歴史上の人物や出来事を描いたおすすめ映画33選

「歴史を題材にしたおすすめ映画を知りたい!」
「勉強になる歴史映画を教えてほしい…!」

歴史上の人物になりきってハラハラドキドキしたり、歴史上の有名な事件を目の当たりにして自分のことのように右往左往したりと、歴史映画は非日常の世界を楽しめるものです。文字情報として知っている歴史も、映画でみると臨場感が溢れて身近に感じられます。

また、歴史映画を観ることは歴史の勉強にもなります。学校の歴史の授業は時間数も限られており、どうしても知る機会さえ与えられない内容があるものです。歴史映画は、歴史を学んでいる真っ只中にいる学生にはもちろん、学生を卒業した社会人にも再び学ぶ機会を与えてくれるものでもあります。

この記事では、学生時代に毎日浴びるように映画を観続けていた筆者が、おすすめの歴史映画をいくつかのジャンルに分けて33本ご紹介します。エンターテインメント性の高いメジャー映画から、芸術志向の作品まで、幅広い世代が楽しめるものを選んでいますので、きっと目に留まる一作が見つかるでしょう。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

映画賞に輝いた作品4選

影武者

1980年公開の、黒澤明監督による武田信玄の影武者を描いた作品です。黒澤監督の映像はどこを切り取っても絵画のように美しい構図で魅了されますが、この作品も大胆な色使いも相まって、恍惚として見入ってしまいます。

あらゆる意味でスケール感が半端ない映画です。海外版のプロデューサーにフランシス・フォード・コッポラとジョージ・ルーカスが名前を出してくれたことで、製作費が出たというのも驚きです。また、ラストに近いシーンでは、物凄い数の馬が倒れていて目を奪われました。今ではこのようなロケはまず実現しないでしょう。

第33回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しました。

ラストエンペラー ※R13+

ベルナルド・ベルトリッチ監督が、愛新覚羅溥儀の生涯を描いた、1987年公開の映画です。愛新覚羅溥儀は、表向きは独立国であるものの実際は日本の傀儡国家であった満州国の皇帝になった人物です。数奇な運命を辿る愛新覚羅溥儀の人生は、日本とは切り離せるものではなく、是非多くの人に関心を持って欲しいと思います。

この作品は坂本龍一が音楽を担当し、日本人初のアカデミー賞作曲賞に輝きました。オファーからたった2週間で仕上げたというのには驚きです。劇中、坂本龍一は役者としても出演し、満州国要人であった甘粕正彦を演じています。第60回アカデミー賞、第45回ゴールデングローブ賞を受賞しました。

さらば、わが愛 覇王別姫

京劇の役者の目を通して近代中国の歴史を見る、チェン・カイコー監督による1993年公開の作品です。日中戦争は戦場にいた兵士だけではなく、中国で暮らす人々にも大きな爪痕を残した出来事だったということを、この作品を見ると再認識させられます。また、映画の後半は文化大革命による悲劇も描かれます。

レスリー・チャンが女形の男性役者を演じていて、その美しさが尋常でなく、もはや性を超越した美を感じました。ジェンダーレスが叫ばれる現代ですが、性とは何なのかについても考えさせられる作品です。第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞しています。

麦の穂を揺らす風

2006年に公開された、ケン・ローチ監督による1920年代のアイルランドの独立について取り上げた作品です。アイルランド とイギリスの関係は複雑で、いまだに解決していません。今も地続きの歴史を知るためにも、この作品はぜひ多くの人に見て欲しいと思います。

主演のキリアン・マーフィが、内面にある悲しみや苦悩を全身で表現している演技でとても素晴らしく、目を惹きました。アイルランドでロケをしたとのことで、アイルランド特有の緑の大地が美しいが故に、そこで起こる悲劇がより一層辛く感じます。第59回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞しました。

とにかく泣ける映画4選

シンドラーのリスト ※R18+

スティーヴン・スピルバーグ監督による1993年の映画で、第66回アカデミー賞7部門を受賞した傑作です。ナチスによるユダヤ人の大虐殺が行われた第二次世界大戦下、オスカー・シンドラーというドイツ人実業家が1200人ものユダヤ人を救った話を実話に近い形で描きました。

観ていて正直とても辛いシーンが多く、胸が張り裂けそうになります。こんなことが実際にあった話だと自覚すると、同じ人間として本当に悲しく、涙が止まりません。ほとんどのシーンがモノクロで撮影されていることで切実さがより増しているようにも感じます。

ホロコーストについては、誰もが一度は向き合うべきことだと思いますし、この映画をきっかけに考えて欲しい問題です。

ライフ・イズ・ビューティフル ※PG12

1999年に公開されたこの作品は、ユダヤ人の虐殺について扱っている点で「シンドラーのリスト」と同じですが、そのアプローチ法は真逆といっても過言ではありません。愛に溢れる家族が、ユダヤ人というだけで悲劇に見舞われるものの、父は最後まで息子に人生が美しいということを体現しようとします。

監督のロベルト・ベニーニは脚本と主演も務め、第71回アカデミー賞、第51回カンヌ国際映画祭審査員グランプリに輝きました。一番好きな映画として同作を挙げる人も多く、何度見ても最後には声を上げて泣いてしまう素晴らしい作品です。

君のためなら千回でも

世界中でベストセラーとなった原作を2007年にマーク・フォスターが映画化されたアフガニスタンの話です。平和であった頃のアフガニスタンの光景が酷く胸に刺さります。

そしてこの作品は、友情の物語です。幼い頃の弱さからくる過ちを、成長してから償おうとします。アフガニスタン進攻という背景も重なって、ラストでは涙でスクリーンが霞んだ記憶があります。カーレド・ホッセイニが書いた原作小説は、映画以上に泣けて仕方がない作品でした。映画とセットでおすすめです。

永遠の0

山崎貴監督が零戦の凄腕パイロットの特攻を描いた今作は、興行収入87億円を突破した、2014年の大ヒット映画です。必ず家族のもとに帰るという信念でパイロットとしての腕を磨き飛び続けた宮部久蔵を、岡田准一が丁寧に演じ、2015年日本アカデミー賞では最優秀男優賞を始めとした8冠に輝きました。

通常、エンドロールが流れると席を立って帰る人もよく見かけますが、この作品に関しては上映が終了し照明がついてからも、涙が止まらなくて席を立てない人や、泣きはらして目を真っ赤にしながら出口へ向かう人などが沢山いて、その様子に驚いた記憶があります。ラストシーンの岡田准一の表情が今でも忘れられません。

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