ソ連の崩壊が世界に与えた4つの影響
ソ連の崩壊は、日本国内だけでなく世界に多大な影響を与えました。ここからは、ソ連の崩壊が世界に与えた下記4つの影響を紹介します。
- ロシア連邦の誕生
- 冷戦の終結とアメリカの覇権
- 旧ソ連諸国の深刻な経済危機
- ソビエト連邦の郷愁
影響①:ロシア連邦の誕生
ゴルバチョフが1991年12月25日に大統領を辞任し、ソ連は崩壊を迎えます。その後、旧ソ連の国家資産、軍隊、国際的な地位を継承する形で誕生したのはロシア連邦でした。初代大統領はゴルバチョフのライバルであるボリス・エリツィンが就任します。
エリツィンは貿易・価格・通貨の自由化や、マクロ経済安定化の経済政策を採用。統制経済から市場経済への転換を図りました。しかし急激な経済政策の転換は、市民の貯蓄や資産に打撃を与え、ソ連時代の生活水準は破壊されていくのです。
一連のショック療法で1992年のインフレ率は前年比2510%、1992年の国内総生産 (GDP) は前年比-14.5%になり、国民の貧富の格差と不満は増加。ソ連崩壊は、新たな混乱の序章に過ぎなかったのでした。
影響②:冷戦の終結とアメリカの覇権
冷戦時代に世界の覇権を握っていたのは、社会主義陣営のソ連と、資本主義陣営のアメリカです。ゴルバチョフは1989年12月2日に、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領と会談し、冷戦の終結を宣言していましたが、ソ連崩壊で冷戦は完全に終結します。
更にソ連崩壊を経て、アメリカの対抗勢力は消滅し、アメリカが単独覇権を握る時代が到来。アメリカ政府はソ連の報復などを恐れる事なく、諸外国に軍事介入や経済制裁が可能となりました。
ただ長い年月を経て、アメリカ一強の時代は終わりを迎えつつあります。ただ、2014年のウクライナ領のクリミア併合や、2022年のウクライナ侵攻などの行動をちれば、ロシアも決して過去の栄光を忘れたわけではない事がわかります。
ちなみにウクライナは、元々はウクライナ・ソビエト社会主義共和国であり、ソ連崩壊後に独立を果たした国です。国内には親露派と親欧派がせめぎ合っており、ロシアはずっと親露派を支援していた背景がありました。
ソ連崩壊後も余波はまだ続いていると言えるのです。
影響③:旧ソ連諸国の深刻な経済危機
ソ連の崩壊により、多くの社会主義国が独立したものの、これらの国々は連邦国家の枠組みの中で経済を回していました。各国は経済政策の転換を図るものの、多くの国々の経済は停滞していきます。
早々にソ連からの脱却を図ったバルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)は、比較的良好な経済発展を遂げたものの、ウズベキスタンやキルギス、タジキスタンなどの国々は今も苦しい状態が続いています。
影響④:ソビエト連邦への郷愁
ソ連の崩壊を全世界の人々が歓迎したわけではありません。ロシア連邦や旧ソ連諸国の人々、世界各地に存在する共産主義者達の中には、過去の強大なソ連を懐かしんでいる人もいるのです。この懐かしさは、「ソビエト連邦への郷愁」と呼ばれています。
2018年の世論調査では、ロシア人の66%が「ソ連の崩壊を嘆いている」というデータが出ています。ソ連の崩壊に伴い、ロシアや周辺一帯の統制経済は破壊され、貧富の差は拡大。親ソ派の人々は弱体化したロシアを目の当たりにして、強い屈辱を感じたのです。
ちなみに先ほどの調査で、ソ連に好意的な意見を述べたのは55歳以上の人々が大半でした。彼らは強大なソ連を知っている世代です。現在のウクライナ情勢に対するロシアへの批判や、世代交代が行われる事で、調査内容にも変化が生じるかもしれませんね。
偉大なる祖国は何故滅亡してしまったのか分かりやすかったです。しかしソビエトは「蘇」ります。ウクライナを軍事的に侵攻し、併合した後、ジョージアまで全て併合してします。かならずやり遂げられると信じています。我が偉大なる祖国、万歳。