プラトンとはどんな人?生涯・年表まとめ【イデア論や名言、功績についても紹介】

プラトンの功績

功績1「西洋哲学に大きな影響を与えた」

西洋哲学の創始者「ソクラテス」の思想を後世に残し、自身もさまざまなテーマで考察した

印刷の見出しで説明した通り、プラトンの全35篇にも及ぶ作品はほとんどが今日まで残りました。プラトンが遺した作品たちのテーマは多岐に渡り、イデア論や政治学、法学をはじめとして数学、幾何学、天文学、自然学など多くの分野を跨いでいます。

そのため、18世紀の哲学者ホワイトヘッドは彼の作品群に対して以下のようなコメントを残しています。

西洋のすべての哲学は、プラトン哲学への脚注にすぎない

近代の哲学者が以上のように言うほど、プラトンの文献には哲学のテーマのほとんどが存在していました。つまり、哲学のほとんどが、大昔に議論されていたということです。プラトンは、アイデアに優れた哲学者と言ってもいいかもしれませんね。

功績2「アトランティス伝説の元となる物語を書いた」

大西洋の中央にアトランティスが描かれた地図。右がアメリカ。左がアフリカ

アトランティスとは、約9000年前に海へ沈んだ伝説上の大きな島またはそこに繁栄した強大な帝国のことです。オカルティストや歴史学者、地質学者を中心に多くの人の間で長年議論されてきました。

この伝説の元になったのがプラトンの著作『ティマイオス』です。

『ティマイオス』によるとアトランティスは大西洋に浮かぶ巨大な島。資源が豊かであるため、そこにある帝国は強大な軍事力を持っており、大西洋や地中海西部の広い範囲を支配しました。

ポセイドンの像

王家はギリシア神話で海と地震を司る神ポセイドンの末裔です。しかし、人と関わったがために王は物質主義へと走り、帝国は度重なる戦に荒廃。

アテナイは近隣の国と協力し、アトランティス帝国を撃退するのですが、アトランティスはこの直後に沈没してしまった、という内容になっています。

中世まではただの物語として認識されていた『ティマイオス』でしたが、16世紀頃になると南北アメリカ大陸が発見され、新天地の先住民たちの起源や大陸形成の経緯を説明するために引用され始めます。

16世紀の学者たちはアトランティス大陸の存在を疑っていましたが、世間では多くの人々が信じていました。またフランシス・ベーコンがアトランティスを寓話として紹介したため広く普及したことも拍車をかけました。

以降、学者たちの間では実在への疑念が大きくありましたが、世間ではアトランティスの興味が高まり、現代まで親しまれています。

功績3「社会主義・国家主義の起源『国家』 」

国家主義とは個人よりも国を優先する考え方のこと

『国家』はプラトンの代表作で、「正義」について対話形式で記された全10巻の大長編です。国家の成り立ちや統治者の在り方について、イデア論も交えて議論しています。

プラトンは理想の国家は哲人王によって成る、と考えていました。これは哲人王思想と呼ばれており、哲人王思想とは、国を運営するもののうち、優秀な者を選んで哲学の基礎を教え、老年に達した者に国政を任せるというものです。

そして、哲人王思想を達成するためには善のイデアが必要であるとしました。ただ、ここで語られるプラトンの国家論は個人ではなく国家を重視しています。

たとえば、プラトンの考える国家では国民は能力によって金・銀・銅の3つの階級に分けられ、職業も決められます。また財産はすべて国民全員で共有します。

こうした考え方から、プラトンは社会主義思想(財産の私有を禁止して国で共有すること)の始祖であるとされています。とはいえ、プラトン以前にも社会主義的考えは見られるので、社会主義思想を記した一番古い本を著した人、と言うのが正確かもしれません。

プラトンの名言

プラトンの名言は生き方や考えを深めるヒントがいっぱい

人間の最も基本的な分類として”知を愛する人” ”勝利を愛する人” ”利得を愛する人” という3つの種類がある。

こちらの名言は、功績の見出しで紹介した3つの階級を表す言葉でもあります。統治者階級の金に当たるのが「知を愛する人」。国を守る軍人などの銀に当たるのが「勝利を愛する人。

そして、労働者階級の銅に当たるのが「利得を愛する人」です。プラトンが何を重視したのか、よくわかる言葉ですね。

哲学は、最高の文芸なり

よく考えてみると、優れた文学というものはその根底に哲学的なテーマを有していることがほとんどです。プラトンが記した作品の数々も、哲学書でありながら文学の要素を含んでいます。

そう考えると、文学と哲学は切っても切り離せない関係にあるのかもしれませんね。

自分に打ち勝つことが最も偉大な勝利である

勉強をサボってゲームをしてしまったり、朝うっかり二度寝をしてしまったり、ついつい誘惑に負けて怠けてしまうことがあると思います。誘惑に打ち勝ち、自分を律するのは非常に困難なことです。

反面、自分を律して努力できれば「ああ、やっておけばよかった」と後悔することなく充実した人生を送れるでしょう。そう考えると、自分に勝つのは人生で最も価値のある勝利と言えますね。

親切にしなさい。あなたが会う人はみんな、厳しい闘いをしているのだから

誰しも多かれ少なかれ、苦しいことや悲しいことを経験し、どうしようもない問題を抱え、誰の理解も得られない寂しさに悩んでいるものです。見えないだけで、あなたと同じような思いを抱えていることがあります。

みんな悩みがあるのだと思うと、今よりもずっと穏やかな気持ちで接することができるかもしれませんね。

徳は一種の健康であり、美であり、魂のよいあり方なり。それに反し、悪徳は病気であり、醜であり、弱さなり

日本のことわざに「情けは人のためならず」という言葉があります。それを同じ意味で、人に良いことをすると、自分が幸せになります。とある研究では、人に良いことをすると幸福感が上がるという結果が出ました。

逆に、人の悪口や陰口を言うと、言った瞬間はすっきりした気分になっても後から返ってストレスになるという研究結果もあります。また、人の悪口を言う人ほど自尊心が低いという話もあります。

今、あまり幸せでないと感じる人は、人に親切にすると状況が好転するかもしれませんよ。

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