ジョンゲイシーの絵の特徴
ジョン・ゲイシーはプロの画家ではありませんが、彼の絵には下記のような3つの特徴があります。
- ①赤く大きな唇のピエロ
- ②カラフルな色使い
- ③著名人のポートレートも多数描く
ジョン・ゲイシーは、絵を描くことは収益を得るためではなく人を喜ばせるためだと主張していました。ゲイシーの主張をそのまま受け取るならば、彼は「人を喜ばせる」「人を惹きつける」ような特徴を持つ絵を描いたことになります。
33人もの人間を殺害した殺人鬼が描く「人を喜ばせる絵」とは一体どんな特徴なのか、詳しく解説していきます。
①赤く大きな唇のピエロ
冒頭でも述べたとおり、ジョン・ゲイシーはピエロの絵を描く作品が多いです。彼が描くピエロの多くは赤く大きな唇で目は青く塗られています。『Pogo in the Making』をはじめとして、ゲイシー自身が扮していた「ポゴ」という名のピエロにそっくりです。
しかし、よく絵を観察してみると赤く大きな唇は口角が上がって笑っているように見えますが、青く塗られた目の方は全く笑っていません。「ポゴ」が題材として描かれた絵は全て同じで、口元に笑みは浮かべていても目は恐ろしく冷めているのです。
美術評論家の中野京子氏によれば、ジョン・ゲイシーの自画像として描かれた「ポゴ」の目は下にいる子どもたちに向いているといいます。ジョン・ゲイシーの被害者は10代の幼い青年ばかりです。ここから「絵に獲物を見定める思いを描いた」という考察もできます。
②カラフルな色使い
ジョン・ゲイシーの絵は、いずれの作品も原色をそのまま使用したようにカラフルな色使いが特徴的です。ジョン・ゲイシー自身が扮した「ポゴ」だけでなく、他のピエロやポートレート、動物の絵も目に突き刺さるような強い発色の色で描かれています。
シリアルキラーの絵を集めるコレクターの中には、カラフルな色使いが好きだからという理由でジョン・ゲイシーの絵を好んで購入する人もいるくらいです。ジョン・ゲイシーの頭の中には、ピエロのカラフルな服装やメイクのイメージが強く印象に残っているのかもしれません。
③著名人のポートレートも多数描く
ジョン・ゲイシーはフィクションの人物やキャラクターだけでなく、実在する著名人のポートレート(肖像画)も多数描きました。アメリカの伝説的なロックスターのエルビス・プレスリーや神の子イエス・キリストの絵が複数発見されています。
しかし、著名人の中には犯罪界での有名人が多数描かれていました。アメリカギャングのアル・カポネや100人以上を殺害した殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスのポートレートも残っています。
執筆お疲れさまでした。
美術って不思議なもので、特定の個人が描くことで価値が出る、なんてことが起きるのですよね。
ジョン・ゲイシーという凶悪犯が描いたから、皮肉なことに、この作品群は価値が出てしまったと言えますね。
一見するとカラフルなピエロの絵ですけどね。
ただ、そんな絵が、死刑囚が描いた作品ということで、人々の興味を集めてしまったと。
確かに、被害者や遺族の方々からすると、不快ですよね。
砂川さんへ
お読みいただき、ありがとうございます!いつもコメントをくださって嬉しいです。
確かに「ジョン・ゲイシーがシリアルキラーだった」ゆえに絵が有名になったことは否めないですね。描いてある絵も添えた文章もそれだけを見れば普通の画家の作品です。しかし、作者がジョン・ゲイシーで何をした犯罪者であるか知ったあとは全く見方が変わりますね。
本当に遺族の皆さんには耐えられないことと思います。
細部まで読んでくださってありがとうございます!