歴史上の人物や出来事を描いたおすすめ映画33選

笑いが止まらない映画3選

のぼうの城

和田竜が2003年度に新人脚本家のための賞である城戸賞を受賞した本を、犬童一心と樋口真嗣が監督を務めて映画に仕上げたものです。この作品の舞台である「忍城」は当時豊臣方が攻めあぐねた唯一の城です。大軍の豊臣軍に対してどう戦ったのか?その戦法ももちろんですが、領主成田長親をはじめ、出てくる人たちも相当アクが強く、つい笑ってしまいます。

主演に狂言師の野村萬斎を迎えた理由の一つに、戦いの肝であった田楽踊りがあると思われますが、くだらない踊りを大真面目に隙のない上手さで舞っているのを観て、もはや笑いを通り越して喝采を送りたくなりました。

超高速!参勤交代

2011年に「城戸賞」を全審査員が満点をつけて受賞した土橋章宏の本を、本木克英監督が映画化しました。ストーリー自体が、5日以内に参勤交代をするという無茶苦茶な設定なので、それだけでも十分面白いのですが、主演の佐々木蔵之介をはじめとするキャスト陣も個性派揃いで、観ながら終始笑ってばかりでした。

しかし単なるコメディではなく、途中にシリアスな部分があったり、感動的な場面もあったりと緩急がついた展開で、テンポのいい映画でした。第57回ブルーリボン賞を作品賞として受賞したのも頷けます。娯楽映画としても素晴らしい出来の映画です。

引っ越し大名

「超高速!参勤交代」と同じ作家土橋章宏が、実際に引っ越しばかりさせられていた松平直矩という実在の大名をモチーフに書き上げた作品を、犬童一心監督が映画化しました。星野源に高橋一生、高畑充希というキャスティングだったからか、途中に歌ったり踊ったりするシーンもあり、見ていて楽しい気分になります。

思わず突っ込みたくなる登場人物が満載で笑いが止まりませんが、ストーリー自体は大真面目です。引っ越し奉行になったことをきっかけに主人公が人間的に成長していく姿は微笑ましく、周りの人たちを巻き込みながら奮闘する姿は、笑いながらも応援したくなります。気分爽快になる映画です。

偉人を取り上げた映画4選

アラビアのロレンス

デヴィッド・リーン監督による1962年公開の映画で、第一次世界大戦中のアラブ反乱を描いています。アラブ民族独立のために戦ったイギリス人トーマス・エドワード・ロレンスをピーター・シェイマス・オトゥールが演じました。

第35回アカデミー賞受賞などで客観的評価も高いですが、歴史映画と言えばこの作品を挙げる人が多いほど、名作中の名作と言われます。その理由はの名演技と、砂漠や夕日などの雄大なアラビアの景色を映し出した構図の素晴らしさでしょう。

今なお混迷を極める中東情勢は、歴史を知らないと理解ができません。この映画はそのための一助になるはずです。

アマデウス

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生涯をミロス・フォアマン監督が描いた1984年の映画です。元々はミュージカルであった作品を映画化したもので、宮廷作曲家サリエリから見たモーツァルト像が描かれます。第42回ゴールデン・グローブ賞に加え、第57回アカデミー賞8部門を受賞して大きな話題になりました。魅力溢れる音楽が圧巻です。

モーツァルトは確かに天才的な作曲家だったと思います。しかし、その生涯も相当変わったものでした。映画なのでデフォルメされている部分はあったとしても、モーツァルトの才能に羨望と嫉妬で苦しむサリエリを見ていると、浅ましくもあり、気の毒でもあり、色々考えさせられました。

ヒトラー最期の12日間

オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督が、アドルフ・ヒトラーが自殺するまでの12日間を、秘書のゲルトラウト・ユンゲの回顧録をもとに映画化した2004年の作品です。基本的には史実に沿った形でストーリーが綴られており、その事実に対して主観的な判断が挟まれないことが何より素晴らしいです。

ブルーノ・ガンツというドイツの国民的俳優とも言える役者がヒトラーを演じ、ドイツ国民も過去の自国の歴史を学ぶためにこの種の映画が必要だと考えて評価している点も、第二次世界大戦の同じ敗戦国として、日本はドイツに学ぶべきと感じます。

太陽 ※R13+

ロシアの映画監督アレクサンドル・ソクーロフが、終戦前後の昭和天皇を描いた2005年の作品です。昭和天皇を演じたイッセー尾形が、微妙な間をとりながら返事をしたり、噛み合わない会話を続けたりしていて、日本人にとっては笑い事ではなくても、外国人からすれば異様に映るのかもしれないと思って観ていました。

香淳皇后役の桃井かおりや、侍従長役の佐野史郎の抑えた演技も素晴らしく、昭和天皇の立場の特殊さを際立たせていました。監督はこの作品をあくまで芸術映画としていて、歴史を裁こうとはしていません。この映画を、日本人が天皇について考えるきっかけにして欲しいという思いを感じました。

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