小説ヲタクがおすすめするオールタイムベスト83冊

渋沢栄一の名言20選!発言に込められた背景や意味まで解説

渋沢栄一は日本を代表する実業家で、これまでに約500の企業を育て、600の公共事業に関わったと言われている人物です。新一万円札の肖像画に選ばれたり、NHK大河ドラマの主人公として扱われるなど話題にもなっていますね。

そんな渋沢はこれまでに数々の名言を残しており、それらはどれも今の私達の仕事や生活に生きる発言ばかりです。

そこでこの記事では、優れた実業家であった渋沢栄一が残した名言について、その発言に込められた背景や意味を含めて20選紹介したいと思います。

インターネットの歴史がわかる本7選【IT初心者から上級者まで】渋沢栄一はどんな人?何をした?功績や性格、逸話まで簡単に解説

渋沢栄一の名言20選と発言の意図や背景

1.論語とそろばんは両立する

私は日頃の経験を通じて、「論語と算盤とは一致すべきもの」という持論を持っている。講師が懸命に道徳を教えていた際、彼は経済についてもかなり注意を払っていたと思う。これは論語のあちこちに見られる。国を動かす政治家には政務費がいるのはもちろん、一般人も衣食住の費用はかかり、金銭と無関係ではいられない。また国を治めて国民の暮らしを安定させるには道徳が必要であるから、経済と道徳を調和させなくてはならないのである。

「論語とそろばんは両立する」は、渋沢栄一の一番の名言です。渋沢栄一はこの考えを基に、様々な会社を設立して人々を豊かにしていきました。

「論語とそろばん」は、「道徳と経済」と言い換えても良いでしょう。当時はまだ明治時代に入ったばかりで、江戸時代からの武士の理論が色濃く残る時代でした。「武士は食わねど高楊枝」といったように、金儲けは卑しく、清貧が素晴らしいという時代です。

渋沢栄一は、そのような時代において、「豊かでなければ道徳なんて大事にできないであろう」と考え、国が豊かになるように積極的に会社を設立していきました。

2.人は自主独立することにより人生の根本を成すのだ

自立と思いやりの心を持って、「自分」を持ちたいものだ

人は全て自主独立すべきものである。自立の精神は人への思いやりと共に人生の根本を成すものである。

人の自立は人生の根本と説いています。確かに成人したのち、自立していくことこそ人生の第一歩を踏み出すものなのかもしれません。自分の足で立って、人生を踏みしめないといけないと教えてくれている言葉です。自立の精神と思いやりを兼ね備えることが出来たら、人生の礎は築けるということなのでしょう。

3.努力が実らないときは機を熟していないから耐えること

どんなに勉強し、勤勉であっても、上手くいかないこともある。これは機がまだ熟していないからであるから、ますます自らを鼓舞して耐えなければならない。

「気が熟していない」といいますが、結果がすぐについてこないことも、人生にはつきものです。耐え忍んでいかなければならないということなのでしょう。確かに結果がすぐについてくることは非常に稀ですので、上手くいかない時こそ自分を鼓舞して頑張りたいものです。

4.多くの人に幸福を与えるのが義務である

障がい者施設「滝乃川学園」の理事も務めた

できるだけ多くの人に、できるだけ多くの幸福を与えるように行動するのが、我々の義務である。

出来るだけ多くの幸福を与えることが義務という精神があったからこそ、慈善活動に積極的に参加していたのではないでしょうか。渋沢が日本初の障がい者施設「滝乃川学園」の理事に就任したり、関東大震災の復興支援にも積極的に参加しています。

5.理想に従って生きることが素晴らしい

渋沢も一橋慶喜(後の徳川慶喜)の家臣からヨーロッパ外遊と向上心溢れる道を歩んだ

人は死ぬまで同じ事をするものではない。理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ。

理想に従って生きたからこそ、渋沢は大きな事業を残せたのでしょう。明治からの事業はもちろんのこと、江戸時代も農民でありながら一橋慶喜の家臣になり、そして幕臣としてフランスに赴いたりと向上心溢れる道を歩んでいったのです。

6.世間の信用を得るには人を信用することだ

事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話しだ。

事業には信用が第一なのはもちろんですが、自分も世間を信用することが大事と説いています。確かに自分が信用していないのに、相手に信用を求めるのは無理な話で、お互いが信用できる関係性を築きたいものです。

7.国家必要の事業を合理的にすれば楽しんで仕事ができる

利益が少額でも合理的に経営すれば楽しんで仕事ができたという

たとえその事業が微々たるものであろうと、自分の利益は少額であろうと、国家必要の事業を合理的に経営すれば、心は常に楽しんで仕事にあたることができる。

渋沢は500を越える企業の設立や経営に携わったといわれています。企業の中には、利益が微々たる会社もあったことでしょう。しかしどの企業も国にとって必要であり、合理的に経営することで楽しんで仕事をしていたからこそ、現在までの偉業が残っているのではないでしょうか。時に合理的かを振り返りながら仕事に励んでいきたいものです。

8.交際の奥の手は至誠である

交際の奥の手は至誠である。理にかない調和がとれていればひとりでにうまくいく。

交際の秘訣は「至誠の人」であることだといいます。誠実であれば、物事は自然と上手くいくということは、確かに人付き合いでの基本でもありますので、日々忘れずに心がけたいものです。自然に「良い運気」を引き込む最良の方法です。

9.金儲けにも品位を忘れないようにする

金儲けを品の悪いことのように考えるのは、根本的に間違っている。しかし儲けることに熱中しすぎると、品が悪くなるのもたしかである。金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。

お金儲けは企業にとって必要な事です。品の悪いというのは根本的に間違っているというのも頷けます。しかし熱中すると品が落ちるので、品位を忘れないようにしたくなります。「お金儲け」だけに溺れることなく、品位を保つようにしたくなる言葉です。

10.信用は見た目ではなく信念から得られる

信用はのれんなどの見た目ではなく信念から得られるという

信用はのれんや見た目から得られるものではなく、確固たる信念から生まれる。 

信用というものはのれんなどの見た目ではなく、「確固たる信念」が必要だといいます。うわべが綺麗でも芯まで綺麗でなければ薄っぺらいものと見破られてしまうのかもしれません。上辺だけでなく、信念をもって行動したいものです。

11.真似するときは心を真似せよ

真似をするときには、その形ではなく、その心を真似するのがよい。

真似する時は、見てくればかりでなく心も真似しなければならないと教えてくれています。商いはもちろんのこと、芸術など全てにおいて模倣する時は真髄まで真似ていれば、いずれ自分のものとなるということでしょう。最初は真似でも、自分のものにしていきたいものです。

12.日々の新たな心がけが大事

全て形式に流れると精神が乏しくなる。何でも日々新たにという心がけが大事である。

毎日同じことをしている方が楽ですが、毎日同じことを繰り返していると、進歩がなく過ぎていってしまいます。毎日が同じことの繰り返しという状態でなく、新たなことに挑戦して取り組んでいきたいものです。

13.幸運は自らの手で勝ち取るものだ

大蔵省時代の渋沢。並外れた向上心はこのような心がけから生まれたのかもしれない

富者をうらやんでこれを嫉視するのは、自分の努力の足りぬ薄志弱行のやからのやることだ。幸福は自らの力で進んでこれを勝ち取るのみだ。

心に刺さる言葉です。嫉妬している人ほど醜いものはありません。嫉妬する気持ちをばねにして、自分が近づけるには如何に行動したら良いかを考えろということでしょう。確かに幸福とは自分で勝ち取るものですので、嫉妬をバネに行動を起こしていきたいものです。

14.見通しと裏付けがない商売は失敗する

渋沢は多くの理念を持ち91歳の人生を駆け抜けていったのだろう

数字算出の確固たる見通しと、裏づけのない事業は必ず失敗する。

いつの時代でも、事業の根本は同じだと感じる言葉です。何事も見通しと裏付けがない事業は、後からぼろが出てしまうものです。経営者という立場は難しい立場ですが、確固たる見通しと裏付けを取ってから渋沢も行動してきたということなのでしょう。

15.商才は道徳と一体であることが望ましい

道徳を論じている書物と商才とは何の関係もないようだが、商才というものはもともと道徳を基盤としているものだ。道徳から外れたり、嘘やうわべだけの軽薄な才覚は、いわゆる小才子や小利口ではあっても、決して本当の商才ではない。したがって、商才は道徳と一体であることが望ましい。

「論語とそろばん」という考え方に通じるものがありますが、渋沢栄一は商売をやるためには道徳が必要であると考えていました。

「あこぎな商売人」のように、人からお金をふんだくることしか考えていない商売人は、いずれ人々から見放されてしまいます。渋沢栄一は、商売をやるためには、道徳心が必要であることを見抜いていたんですね。

16.事業を発展させたいという欲望は、道理によって制御したい

仕事を進めたい、事業を発展させたいという欲望は人間に常に持っておくべきだ。しかしそれは道理によって制御するようにしたい。ここで言う道理とは、仁・義・徳のことで、この三つを含むものだ。この道理と欲望とが表裏一体となっていなければ、中国の宋が衰退したようなことになりかねない。また、欲望もそれが道徳に反しているようなら、どんな展開になろうとも他人のものをすべて奪わないと気が済まなくなってしまう。結局、不幸に陥ってしまうだけだろう。

渋沢栄一は、もとは農民の出身です。そんな彼は、農業を通して分け合うことの大切さを知っていたのかもしれません。

渋沢栄一は、欲望と道理のバランスが大切だと言っています。道徳に反した欲望は、他人の物をすべて奪うまで尽きることがありません。

17.個人の富はすなわち国家の富である

富むものがあるから貧者が出るというような論旨の下に、世人がこぞって富者を除外するならば、如何にして富国強兵の実を挙ぐることが出来ようぞ。個人の富は、すなわち国家の富である。

渋沢栄一の企業経営の理念は、「社会に多くの利益を与えるものでなければ、正しくまともな事業とはいえない」というものでした。社会に多くの利益を与える事業に取り組んだ結果として、個人に富が集まるのであれば、それはすなわち一人だけのものではなく、国家全体の利益であるという考えを持っていました。

社会に多くの利益を与えていれば、その結果貧富の差ができたとしても、国全体としては富が増えていっているということなのですね。

日本人は「出る杭は打たれる」という横並びの気質がありますが、渋沢栄一のような視点を持っていると、少し違う考え方ができるかもしれません。

18.人を選ぶとき、家族を大切にしている人は間違いない

人を選ぶとき、家族を大切にしている人は間違いない。仁者に敵なし。私は人を使うときには、知恵の多い人より人情に厚い人を選んで採用している。

渋沢栄一は、企業人として多くの従業員を雇ってきました。その中で、どのように人を選ぶのかについて発言したのがこちらの名言です。渋沢栄一は、人情を大切にして従業員を雇用していました。

例えば、サッポロビールや帝国ホテルを設立した大倉喜八郎や太平洋セメントを設立した浅野総一郎などは、渋沢栄一が見出した人物です。自分が会社を作るだけではなく、優れた人を採用し、事業を広げていくことにも渋沢栄一は長けていました。

19.天命を楽しんで生きることが、処世上の第一要件である

夢なき者は理想なし 理想なき者は信念なし 信念なき者は計画なし 計画なき者は実行なし 実行なき者は成果なし 成果なき者は幸福なし ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、処世上の第一要件である。

人には天命があるといいます。天命を信じる人も信じない人もいると思いますが、渋沢栄一は人には与えられた天命があるという考えを持っていたようです。

ここで言う天命は、夢と言ってもいいかもしれません。幸せになるためには、夢を持って、理想を描き、実現していくことが大切だと渋沢栄一は言っています。

渋沢栄一は「国を豊かにすること」という大きな夢を持っていました。だからこそ、現代にも残る大企業を作り上げることができたのだと思います。

20.正しい道を進んで行こうとすれば、争いを避けることはできない

いやしくも正しい道をあくまで進んで行こうとすれば、絶対に争いを避けることはできぬものである。絶対に争いを避けて世の中を渡ろうとすれば、善が悪に勝たれるようなことになり、正義が行われぬようになってしまう。

渋沢栄一は温厚な人柄で知られていました。ですが、そんな渋沢栄一も、本当に正しいことをしようとするのであれば争いは必要であると考えていました。

悪はまた別の正義、という言葉があるように、人には皆自分の考えは正しいと思っています。そんな中で、自分の正義を貫くためには、どうしても闘いが必要であるということなのでしょう。

渋沢栄一の名言集や関連書籍

論語と算盤(現代語訳)

この記事で取り上げられた名言の多くは、渋沢栄一の著書である「論語と算盤」。この本は、渋沢栄一が自身の経営観を語った内容をまとめたものです。

渋沢栄一がどんな考えを持っていたのか気になった人は、ぜひ読んでみてください。

漫画版 論語と算盤

上で取り上げた本が少し難しそうだな、と感じた人には、漫画版もおすすめです。論語と算盤のエッセンスが、マンガ形式でわかりやすく理解できますよ。

渋沢栄一 100の訓言 (日経ビジネス人文庫)

こちらの本は、渋沢栄一の語ったことを渋沢栄一の子孫である著者がわかりやすく解説してくれているものです。渋沢栄一の考え方について、別の角度で知りたいという方にはこの本もおすすめですよ。

渋沢栄一の名言についてのまとめ

この記事では、渋沢栄一の名言について、その発言の背景や意図を解説してきました。

渋沢栄一の「論語と算盤」という考え方は、現代にも通じる大切な思想だと思います。新1万円札の肖像画に選ばれたタイミングで渋沢栄一について少し学んでみるのも良いかもしれませんね。

コメントを残す