最も恐竜に近い鳥「始祖鳥」とは?特徴や恐竜との共通点も紹介

「最も恐竜に近い鳥って始祖鳥なの?」
「始祖鳥はどんな生き物なんだろう?」

始祖鳥は、最も恐竜に近い鳥といわれています。ただ、どんな鳥なのか、イメージが湧かない人は多いですよね。

そこで、この記事では最も恐竜に近い鳥「始祖鳥」とはどんな生物なのか、その特徴を恐竜との共通点もなどを交えて紹介します。始祖鳥に似た恐竜も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

Webライター

岩野 祐里

Webライター、岩野祐里(いわのゆり)。5歳の頃、イギリス史に夢中になり図書館へ通いながら育つ。大学では国際文化を専攻し、イギリス史と英文学の研究に没頭。その後、大学院にて修士課程を修了。研究論文は「19世紀英国の社会と犯罪」について。歴史全般の研究歴は11年、イギリス史は21年に及ぶ。現在はWebライターとして活動中。

最も恐竜に近い鳥「始祖鳥」とは?

始祖鳥(英名:Archaeopteryx lithographica)
出典:Wikipedia

始祖鳥とは、最も恐竜に近いとされる鳥類です。学名では「アーケオプテリクス」といいます。全長約50cmで前脚にかぎつめと羽毛があり、恐竜と鳥の特徴を両方とも持つ非常に珍しい生物です。

始祖鳥の化石は1860年にドイツで初めて発見され、多くの学者たちによって調べられました。その結果、地球上で最も古い鳥の一種と判明したのです。しかしながら、現在の鳥類の祖先であるとはいえず、あくまでも「鳥類に近い鳥」とされています。

また、恐竜から鳥類へ生物が進化したという学説を裏付ける1つの証拠として知られるようにもなりました。これは、自然科学者チャールズ・ダーウィンが主張した「生物の進化論」に関する大きな証拠の1つにもなっています。

ダーウィンのおすすめ本・書籍6選【伝記から有名著作まで】

恐竜と同じジュラ紀に生息

ジュラ紀にいたとされる始祖鳥の模型
出典:Wikipedia

始祖鳥は、約1億5400万年前のジュラ紀と呼ばれる時代に生息していました。ジュラ紀は温暖で湿度が高く、植物や昆虫も多く誕生しています。始祖鳥の主な食べ物は昆虫だったため、ジュラ紀は始祖鳥にとって生きやすい環境だったといえるでしょう。

ジュラ紀には始祖鳥だけでなく翼竜やワニ、哺乳類も多く暮らしていました。例えば、映画『ジュラシック・パーク』で有名な肉食恐竜ティラノサウルスや首の長い草食恐竜ブラキオサウルスもジュラ紀に生息していたことがわかっています。小柄な始祖鳥は天敵の肉食恐竜たちに隠れながら生き延びていたのです。

鳥類と爬虫類の中間に属する

見た目も中身も鳥類と爬虫類の間
出典:Wikipedia

始祖鳥は、生物学的にみると鳥類と爬虫類の中間に属する生き物とされています。鳥類のように羽毛があり、爬虫類のように歯やかぎつめを持っているのです。尾骨が長いなどの恐竜的要素も持っているため、古生物学者たちにとっては格好の研究対象となりました。

翼竜と一緒だと思うかもしれませんが、翼竜は爬虫類の要素が多い生き物です。翼も羽毛ではなく皮膚が膜のように張った構造になっています。始祖鳥は鳥に似ていますが、翼竜は現在のコウモリに似た生き物だといえるでしょう。

始祖鳥の羽は「飛ぶための羽」だった

翼竜と異なり、始祖鳥の羽毛には風切羽(かざきりばね)という左右非対称の羽があります。羽毛を持った恐竜は他にもいましたが、飛ぶために必要な風切羽を持つのは始祖鳥だけです。

しかし、長距離を飛ぶために必要な筋肉は未発達だったため、始祖鳥は現在の鳥ほど空を飛べなかったといわれています。滑空(降りるように飛ぶ)のが精一杯だったというのが多くの学者たちによる見解です。

1 2 3

コメントを残す