「厳しく過酷な刑務所ってどこだろう?」
「過ごしやすい刑務所もあるのかな?」
刑務所は刑罰に服する受刑者を収監し、改善更生の意欲の喚起および社会生活に適応する能力の育成を図る機関です。日本には数多くの刑務所が存在し、特色や収容される受刑者は異なります。
当然、過ごしやすく評価の高い刑務所や、厳しく過酷な刑務所などさまざまです。そこで、次のトピック別に日本の刑務所を、ランキング形式で紹介します。
この記事を読めば、全国各地にある特徴的な刑務所を知ることができますよ。
本記事のランキングは、受刑者の体験や過去にそれぞれの刑務所で起きた出来事、刑務所の特徴などを加味して選定しました。刑務所に感じる印象は各受刑者により異なるので、それを踏まえた上でこの記事を読んでいただければ幸いです。
この記事を書いた人
Webライター
Webライター、吉本大輝(よしもとだいき)。幕末の日本を描いた名作「風雲児たち」に夢中になり、日本史全般へ興味を持つ。日本史の研究歴は16年で、これまで80本以上の歴史にまつわる記事を執筆。現在は本業や育児の傍ら、週2冊のペースで歴史の本を読みつつ、歴史メディアのライターや歴史系YouTubeの構成者として活動中。
厳しく過酷な刑務所ランキングTOP5
刑務所といえば「厳しくて過酷な場所」というイメージを持つ人は多くいますよね。実際、規律の厳しい刑務所や、刑務官や受刑者のリンチなどが問題になった刑務所は存在します。
ここでは、そんな厳しく過酷な刑務所を紹介します。
- 5位:神戸刑務所
- 4位:京都刑務所
- 3位:横浜刑務所
- 2位:大分刑務所
- 1位:名古屋刑務所
- 番外編:松山刑務所
5位:神戸刑務所
神戸刑務所は兵庫県神戸市にある刑務所で、通称は「神刑(しんけい)」です。受刑者は懲役10年以下の再犯者や外国人が多くを占めています。神戸刑務所は規律がとても厳しい事で有名です。
刑務所は刑務期間が長いほど等級が上がり、作業報奨金の金額が上がります。ただ神戸刑務所には「減点制度」があり、舎房での生活態度や工場での作業態度が悪いと減点されます。更に、点数がある基準に達しないと、いくら期間が経っても進級できません。
神戸刑務所ではシャツのボタンが外れているだけで減点対象です。こうした規律の厳しさから、神戸刑務所には閉塞感が漂っているそうです。この規律の厳しさが受刑者の社会復帰に役立っているとは言い難く、神戸刑務所の再犯率は高いと言われています。
4位:京都刑務所
京都刑務所は京都市山科区にある刑務所で、通称は「京刑(きょうけい)」です。再犯者や外国人が多くを占めています。京都人は言い回しは綺麗でも、遠回しにキツい事を言う傾向があるとされます。
その傾向が刑務所の刑務官にも現れており、受刑者に対する言葉の暴力が強いとの事。Yahoo知恵袋等では「京都刑務所は厳しかった」「受刑者を人間扱いしていない」などの書き込みが見受けられます。
再犯者が多いとはいえ、京都刑務所はおとなしい受刑者が多いようです。その雰囲気が刑務官が助長させているのかもしれません。
3位:横浜刑務所
横浜刑務所は神奈川県横浜市に存在する刑務所で、通称は「横刑(よこけい)」です。こちらは26歳以上の犯罪傾向の進んだ男性受刑者を収容しています。約1割が外国人で、そのうちの半分は中国人になります。暴力団関係者も多く、刑務官は厳しいようです。
過去には受刑者に2ヶ月間入浴する事を禁じる、歯ブラシや歯磨き粉の使用を認めない等の懲罰が行われ、人権侵害を指摘された事もあります。全員というわけではありませんが、厳しい指導や処置が行われているのは間違いないようです。
ちなみに横浜刑務所は、全国でも類を見ない「笑う刑務所」を推奨しています。日々笑う習慣をつける事で、不満、怒り、憤りなどの負の感情を吹き飛ばす意味があるようです。厳しさの中に笑いあり。相反する感情が両立しているのが、この横浜刑務所なのです。
2位:大分刑務所
大分刑務所は大分市にある刑務所で、通称は不明です。この刑務所は、刑期が数ヶ月のションベン刑と呼ばれる受刑者も、刑期が10年以上の長期受刑者も、全く同じ環境で生活しています。これは全国でも珍しく、混合処遇のモデル刑務所と呼ばれています。
長期受刑者が短期受刑者を妨害するケースも多く、規律は他の刑務所よりも厳しめ。過去には過剰収容も問題になっています。雑居にベッドを追加して、収容人員を無理に増やす、独居に2名を収容させる等、生活環境が著しく酷い状態も続いていました。
面会や差し入れが断られるケースも多く、短期受刑者にとっては厳しい場所といえます。「もう刑務所には戻りたくない」と考える良い機会になるかもしれません。
1位:名古屋刑務所
名古屋刑務所は愛知県みよし市にある刑務所で、通称は「名刑(めいけい)」です。規模の大きい刑務所であり、再犯者や心身障害者などの処遇困難者を収容しています。特に厳しい刑務所として有名で、初犯の人が収容されれば地獄を見ると言われています。
2001年には、刑務官が受刑者の肛門に消防用ホースで放水し、直腸破裂で死亡させた事件が起きました。2002年には、受刑者の腹部を革手錠で締め付けた事による死亡事件、2018年には受刑者が熱中症で死亡する等、受刑者の死亡事故も目立ちます。
受刑者を全裸にしての身体検査なども横行し、2011年には改善要望も出されています。この検査はカンカン踊りと呼ばれ、1990年代には廃止するように通達がなされていました。つまり、この身体検査がつい最近まで行われていた事になりますね。
名古屋刑務所は刑務官の不祥事が目立ちます。厳しく過酷な刑務所の筆頭と言えるでしょう。
番外編:松山刑務所
今まで紹介した刑務所の様子は比較的最近の状況です。戦後の日本の法制度で最も腐敗し、過酷な環境だったのは1960年代の松山刑務所です。
1964年の第1次松山抗争で、大量の暴力団が松山刑務所に服役。1人の刑務官が受刑者の手紙を投函し、その礼金を受け取った事で、受刑者が刑務官を軽んじるようになります。その結果、受刑者が刑務所を暴行や脅迫する事態が起きたのです。
受刑者は所内の鍵を使用して刑務所内を自由に移動し、飲酒、喫煙、花札賭博は当たり前。女性受刑者が男性受刑者に強姦されるだけでなく、刑務官が女性受刑者と関係を持つケースもありました。
この腐敗は1966年に国会で取り上げられますが、当時の副看守長2人は自殺。強姦の被害者達は法務省から告訴を取り下げる署名を脅迫された為、一連の事件は闇に葬られてしまいます。刑務官が厳しく接しないと、刑務所の風紀が腐敗する事がよくわかりますね。
この浮世は生き地獄でございます。娑婆で在ろうが刑務所拘置所で在ろうが生き地獄の一断面に過ぎません。全てを諦めて何もせずに寿命の
尽きる日まで苦しみ抜くしか術はございません。南無 (◡ 人◡)
天国と地獄が同居してる大井造船作業場が無いぞ