ドラゴンの種類を一覧表でわかりやすく解説!各種の特徴も紹介

8:テューポーン

テューポーン
出典:Wikiwand

テューポーンとは、ギリシア神話に出てくる神であり怪物でもあるドラゴンです。空の星に頭がつくほどの巨大であり、100ものヘビの頭がついた肩やさまざまな音を発することができる声を持っていました。

上半身は人間で下半身はヘビの姿をしており、翼も持っているといいます。テューポーンは、オリュンポス山に住む12柱の神々の頂点に立つゼウスを1度は退け、幽閉したことがある唯一の神でもありました。

9:ファイヤー・ドレイク

火を吹き空を舞うファイヤー・ドレイクのイメージ画像

ファイヤー・ドレイクとは、古代ヨーロッパに伝わるドラゴンです。ヨーロッパの中でもイギリスの湿地帯や北ヨーロッパの洞窟に住んでいるといわれています。「ファイヤー」というだけあって、その姿は炎に包まれたドラゴンそのものです。

口から炎を吐けるだけでなく、煮えたぎるマグマの中でも泳げるほどに強い体を持っています。翼を持ち空を飛べるため、曇り空に光が見えたときはファイヤー・ドレイクが空を飛んでいるといわれることが多いです。

他のドラゴンにも見られることですが、ファイヤー・ドレイクも金銀財宝が好きで自分が住む湿地や洞窟にある財宝を守っているとされています。

10:ズメイ・ゴルイニチ

ズメイ・ゴルイニチ
出典:Wikiwand

ズメイ・ゴルイニチとは、中欧・東欧に伝わるドラゴンで特にロシアの伝承によく登場する存在です。12個もの胴体に3つ以上の首を持ち、口から毒や火を吹く生き物として知られています。

伝承によって作られた叙事詩「ドブルイニャと竜」では、ズメイ・ゴルイニチは人間を誘拐しない誓いをしたにも関わらず国の姫君や国民を攫って洞窟に閉じ込めたそうです。最終的に、ズメイ・ゴルイニチは退治されました。

また、スラブ系が住む地域の伝説ではヘビがある程度年を取るとドラゴンになるというものがあります。ここからも分かるように、ドラゴンの成り立ちにはヘビが深く関係しているのでしょう。

11:ワイバーン

ワイバーン
出典:Wikiwand

ワイバーンとは、11世紀ごろからイギリスに伝わるドラゴンです。鷲のような2つの足にコウモリのような翼、ヘビのような尻尾を持った姿をしています。典型的な西洋のドラゴンの容姿であるため、イギリス以外の国ではワイバーンとドラゴンは同じとする見方が多いです。

イギリスでは紋章や印章など幅広い形でワイバーンが描かれていますが、ワイバーンに関する伝承や神話はありません。ただし、ワイバーンの容姿や特徴については細かい描写が残っています。例えば、翼で空を飛ぶことや尻尾に毒があることなどが書物に残っていました。

12:アンピプテラ

アンピプテラ
出典:Wikiwand

アンピプテラとは、イギリスにおいて紋章に描かれることで有名なドラゴンです。見た目は翼を持つヘビのような姿をしており、くねくねした体に長い尻尾を持っています。

アンピプテラは紋章に用いられることの方が有名なドラゴンであり、特別目立った伝承や伝説はありません。ただし、イギリスのイングランド東部に位置するエセックス地方で目撃されたという情報があります。

13:ウェールズの赤竜

ウェールズの赤竜(ウェールズの国旗にも描かれている)
出典:Wikipedia

ウェールズの赤竜とは、イギリスの南西部に位置するウェールズ地方の象徴ともされるドラゴンです。その名の通り、体全体が赤く4つの足と翼を持っています。起源は2世紀の軍旗に描かれた絵に始まり、現在ではウェールズの国旗にも描かれるほどになりました。

伝説では、5世紀ごろのブリテン人とサクソン人の争いにウェールズの赤竜が登場しています。ブリテン人側が守りの固い塔を築く際に、幼い魔術師マーリンによって地下に眠っていた赤い竜と白い竜が発見されました。

2頭の竜は争い始め、最終的には赤い竜が白い竜を退けます。マーリンによれば赤い竜がブリテン人、白い竜がサクソン人だそうです。彼はサクソン人を完全に倒すにはアーサー王の力が必要だとも述べました。そのため、ウェールズの赤竜はアーサー王の象徴にも用いられています。

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14:ペルーダ

ペルーダ
出典:Wikiwand

ペルーダとは、フランス北西部に位置するサルト地方に伝わるドラゴンです。フランスでは「ヴリュ」とも呼ばれています。ヘビのような頭と尻尾で、胴体には毒のトゲを持つ緑色の体毛を生やし亀のような足をした姿です。

人間や家畜を食べたり、口から出る炎や洪水をもたらす力を使って飢饉を起こしたりしました。また、別の伝承では巨大な尻尾を振り回して人間や家畜を殺し、中世フランスの村や街を荒らしていたといいます。

若い女性や子供を好んで襲っていましたが、とある女性の婚約者によって尾っぽを切られて退治されました。退治されたとはいえ、数あるドラゴンの中でも特に人間や動物に被害をもたらす存在といえるでしょう。

15:メリュジーヌ

メリュジーヌ(左側)
出典:Wikiwand

メリュジーヌとは、フランスに伝わるドラゴンです。上半身は人間の女性の姿であり、背中にドラゴンの翼を持っています。下半身はヘビの姿をしており、人魚や妖精とも呼ばれていることが特徴的です。

メリュジーヌに関する話は、民話として中世からフランスで語り継がれてきました。14世紀ごろには作家ジャン・ダラスによって、メリュジーヌの物語が描かれています。

その物語の中でメリュジーヌは週に1度だけ下半身が蛇になり、もしその姿を誰かに見られれば永久にその姿のままになってしまう呪いをかけられていました。

しかし、最終的に夫がメリュジーヌの姿を見てしまい、彼女はドラゴンとなってしまったといいます。

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3 COMMENTS

ぶちこ

ゲームなどとは違って当時の絵はなかなか生々しいんですね!
やっぱり悪を表したものみたいなのだからなのかな?でもかっこいいです!
ありがとうございたしたイク

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砂川@工場勤務の歴史マニア

今回もとても勉強になりました。

ウェールズの旗にもなっているドラゴンにはそのような謂れがあるのですね。
ヨーロッパのドラゴンは悪の象徴と言われているのに、なぜ旗に描かれているのだろうと不思議に思っていたのです。そもそもドラゴンではなくて、ワイバーンなのですね。

元ゲーム好きなので、「Skyrim」というゲームを思い出しながら拝読いたしました。
昼夜を忘れてやっていたものです。

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岩野祐里

砂川さんへ

今回もご覧くださってありがとうございます!毎回、本当に励みになるお言葉をいただき、嬉しいです。

おっしゃる通り、西洋のドラゴンは「悪の象徴」というイメージが強いですが中には良い意味で伝承されているドラゴンといます。また、一口にドラゴンといっても地域によって「ワイバーン」「ファイアードレイク」など名称が異なるところが興味深いですね。

ゲームに登場するドラゴンは素晴らしいイラストレーターさんによって美しく描かれています。私も昔ハマっていたゲームに登場するドラゴンにワクワクしたものですよ!歴史上の文献に描かれているドラゴンと比べてみるのも楽しいですね。

また次回の記事も楽しみにしていただけたら、幸いです。
本当にありがとうございます!

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