スラブ民族
スラブ民族とは、中央ヨーロッパから東ヨーロッパで暮らしていた人々のことです。インド・ヨーロッパ語族のスラブ語を話し、農業と狩猟や捕鯨で生活していました。また、鎧や剣など武器の製作もおこなっていたといわれています。
西スラブ人や東スラブ人などに分かれており、9世紀ごろにはハンガリーにつながる遊牧民マジャール人によって南スラブ人と北スラブ人にまで分割されてしまいました。北スラブ人以外は現在のヨーロッパの人々の祖先となっています。
スラブ民族は明るい茶髪に黒や灰色の瞳をした人が多いです。ただし、ロシア人にはゲルマン人のように金髪で青い目の人もいます。有名人でいえば、女優のミラ・ジョヴォヴィッチや元プロテニス選手のマリア・シャラポアなどが広く知られているでしょう。
ラテン民族
ラテン民族とは、西ヨーロッパから南ヨーロッパで暮らしていた人々のことです。インド・ヨーロッパ語族のうちラテン語を起源としたロマンス諸語を話していました。そのため、紀元前10世紀ごろに登場したラテン人とつながりがあります。
ラテン民族の人々は黒または褐色の髪に黒い瞳を持っていることが多いです。有名人でいえば、ファッションデザイナーのジョルジオアルマーニや女優のペネロペ・クルスがあげられます。
ヨーロッパ民族の歴史的出来事【大移動】
ヨーロッパ民族の歴史的な出来事として有名なのが、375年に起きたゲルマン人を中心とする大移動です。東ヨーロッパや中央アジアの遊牧民であるフン族がゲルマン人の住む領地を侵略し始め、彼らから逃れるためにゲルマン人たちがヨーロッパの各地へ移動しました。
上画像のように、西ゴート人やアングロ・サクソン人、東ゴート人などがそれぞれ移動し異なる土地で自分たちの王国を築いたのです。この4世紀から6世紀にかけての大移動によって、古代ヨーロッパ時代が終わりを告げて中世ヨーロッパ時代が始まったとされています。
ちなみに、この大移動の際にゲルマン人たちは当時のヨーロッパを支配していた古代ローマ帝国に侵入しました。その影響で衰退していたローマ帝国が滅ぼされたり、ローマ人に同化する人々も現れ始めたのです。この歴史的出来事によって時代が移り変わり、現在のヨーロッパ各国の礎となりました。
ヨーロッパ民族を象徴する3つの特徴
ヨーロッパ民族は各地域ごとに多様化していますが、次のようなそれぞれに共通する特徴も持ち合わせています。
- 可愛らしい民族衣装
- 荘厳な伝統音楽
- 人種差別の問題
ここでは、上記3つの特徴を詳しく紹介します。
可愛らしい民族衣装
伝統的な民族衣装は世界各国にありますが、中でもヨーロッパ民族の衣装は華やかで可愛らしいものが多いです。種類も非常に豊富で各地域ごとに異なっています。
例えば、キルト(男性用のスカート)やタータンチェックが特徴的なイギリスのスコットランド地方の衣装、花の刺繍が特徴的なハンガリーの衣装などは特に有名です。また、オランダの民族衣装に欠かせない木靴は観光客に人気の土産品となりました。
各地で特徴が異なるヨーロッパの民族衣装ですが、類似点もいくつか見られます。赤や青といった色鮮やかな布で作られており、草花の刺繍が施されたレースやベストが多いです。服の構成も男性はシャツにベストとズボン、女性はレースのエプロンにスカートを履いています。
そして、各地域の気候や文化に合わせた形で作られているものが多いです。上記で紹介したオランダの木靴は湿った土地が多いために作られました。このように、伝統衣装にもヨーロッパ民族の歴史をみることができます。