「ジョン・ゲイシーが描いた絵にはどんなものがあるの?」
「ジョン・ゲイシーの絵はいくらくらいで購入できるの?」
ジョン・ゲイシーは凶悪なアメリカの連続殺人鬼として有名ですが、同時に彼が描いた絵も世界的に知られています。しかし、殺人鬼の作品であるがゆえに機会は少なく、どれだけの作品があるのか知らない人も多いでしょう。
そこで、この記事ではジョン・ゲイシーが描いた絵を、特徴や人気の理由なども交えて紹介します。ジョンゲイシーの絵を閲覧できる場所や購入方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事を書いた人
Webライター
Webライター、岩野祐里(いわのゆり)。5歳の頃、イギリス史に夢中になり図書館へ通いながら育つ。大学では国際文化を専攻し、イギリス史と英文学の研究に没頭。その後、大学院にて修士課程を修了。研究論文は「19世紀英国の社会と犯罪」について。歴史全般の研究歴は11年、イギリス史は21年に及ぶ。現在はWebライターとして活動中。
ジョン・ゲイシーの不気味な絵12選
さっそく、殺人鬼ジョン・ゲイシーが描いた12枚の絵を紹介します。
- 1:『Hi Ho With Clown』
- 2:『Pogo in the Making』
- 3:『題名不明(ジョン・ゲイシーの変化を表す絵)』
- 4:『Felix Adler』
- 5:『Sad Sap』
- 6:『Dwarf’s Baseball』
- 7:『Hi Ho Around The Campfire』
- 8:『Mickey Mouse』
- 9:『Honkers In The Sun』
- 10:『Elvis』
- 11:『Ed GEIN』
- 12:『Christ』
ジョン・ゲイシーとは、1970年代のアメリカで33人の青年を暴行し殺害した連続殺人鬼です。死刑判決が言い渡されたゲイシーは、刑務所の中で多くの絵を描きました。
4000点から数千点にも及ぶジョン・ゲイシーの絵は、殺人鬼が描いた絵として現在でも非常に有名です。ゲイシーの絵にはピエロやドクロ、童話のキャラクター、著名人のポートレートなどがあります。
なかでも、ゲイシーが表の顔として慈善活動するときに変装していたピエロの絵は多いです。また、彼は注文リストを作成し絵を売っていたため、注文で描いた絵もあることでしょう。その点も分析しつつ絵を紹介していきます。
1:『Hi Ho With Clown』
『Hi Ho With Clown』は、「ピエロとハイホー」という意味で、ゲイシーがよく変装していた「ポゴ」という名のピエロを描いた絵です。ピエロの胸にも「I’m Pogo(私はポゴ)」と描かれています。
本作品は1989年出版の書籍「They Call Him Mr Gacy(彼らは彼をゲイシーさんと呼ぶ)」にゲイシーのサイン付き封筒などとともに掲載されました。ゲイシー自身は服役中でしたが、当時は展覧会が開催されるほどゲイシーの絵が人気だったのです。
しかしながら、被害者遺族にとっては不快でしかありません。その証拠にゲイシーの絵のうち数十点は遺族によって燃やされています。『Hi Ho With Clown』は残された絵の1つですが、こちらに向かってニヤリと笑うポゴの表情が何とも不気味です。
2:『I’m Pogo The Clown』
『I’m Pogo The Clown』は、『Hi Ho With Clown』と同じくピエロの「ポゴ」に扮したジョン・ゲイシーの自画像になります。題名は「僕はピエロのポゴ」という意味です。『I’m Pogo The Clown』ではポゴが右手を挙げて別れを告げる様子が描かれています。
実は『I’m Pogo The Clown』の絵は死刑執行の前週に描いたものであり、数十点しかありません。ゲイシーのこの世への別れが表れているようで、明るいはずのピエロの絵が不気味に見えます。
3:『題名不明(ジョン・ゲイシーの変化を表す絵)』
『題名不明(ジョン・ゲイシーの変化を表す絵)』は、ジョン・ゲイシーが普通の人間から殺人ピエロへと変貌を遂げていく姿が描かれた絵です。左側がボランティアにも勤しむ良い人間だったゲイシーで、真ん中から徐々にピエロに近づいていきます。
そして最終的には、右側のような罪のない子どもたちを狙う殺人ピエロとなったのです。ジョン・ゲイシーの人生の末路をよく表現した気味の悪い絵だといえるでしょう。
4:『Felix Adler』
『Felix Adler』は、フランク・バートレット・アドラーが扮したピエロのフリックス・アドラーです。フランクはピエロ界の王様と呼ばれるほど非常に有名なアメリカのエンターテイナーでした。
ジョン・ゲイシーが描いたフランクのピエロは、彼の持ち味である特徴的な髪の毛をしっかり描いています。しかしながら、こちらに向けた笑顔は少し歪んでおり不気味さをかもし出しています。
5:『Sad Sap』
『Sad Sap』とは、ジョン・ゲイシーが描いたオリジナルのピエロです。彼が扮していた「ポゴ」と異なり、口周りは白く大きな赤い鼻がついています。
ゲイシーのサインとともに書かれた「Sad Sap」は直訳すると「悲しい気迫」です。ピエロ自体は笑っていますが、目元がどこか悲しく不気味な印象を与える絵となっています。
6:『Dwarf’s Baseball』
『Dwarf’s Baseball』とは、アメリカはシカゴの野球チーム「シカゴ・カブス」と白雪姫に登場する7人の小人が野球をしている絵です。題名は「小人たちの野球」という意味になります。
本作品には当時シカゴ・カブスに所属していた野球選手たちの直筆サインが入っていました。そのためか、『Dwarf’s Baseball』は9500ドルというゲイシーの絵の中でも最高額で取引されたのです。現代の価格でいえば、約128万円ほどになります。
ちなみに、サインをした野球選手たちはゲイシーが殺人鬼だとは知りませんでした。本作品はゲイシーの絵というよりも選手のサイン入りという点が最高額へとつながったのでしょう。殺人鬼の絵と有名選手のサインは、絵としては不気味でちぐはぐな怖さがにじみ出ています。
執筆お疲れさまでした。
美術って不思議なもので、特定の個人が描くことで価値が出る、なんてことが起きるのですよね。
ジョン・ゲイシーという凶悪犯が描いたから、皮肉なことに、この作品群は価値が出てしまったと言えますね。
一見するとカラフルなピエロの絵ですけどね。
ただ、そんな絵が、死刑囚が描いた作品ということで、人々の興味を集めてしまったと。
確かに、被害者や遺族の方々からすると、不快ですよね。
砂川さんへ
お読みいただき、ありがとうございます!いつもコメントをくださって嬉しいです。
確かに「ジョン・ゲイシーがシリアルキラーだった」ゆえに絵が有名になったことは否めないですね。描いてある絵も添えた文章もそれだけを見れば普通の画家の作品です。しかし、作者がジョン・ゲイシーで何をした犯罪者であるか知ったあとは全く見方が変わりますね。
本当に遺族の皆さんには耐えられないことと思います。
細部まで読んでくださってありがとうございます!