アントニオガウディとはどんな人?生涯・年表まとめ【性格や代表作、名言についても紹介】

1904年 – 52歳「カサ・バトリョの改築に着工」

バトリョ・チェアと呼ばれるガウディ作の椅子
出典:イズヤオンライン

独創的なデザインで「骨の家」とよばれる

52歳のガウディは、大繊維業者ホセ・バトリョに自身の邸宅の改築を依頼されます。改築の理由は、隣に立った家が豪華で自分の家が目立たなくなってしまったという、ステイタス重視のいかにも富豪らしいものでした。

「ひと際目立つ家」を目指して、ガウディは建物にさまざまな仕掛けを施します。

シンプルだった外壁には、海をイメージした色鮮やかなモザイクタイルやガラスを散りばめ、骸骨のような形状のバルコニーや人の骨のような柱を設置。建物のどこを見ても直線的な部分のないユニークなデザインで、バトリョ邸を圧倒的な存在感を放つ建物へと生まれ変わらせました。

その独特の風貌から、当時の人々はこの建物に「骨の家」「あくびの家」というあだ名を付けたそうです。

住人のために家具もデザイン

ガウディは、バトリョのために家具や内装の細部にいたるまで全てをデザインしています。自然との調和を大切にするガウディは、木材を利用した曲線的で温かみのある家具をいくつも生み出しました。

中でもガウディが作った木製のベンチや椅子は、邸宅の内装にマッチするデザインとなっているだけでなく、人間工学に基づいたそのなめらかな形状が人の身体にフィットし、快適な座り心地を実現しています。

優れたデザインと機能性の両立にこだわったガウディの作品は、依頼主を大いに喜ばせたそうです。

1906年 – 54歳「カサ・ミラの建設に着工」

波打つ地中海をイメージしたカサ・ミラ

人々に受け入れられなかったカサ・ミラ

ガウディは、バルセロナの実業家ペレ・ミラに邸宅の建設を依頼されます。

完成した邸宅の、地中海をイメージした波打つ曲線が特徴的なコンクリート造りの外観は、周囲の建物の中で異彩な雰囲気を放っていました。またガウディは、スペインで初めての駐車場を設けたり、取り外しのできる壁を設置するなど、当時の最新設備を取り入れます。

しかし、その独創的な外観が当時の人々に受け入れられず、カサ・ミラは「石切り場」という不名誉なあだ名をつけられてしまいます。

孤独を深めていくガウディ

ガウディがカサ・ミラに取り組み始めた1906年、最愛の父親が93歳で他界します。さらに、その6年後には、同居していた姪が亡くなりました。家族を全員失ったガウディは悲しみに暮れ、孤独をまぎらわすかのように仕事に没頭するようになります。

そしてガウディは、カサ・ミラの仕事を最後に個人の邸宅の建築を引き受けるのをやめ、教会関連の依頼やサグラダ・ファミリアの建設のみに集中するようになります。

1926年 – 73歳「ミサに向かう途中で路面電車にはねられ亡くなる」

ガウディに別れを告げるため葬式には多くの群衆が集まった

一番の理解者グエルの死去

1918年、長年にわたりガウディを支援し、ともに数々の名建築を造り上げてきたグエルが亡くなります。ガウディの最大の理解者であり、親友でもあったグエルの死は、ガウディに大きなショックを与えました。

ガウディはグエルの死以降、周囲の人々と距離を置いて暮らすようになります。そして、サグラダ・ファミリアの建設に余生を捧げることを決めたガウディは、1925年にはサグラダ・ファミリア内の事務所に移り住み、作業に没頭しました。

突然の死

1926年の6月7日の夕方、教会のミサに出かけたガウディは段差につまずいて転倒し、そこを通った路面電車にはねられてしまいます。病院に搬送され処置を受けましたが、3日後に息を引き取りました。

ガウディの死はバルセロナ中の人々に悲しみを与えました。「葬儀は質素に」というガウディの遺言に反して、街中の市民が葬儀に参加し、葬列の長さは1.5kmに及んだと言います。

ガウディの遺体は現在、サグラダ・ファミリア大聖堂の礼拝堂に埋葬されてます。

アントニオガウディの関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

バルセロナのガウディ建築案内


バルセロナ在住の建築研究家である著者による、ガウディ建築のビジュアル・ガイドです。スペイン各地に点在するガウディの建築を観賞する上でのポイントが、写真つきで分かりやすく説明されています。

ガウディの独自の感覚を生んだカタルーニャの文化や、ガウディの偉業についても触れられており、この一冊でガウディという人物やその作品についてよく分かるようになっています。

アントニオ・ガウディ


長年ガウディ研究に携わってきた鳥居徳敏氏が、ガウディの生い立ちから死までの生涯についてを多数の資料や作品をもとに綴っています。

ガウディ建築について詳細なが解説があるだけでなく、彼の内面や人間としての成長についても綿密に語られているため、とても興味深く読み進めることができます。天才建築家としてではなく、一人の人間「アントニオ・ガウディ」に触れられる一冊です。

おすすめの映画

創造と神秘のサグラダ・ファミリア

ガウディの死後100年以上が経つ現在も建設が続けられている、サグラダ・ファミリアの一大建設プロジェクトに迫ったドキュメンタリー映画です。ガウディの構想を、後を継いだ建築家たちがどのように再現してきたか、現代にいたるまでの経緯を描いています。

関係者しか入ることのできない内部映像や、建設に関わる人々のインタビュー映像など、観光やガイドブックでは分からないサグラダ・ファミリアの全貌を知ることができます。

関連外部リンク

アントニオガウディについてのまとめ

以上、今回はアントニオガウディの生涯や功績、家族、性格、恋愛などについて解説しました。

天才建築家と言われたガウディは、不器用で真っ直ぐな人間味にあふれた人物でした。ガウディの死後も建設が続けられてきたサグラダ・ファミリアは、2026年に完成予定と言われています。

自身が人生を捧げた作品が100年の時を超えてついに完成する様子をもしガウディが見ていたら、一体どんな感想を持つのでしょうか。

バルセロナに行った際は、サグラダ・ファミリアをはじめとするガウディの素晴らしい建築を訪れ、その人生に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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