西鉄バスジャック事件の犯人「谷口誠一」の現在は?その後の行方も紹介

西鉄バスジャック事件が社会に与えた3つの影響

西鉄バスジャック事件は未成年による凶悪犯罪であり、世間は大きな衝撃を受けました。ここからは、西鉄バスジャック事件が社会に与えた主な影響を3つ解説します。

  • 引きこもり問題の表面化
  • 模倣犯の増加
  • バスジャックの対応強化

引きこもり問題の表面化

引きこもりは深刻な社会問題
出典:NewSphere

谷口誠一が引きこもりだった事は、世間の関心を集めました。この事件の3ヶ月前には、引きこもりの男性が9年にわたり少女を監禁していた「新潟少女監禁事件」も発覚。世間は「引きこもり=犯罪予備軍」という風潮が広がりました。

引きこもりは「仕事や学校に行かずに家に篭り、家族以外に交流を持たずに半年以上生活を続ける人」です。2018年の調査では、15歳〜39歳の引きこもりは54万1000人、40歳〜64歳の引きこもりは61万3000人に及びます。

彼らは犯罪予備軍ではありません。発達障害などで社会に馴染めなかった、いじめやパワハラなどの要因で、引きこもらざるを得なかった人達です。彼らに共通する支援は、「本人の事を暖かく受け入れる事」「安心感の持てる関係性や居場所を作る事」です。

谷口誠一も、学生時代のいじめを経て引きこもりになりました。両親の献身的なサポートだけでなく、行政や専門職によるケアがあれば、犯罪に手を染めなかったのかもしれません。

模倣犯の増加

2ちゃんねるのロゴ
出典:imソリューション

谷口誠一が新潟少女監禁事件に共鳴したように、西鉄バスジャック事件を経て模倣犯も増加しました。2001年には、「ネオむぎ酒」を名乗る少年が「YOSAKOIソーラン祭り」を妨害すると書き込みを行い、逮捕されています。

2002年にも「ネオ烏龍茶」を名乗る男が、「小田急電鉄」に爆破予告をして逮捕されました。こうした事件は、良くも悪くも2ちゃんねるの知名度を押し上げます。この事件を経て、2ちゃんねるの管理人・ひろゆきは顔出しを解禁しました。

また2008年には、東名ハイウェイバスでもバスジャックが発生しますが、犯人は中学2年生の少年でした。彼は果物ナイフで犯行に及んでいますが、事件前に西鉄バスジャック事件の事を母親に質問していた事が判明しています。

犯罪予告にバスジャック。それだけ谷口誠一が世間に与えた影響は大きいものがありました。しかし、犯罪は犯罪であり、決して真似をする事は許されません。

バスジャックの対応強化

西鉄のバス
出典:Wikipedia

日本バス協会は、この事件を受けてバスジャックの対応マニュアルを一新します。バス車両に、バスジャック対策装備品の装着が進みました。

今回の事故では、ジャックされている事を外部に伝える事が出来ず、事故の発覚も遅れています。そんな経緯もあり、バスの行先表示に「SOS」や「緊急事態発生」が表示可能となり、バスジャック保険も整備されました。

2014年にも西鉄のバスがジャックされましたが、通報装置が作動して会社側はすぐにそれを察知。また行き先表示に「SOS 110番へ」という文字が表示された為、ドライバーの通報で警察もすぐにバスジャックを把握しました。

過去の事件を教訓にして、日々防犯は強化されています。

まとめ

今回は、西鉄バスジャック事件の犯人・谷口誠一のその後を解説しました。少年院出所後の谷口誠一の消息はわかっていません。ただ更生プログラムや、被害者の山口由美子さんとの面会を経て、谷口誠一の心境は変化したと個人的には考えています。

家庭内の不和、学校や仕事での挫折。人はさまざまな壁にぶつかりながら生きています。そこで自暴自棄になるのか、踏みとどまれるかは、「支えてくれる人がいるか」にかかっています。

谷口誠一は事件を経て、周りに支えてくれる人がいる事に気づきました。今回の記事が、西鉄バスジャック事件の関心を高める事、支えてくれる人の大切さに気づく契機になれば幸いです。

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