ドラゴンの種類を一覧表でわかりやすく解説!各種の特徴も紹介

1:サラマンダー

サラマンダー
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サラマンダーとは、古代ヨーロッパにおいて火の生き物とされたドラゴンです。「風・地・火・水」という自然の四大元素に住む4つの精霊のうちの1つともされています。トカゲやヘビのような姿をしており、溶岩や炎の中で暮らしているそうです。

サラマンダーが誕生したきっかけは、古代ヨーロッパにおいてイモリなどが火の中でも生きていられたことに始まります。実際は高温には弱い生き物なのですが、当時としては火に入れてもすぐに死なないことから火に強い存在とされたのでしょう。

サラマンダーは、非常に強い毒を持っていることでも有名です。現実でもイモリ類は毒を持つ個体が多いため、こちらは少し現実味を感じる特徴の1つになります。

2:レヴィアタン

レヴィアタン
出典:Wikiwand

レヴィアタンとは、ユダヤ教とキリスト教の聖典「旧約聖書」で描かれているドラゴンです。巨大な体にはどんなものでも跳ね返す硬い鱗があり、口からは炎を吐くといわれています。

海の中に住んでおり、レヴィアタンが巨大な体をうねらせて泳ぐと海に渦ができるほどです。現在では海や水を表すものとして、ゲームやアニメのキャラクターにレヴィアタンの名が付けられていることがあります。

3:黙示録の赤い竜

黙示録の赤い竜
出典:Wikipedia

黙示録の赤い竜とは、キリスト教における聖典「新約聖書」の最後に記述された「ヨハネの黙示録」に登場するドラゴンです。その名の通り、体は赤く巨大であり、7つの頭と10本のツノを持っています。

黙示録の竜は悪魔サタンの化身であり、邪悪な力を持つ竜とされました。また、赤い竜と同時に登場する1匹の獣はキリスト教を迫害するカトリックを表していると考えられています。

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4:ニーズヘッグ

ニーズヘッグ
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ニーズヘッグとは、北欧神話に出てくるドラゴンです。ニーズヘッグは北欧神話に描かれている9つの世界のうち「ニヴルヘイム」という氷の国の泉に住んでいます。

泉の中にはユグドラシルという9つの世界全てを包む世界樹があり、3つの根によって支えられているそうです。ニーズヘッグはその根の1つを齧るドラゴンとして神話に登場しています。

また、北欧神話における死者の世界「ナーストレンド」では亡き者の血を飲み、「ラグナロク」という世界の終わりに死者を翼に乗せて飛ぶ黒いドラゴンとしても描かれているのです。神話の要所に描かれている点から、ニーズヘッグは北欧神話にとって欠かせない存在なのでしょう。

5:ファフニール

ファフニール
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ファフニールとは、北欧神話やゲルマン神話に出てくるドラゴンです。神話では、欲にかられた人間や小人の妖精ドワーフがドラゴンに姿を変えてしまうとされています。

ファフニールももとは人間でしたが弟を殺された賠償金を神々に求めた結果、手に入れた黄金に目がくらみドラゴンへと姿を変えました。神々から受け取った黄金の中には黄金時代を生み出す指輪も含まれており、その影響も受けたのではないかと言う説もあります。

ファフニールは毒を吐くドラゴンとなって黄金を守っていました。しかし、最終的に黄金を分けてもらえなかった末弟が作った剣によって殺されてしまいます。

6:ラードーン

ラードーン
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ラードーンとは、ギリシア神話に出てくるドラゴンです。ラードーンは100個の頭を持ち、ヘビに近い姿をしています。神々の女王ヘーラーの果樹園にある黄金の林檎を守護する存在として有名です。

ギリシア神話では、この林檎は不死の力を得られるといわれており、ラードーンは毎日眠りもせず黄金の林檎を守っていました。しかし、英雄ヘラクレスに課された12個の試練のうちの1つに「黄金の林檎を取ってくる」というものがあり、2人は戦うことになります。

最終的にラードーンはヘラクレスが用いた毒矢によって殺され、「りゅう座」として空に輝くようになりました。ちなみに、ラードーンの絵には「ずっと黄金の林檎を守っている」という神話から林檎の木に巻き付いている様子が描かれています。

7:ヒュドラ

ヒュドラ
出典:Wikiwand

ヒュドラとは、ギリシア神話に出てくるドラゴンです。9つの首を持つ胴体をした大蛇の姿であり、不死身の体をしているとされています。ギリシア神話によると、現在のギリシア南部に位置するペロポネソス地方の沼地に住み、人間の村を荒らしていたそうです。

そんなヒュドラの最大の特徴は口から吐かれる強力な毒であり、ヒュドラが居た場所に近づくだけでこの毒に侵されると伝えられています。ギリシア神話では英雄ヘラクレスとヒュドラの戦いが描かれていますが、ここでもヒュドラの毒はヘラクレスを苦しめました。

さらに、不死身のヒュドラの体は何度首を潰されても再生するため、ヘラクレスは甥の助けを借りてヒュドラの傷跡を焼くしかなかったといいます。最終的に、ヘラクレスに退治されてしまったヒュドラは空に輝く星座の1つ「うみへび座」となりました。

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3 COMMENTS

砂川@工場勤務の歴史マニア

今回もとても勉強になりました。

ウェールズの旗にもなっているドラゴンにはそのような謂れがあるのですね。
ヨーロッパのドラゴンは悪の象徴と言われているのに、なぜ旗に描かれているのだろうと不思議に思っていたのです。そもそもドラゴンではなくて、ワイバーンなのですね。

元ゲーム好きなので、「Skyrim」というゲームを思い出しながら拝読いたしました。
昼夜を忘れてやっていたものです。

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岩野祐里

砂川さんへ

今回もご覧くださってありがとうございます!毎回、本当に励みになるお言葉をいただき、嬉しいです。

おっしゃる通り、西洋のドラゴンは「悪の象徴」というイメージが強いですが中には良い意味で伝承されているドラゴンといます。また、一口にドラゴンといっても地域によって「ワイバーン」「ファイアードレイク」など名称が異なるところが興味深いですね。

ゲームに登場するドラゴンは素晴らしいイラストレーターさんによって美しく描かれています。私も昔ハマっていたゲームに登場するドラゴンにワクワクしたものですよ!歴史上の文献に描かれているドラゴンと比べてみるのも楽しいですね。

また次回の記事も楽しみにしていただけたら、幸いです。
本当にありがとうございます!

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ぶちこ

ゲームなどとは違って当時の絵はなかなか生々しいんですね!
やっぱり悪を表したものみたいなのだからなのかな?でもかっこいいです!
ありがとうございたしたイク

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