古関裕而とはどんな人?生涯・年表まとめ【代表作品や軍歌、家族構成、死因について解説】

1964年 – 55歳「東京五輪行進曲「オリンピックマーチ」を作曲」

「モスラ」などの映画音楽を担当

モスラ

1961年には菊田と共に、映画「放浪記」の劇中音楽を手掛けるなど、映画音楽を担当するようになりました。中でも、有名な楽曲として挙げられるのが「モスラの歌」です。モスラは、1961年に東宝で公開された日米合作の特撮怪獣映画で、ゴジラ、ラドン、に続き「東宝三大怪獣」と称される作品です。

この歌は、劇中で小美人がモスラを呼び出す歌として歌われ、後の作品でもモスラのテーマソングとして使用されました。また、2019年にアメリカで制作された「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」では、モスラの歌のアレンジバージョンが劇中に登場し、EDクレジットには古関の名前が掲載されております。

東京オリンピック行進曲「オリンピックマーチ」

1964年の東京五輪の行進曲を作曲した

1964年、戦後復興の象徴として東京五輪が初開催されました。古関は、この東京五輪の開会式と閉会式にて行われる選手団入場の際に使用される行進曲として、「オリンピックマーチ」を作曲しました。この、「オリンピック・マーチ」の作曲依頼を受けた時、嬉しさのあまり、家族に話していたそうです。

古関は戦時中の軍歌を創作したことで、失われていった命があることに落胆し、戦後、人々に生きる希望を与える楽曲を数多く作曲してきました。その集大成ともいえる楽曲が「オリンピックマーチ」であり、この楽曲と共に、日本は国際社会へと復帰を果たしました。

1969年 – 60歳「「巨人軍の歌(闘魂込めて)を作曲」

「巨人軍の歌(闘魂込めて)」を作曲

読売巨人軍

1962年、球団設立30周年を記念して新たな球団歌を読売新聞で公募しました。そして、20892編の中から椿三平の詞が選ばれ、古関が作曲、現在でも使用されている3代目の球団歌「巨人軍の歌(闘魂込めて)」が発表されました。

ちなみに、古関は巨人軍の初代応援歌「野球の王者」も担当し、巨人軍の球団歌を3曲中2曲を担当したことになっております。また、作詞を担当した椿三平は広島カープの初代球団歌「広島カープの歌」を作詞した池田誠一郎と同一人物なのです。

1979年 – 70歳「福島県名誉市民に選ばれる」

福島市名誉市民に選ばれる

福島市名誉市民に選ばれた古関裕而

福島市は1957年に、名誉市民条例を制定しました。そして、制定から22年経過した1979年に、作曲家生活50周年を迎えた古関のこれまでの功績を称え、名誉市民第一号として推戴し、3月に議会で推戴が決定されました。

推戴式は同年の4月5日に行われ、古関は妻の金子とともに出席しました。式典には、100人以上の関係者が列席し、古関は「いつもふる里の吾妻山や信夫山、阿武隈川を思い出して作曲してきました。福島市に生まれ育って本当に良かった。これからも作曲活動を通して、市のため仕事を続けていきます」とスピーチで述べました。

1989年 – 80歳「脳梗塞のため逝去」

脳梗塞のため逝去

晩年の古関裕而

1989年、傘寿を迎えてから数日後の8月16日に、古関は脳梗塞のため80歳で逝去しました。この訃報を受け、甲子園では古関を偲び大会歌である「栄冠は君に輝く」を流し、その死を偲びました。曲が流れている間、その死に涙する年配の方がいたと、当時の朝日新聞に記述されております。

没後、国民栄誉賞の受賞を検討されたのですが、「亡くなった後に授与する意味はあるのか」という遺族の意向により、これを辞退しました。そして、生誕100周年を2009年には古関作曲の「栄冠は君に輝く」「高原列車は行く」などが福島駅の発車メロディーに採用されるなど、今もなお、愛され続けております。

古関裕而の関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

鐘よ鳴り響け

古関裕而の自伝本。作曲した時の想いや、作品背景、時代背景などが記述されている作品です。曲に込められた思いなどについて知ることが出来る1冊です。

君はるか 古関裕而と金子の恋

古関裕而と金子の長男である正裕氏が著作したエッセイ本。裕而と金子の文通や写真などが掲載され、二人の仲の良さを感じることが出来る一冊です。

古関裕而-流行作曲家と激動の昭和

古関裕而が歩んだ道のりを、昭和史と重ねながら紹介する新書。当時のレコード事情や、第二次世界大戦、そして戦後復興への道のりなど、大まかな昭和史の流れなどを知ることが出来る一冊となっています。

おすすめアルバム

あなたが選んだ古関メロディーベスト30

古関の故郷、福島県の新聞社・福島民報社が古関楽曲110曲の中からネットやはがきなどでアンケートを取り、上位に選ばれた30曲が収録されたアルバム。1位は「高原列車はいく」で、この曲はJR福島駅の在来線ホームの発車メロディに採用されております

生誕100年記念 国民的作曲家 古関裕而全集~長崎の鐘 君の名は イヨマンテの夜(DVD付)

古関裕而生誕100周年を記念して発売されたアルバムBOX。テーマ別にCD7枚組が収録されており、主要な楽曲を網羅することが出来るBOXセットとなっております。

古関裕而 生誕110年記念 スポーツ日本の歌~栄冠は君に輝く~

古関裕而生誕110年を記念して発売されたコンセプトアルバム。古関が作曲したスポーツ曲を中心に、ヘルシンキ五輪への参加が認められた昭和24年に発売された「スポーツ日本の歌 オリンピック目指して」が初収録されたアルバムとなっております。

おすすめの動画

古関裕而さん

かつて放送された古関裕而を特集した番組。古関のインタビューや、楽曲演奏などが収録されております。

大衆音楽を世に広めた偉人と詩人 古関裕而と西條八十

作曲家・古関裕而、作詞家・西條八十の作った歌の当時の映像や歌詞の意味を特集した番組。2時間番組で見応えたっぷりです。

おすすめの映画

モスラ

古関が音楽を務めた特撮怪獣映画。全編フルカラーで、モスラが東京タワーからサナギから成虫へ誕生するシーンは今もなお、特撮ファンの間で語られる名シーンとして有名です。

ひめゆりの塔

古関が音楽を務めた戦争映画。沖縄戦で看護婦として前線に立ったひめゆり学徒隊を描いた作品。現在も、沖縄にはひめゆり学徒隊を供養するための、ひめゆりの塔が建立されております。

関連外部リンク

古関裕而についてのまとめ

人間が生活するために、エンターテイメントは斬っても切り離せない関係にあると筆者は思っております。特に、音楽の存在は重要で、一番世相に寄り添った娯楽だと思います。今回取り上げた、古関裕而は様々な楽曲を通して、様々な人たちの記憶に残る楽曲をいくつも提供してきた偉大な作曲家です。

朝の連続テレビ小説「エール」では、菊田との出会いや戦時中について、どのように描かれるのかはまだわかりませんが、もっと多くの人に古関の功績を知って欲しいと感じました。

今回の記事をきっかけに、古関裕而の楽曲に触れていただければ、幸いです。

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