リヒャルト・ワーグナーとはどんな人?生涯・年表まとめ【代表曲も紹介】

リヒャルト・ワーグナーの功績

功績1「”歌劇(楽劇)”を芸術として完成させた」

ワーグナーが自身の作品のために建築した、バイロイト祝祭劇場

先のトピックでもふれたとおり、ワーグナーの功績として最も有名なのは、オペラを一つの「総合芸術」にまで高めたことでしょう。ベートーベンの交響曲第9番に秘められた音楽理論を解体し、それを体系化したオペラへと応用できるようにアレンジを加えたその手腕は、まさに彼が自称する「天才」の手腕だという他ありません。

イタリアで生じた舞台芸術であるオペラですが、現在ではドイツオペラも、イタリアのものと引けを取らない芸術作品として、全世界から愛されています。

そんなドイツオペラの隆盛の一端を担った人物こそが、「楽劇王」であるワーグナーその人なのです。

功績2「音楽界にとどまらず、多くの創作物に影響を与えた」

多くのファンタジー作品に登場する「ワルキューレ」なども
ワーグナーの『ニーベルングの指環』で有名になった

この記事を読んでいる中には、「ワーグナーって誰?」という部分から記事を読んでいる方もいるかと思います。実際、音楽史に多少の興味を持った方でなければ、ワーグナーの名を知ることはあまりないと思いますので、そういう方がいるのは無理からぬことでしょう。

しかし、ゲームや漫画などのサブカル好きであれば、「ワルキューレ」「ジークフリート」「ブリュンヒルデ」「ヴァルハラ」なんかの言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?

これらは全て北欧神話に由来する言葉なのですが、これらの神話上の言葉が一般大衆に至るまで有名になったことに、ワーグナーが『ニーベルングの指環』という北欧神話をモデルにした大長編を描いたことが一助となっているのは間違いありません。

そういう意味では、ワーグナーの作り出した多くの作品群は、音楽界のみならず様々な分野の創作物にも影響を与えていると言えそうです。

功績3「近代指揮理論の一端を担う 」

犬猿の仲だったブラームス

作曲家としての部分が有名なワーグナーですが、彼は指揮者としても有名であり、実は彼の著作の中には『指揮について』などの指揮理論に関しての論文も存在しています。

その理論は独自性が強いものではありましたが、理に適ったものでもあったらしく、彼は生涯にわたって多くの識者を育成。近代以降の指揮理論の二大源流の一角としても知られることになっています。

そしてその一方で、ワーグナーとはまた違う独自の指揮理論で指揮者を育成していた、同じく二大源流の一角であるブラームスとは、かなりの犬猿の仲だったという記録も残っています。

とはいえ、ワーグナーの死を知ったブラームスが、弔意を示す意味で合唱練習を打ち切ったというエピソードが残っていることもあり、人間的な仲はどうあれ、お互いの実力自体は認め合っている関係でもあったようです。

リヒャルト・ワーグナーの代表作

ワルキューレの騎行

ワーグナーと言えば、恐らくこの曲を連想する方が最も多いかと思われます。映画『地獄の黙示録』の劇中歌としても使用された曲のため、そちらの印象が強い方も多いかもしれません。

壮大かつ荘厳なその音楽は、一度聞くと確実に耳に残り、微妙に気が大きくなってしまうこと請け合いです。そういう意味では、ワーグナーという人物を最も象徴している曲だと言えるのかもしれません。

結婚行進曲

歌劇『ローエングリン』の中で演奏された、タイトル通りの「結婚式」をイメージした楽曲です。

教会の風景が目に浮かぶような神聖なオルガンの旋律と、やはりどことなく感じるワーグナーらしい重厚感が耳に楽しい一曲です。これから結婚式を控えている方は、ぜひこの一曲を指揮の中で使ってみてはいかがでしょうか?

タンホイザー序曲

歌劇『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』の序曲として演奏される曲です。ドラマ『白い巨塔』でも使用されたため、そちらの印象が強い方も多いかと思われます。

入りこそ静かで、少々ワーグナーらしくない印象を受けますが、1;55あたりからの天へと上るようなイメージの、透き通った音から続く部分は、やはりワーグナーらしさに満ちた荘厳な仕上がりとなっています。

様々な曲調が入り混じる複雑な楽曲ですが、まったく耳障りを感じない、誤解を恐れずに言えば非常に「楽しい」楽曲ですので、ぜひ最後までお聞きいただければと思います。

リヒャルト・ワーグナーにまつわる都市伝説・武勇伝

都市伝説・武勇伝1「現代で言う『自演』の元祖?」

現在でこそ、自作自演で作品の評判を操作することは
ネット炎上などにも繋がりかねないが…?

現代において、自分の作品に自分で高評価を付けることは「自演」と呼ばれ、炎上にも繋がりかねない行為だとされています。しかし実はワーグナーも、その「自演」と呼ばれそうな行為を若いころにやらかしているのはご存知でしょうか?

実は若い頃のワーグナーは、偽名を使って自分の作品を称える手紙を、新聞や出版社に投書するという行為を繰り返していたと記録されています。さらに、そんな自演行為のみならず、一説ではそれがバレた時には大いに逆ギレをして相手を困らせたのだとか。

「唯我独尊の天才」というイメージの強いワーグナーですが、そう言ったエピソードを知ると、実は少々みみっちく、名誉欲の強い人物だったとも言えるのかもしれません。

都市伝説・武勇伝2「実は身長コンプレックス持ち?妻であるコジマ夫人の苦悩」

リヒャルトの2番目の妻であるコジマ・ワーグナーは、長身の女性だったのだが…

近代の人物であるワーグナーは、身体的な特徴などの記録が多く残っています。とくに有名なのはその身長で、記録によれば彼の身長は167㎝程度と、日本人から見ても若干小柄な程度の身長だったと記録されています。

そして彼にとっては少々悪いことに、後妻であったコジマ・ワーグナーは父親譲りの長針だったことが記録されています。そのためコジマは、夫と共に写真に写る時は、様々な工夫を凝らして身長差が目立たないようにしていたことが記録に残っているようです。

もちろん、「ワーグナーに身長コンプレックスがあった」という明確な記録があるわけではありませんが、コジマ夫人の涙ぐましい努力の記録などから、ワーグナーが自分の身長にコンプレックスを抱いていたことは、かなり想像しやすいように思えます。

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