸血鬼っているのかな?」と疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。

吸血鬼は本当に実在するの?

そこで、今回は吸血鬼の実在を伝承や出来事、吸血鬼と呼ばれた有名人物の紹介も交えて解説します。この記事を読めば、吸血鬼が実在したかどうかだけでなく、吸血鬼への理解も深めることができますよ。

この記事を書いた人

Webライター

岩野 祐里

Webライター、岩野祐里(いわのゆり)。5歳の頃、イギリス史に夢中になり図書館へ通いながら育つ。大学では国際文化を専攻し、イギリス史と英文学の研究に没頭。その後、大学院にて修士課程を修了。研究論文は「19世紀英国の社会と犯罪」について。歴史全般の研究歴は11年、イギリス史は21年に及ぶ。現在はWebライターとして活動中。

吸血鬼は実在した?

『吸血鬼ヴァーニー』(イギリスのヴィクトリア朝時代に発行されたゴシックホラー小説)
出典:Wikiwand

ファンタジー映画やアニメの題材、ハロウィンでもお馴染みの吸血鬼(ヴァンパイア)。人間の血を吸って生きる者と認識されていますが、吸血鬼そのものは本当に実在するのでしょうか?

結論からいえば、吸血鬼という存在は実在しません!吸血鬼とは「人間の血を吸って生きる蘇った死人または不老不死の存在」です。現段階では、死人が蘇ることも不老不死である人物も確認されていません。

よく「死人が蘇った」という話がありますが、それは「死んでいると誤診された」のです。昏睡状態や強硬症*に陥ったまま埋葬され、後に意識を取り戻したのでしょう。

吸血鬼はハロウィンでは定番のお化け

他にも、様々な条件が重なって腐敗の遅れた遺体が不老不死の吸血鬼と信じられることもあります。これらは、医学が発達していなかった時代によく起こった出来事です。その結果、多くの吸血鬼伝説が誕生したのですね。

*強硬症

強硬症とは、同じ姿勢を保ち続け自分の意思で変えることが難しい意欲障害です。カタレプシーや蝋屈症(ろうくつしょう)とも呼ばれます。神経障害や統合失調症などと関連があると考えられていますが、現代においても未だに原因は解明されていません。

そもそも吸血鬼とはどのような存在だったのか?

典型的な吸血鬼のイメージ
出典:Wikiwand

吸血鬼は実在しないと述べましたが、医療の誤診などにより吸血鬼伝説は世界各地に存在しています。それらによる吸血鬼の実態をまとめてみました。

  • 墓から蘇り、人間の血を栄養源として生きる
  • 生前に反信仰的な行いをした者や犯罪を犯した者、自殺した者などが吸血鬼になる
  • 吸血鬼に血を吸われた者も吸血鬼となる
  • 不老不死でもあり、コウモリなどに変身できる

これらが吸血鬼の正体とされています。それでは、このような説が誕生した背景をより詳しく解説します。

吸血鬼という存在が生まれた背景

1897年に描かれた吸血鬼の絵画
出典:Wikiwand

吸血鬼が誕生する以前から、人間には「死者は血を好む」という考えが根付いていました。アステカ帝国や古代ギリシャでは儀式で血を使うことが多くあり、「血は栄養源」という認識が強かったのです。

そのため、吸血鬼が人々の間に誕生することは何の不思議もありません。4世紀ごろには、すでに吸血鬼の存在が信じられており、民話にも書かれています。

異宗教の文化や疫病の流行などで不思議な死人が出現し、彼らはこれを吸血鬼のせいだと思い込んだのです。医学が未発達だった当時を考えれば、原因が吸血鬼と考える方が自然だったのですね。

吸血鬼退治は遺体を掘り起こしてまで行われた

吸血鬼の被害を防ぐために、人々は吸血鬼とされる人物の死体を燃やしたり心臓に杭を打ち込むなどの対策を取りました。これが吸血鬼退治と呼ばれるものです。

死体を破損させる行為は不道徳であるとされましたが、人々は不道徳な行為よりも未知なるものへの恐怖心のほうが大きかったのでしょう。吸血鬼退治は20世紀ごろまで続きました。

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2 COMMENTS

m.A

noteから飛んできました〜。
吸血鬼の話がアジアにまで及ぶとは!驚きです。
そしてヴラド3世は漫画まであったのですね。
青年時代の彼も気になってきました!

内容たっぷりの濃い〜記事で、とっても楽しませて頂きました、ありがとうございます♪

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岩野祐里

m.Aさんへ
コメントいただきまして、ありがとうございます!とっても嬉しいです!
ヴラド3世は現代において様々な視点から捉えられているようで少し驚きですよね。「串刺し公」の他にも、彼には知られざる優しい一面もあったのかもしれません。

読んでいただいて、本当にありがとうございます!

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