北欧の歴史的背景が影響
北欧はヨーロッパの中でも、最もキリスト教の普及が遅かった地域といわれています。そのため、独特な文化が根付いた地域となりました。キリスト教が浸透するまで信仰されていたのは、いわゆる「北欧神話の神々」です。日本でもゲームなどで「ラグナロク(世界の終末の日)」という言葉が出てきますが、これは北欧神話が元になっています。
9世紀から11世紀頃には、スウェーデン・バイキングが活動していた時代もありました。中世の西欧人にとっては、「ヴァイキング」と「ペスト」が二大脅威であった時代もあり、キリスト教徒と対立していたのです。
バイキング達の中には、痛みを感じず恐れず戦い続ける「バーサーカー」がいたといいますが、これは戦闘前にドラッグを摂取して興奮状態で戦っていたと考えられています。こういったドラッグの使用も、北欧文化を象徴するものの1つといえそうです。
作中にも登場する残酷な処刑方法
ミッドサマーでは登場人物が目に花を刺されて体を吊るされているシーンがありますが、これは「ブラッドイーグル」という北欧に実在した処刑方法といわれています。中世ヨーロッパでバイキングが行った儀式といった伝承があるのです。
伝承詩によると、犠牲者を生きたまま台座にうつ伏せで寝かせ、鋭い刃物で背中を切り開き脊椎からろっ骨を切り離すのだそう。すると左右の肺が引きずり出され鷲が羽を広げているように見えることから、「血の鷲」と呼ばれるようになったといいます。
ネタバレ注意
ミッドサマーでサイモンが吊るされてお目目にお花が開花してましたがあれはブラッドイーグルという生きたまま背中の皮を開いて肋骨を折り、肺に突き刺して鷹の羽に見立てるとち狂った処刑方法です#ミッドサマー pic.twitter.com/Oj9D5GFxqs— フリードキン・珠死郎 (@emN7kT0KVKLdIfX) March 2, 2020
北欧はドラッグとフリーセックスが有名な場所だった
スウェーデンを含めた北欧は、ドラッグ大国で有名です。ノルウェー以外では大麻が合法化されていますし、スウェーデンは近年コカイン使用者が増えているといったデータもあります。
またフリーセックスも有名な場所で、国民性的にセックスに対して開放的で、1日1時間はセックスし、バーで出会いを求めているといいます。70代の人も60%以上が現役ということですので、かなり日本よりも高い数値ですね。
そのために、現地の女の子と遊びたいといった目的で旅行する人も多いのだとか。作中のミッドサマーに卒論目的で向かった男性たちは、実は「ドラッグとセックスが目的だったのでは?」といった深読みもできます。そういった北欧の文化も見事に融合させて、カルト色を前面に押し出した作品に仕上がったと考えられるのです。