荘厳な伝統音楽
ヨーロッパ民族の文化では、味わい深い荘厳な伝統音楽も有名です。ヨーロッパの音楽といえば、荘厳なクラシック音楽を思い浮かべる人が多いでしょう。もちろん、クラシック音楽もヨーロッパ民族の伝統音楽の1つです。
しかし、多種多様なヨーロッパ民族では各地域によって異なる伝統音楽を持っています。例えば、イギリスのスコットランド地方に伝わるバグパイプやイタリアのカンツォーネ、スペインのフラメンコなどが有名です。
力強く響き渡る音楽もあれば、優雅かつ素直な音楽や激しく情熱的な音楽もあります。それぞれの民族が住む土地や文化に合わせたメロディになっているのでしょう。しかしながら、同じヨーロッパ民族として類似点も見受けられます。
まず、演奏楽器としてバイオリンやトランペットの使用頻度が高く、メロディはドレミの音階で作られたものが多いです。また、宗教的な音楽として聖歌が広く普及しているところも類似点の1つになります。
ヨーロッパ民族の伝統音楽は、風土によって異なりながらも共通項がある非常に興味深い文化といえるでしょう。
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人種差別の問題
ヨーロッパ民族の特徴には、人種差別の問題というマイナスな面もあります。代表的なのは、ヒトラー率いるナチス・ドイツによるユダヤ人の迫害です。昔からユダヤ人はヨーロッパ民族間で差別の対象でした。
しかし、ナチス・ドイツは民族的観点からゲルマン系である自分たちを「優秀な人種」とし、ユダヤ人を「価値のない存在」と考えたのです。こうした反ユダヤ主義によって、第二次世界大戦中に多くのユダヤ人が強制収容所に送られて命を落としました。
また、西ヨーロッパや中央ヨーロッパに住む民族は、ロシアなどの東ヨーロッパ民族を嫌って差別する傾向があります。さらに、中東ヨーロッパに住む「ロマ」と呼ばれる民族も民族的・遺伝的に劣る存在として差別や迫害を受けている状態です。
ロマの場合は教育が足りず就職率が深刻化しています。そのため、多くのロマの人々が衣食住などをはじめとする貧困に苦しんでいるのです。現在のヨーロッパでは、民族間に及ぶ差別を失くそうと新たな政策や試みが行われています。