毛利衛とはどんな人?生涯・年表まとめ【性格や功績、宇宙飛行の経緯から現在の様子まで紹介】

1990年 – 42歳「毛利が日本人のスペースシャトルミッションに選ばれる」

スペースシャトルミッションのチーム 右端が毛利

毛利衛が日本人初のスペースシャトル搭乗者として選ばれる

1990年4月24日に日本人のスペースシャトルミッションの搭乗者が発表され、見事に毛利衛が勝ち取ることになりました。チャレンジャー号の爆発事故以来延期されていたスペースシャトル計画が再始動され、毛利の搭乗予定は1991年6月とされます。

1990年12月には日本人初の宇宙飛行士としてTBS記者の秋山豊寛がソ連のソユーズTM-11に乗り込み、宇宙飛行に成功しました。毛利はこの知らせをアメリカでの訓練中に聞き、「非常に刺激になった。私たちもぜひ成功させたい。」とコメントを残しています。

日本人初のスペースシャトル計画の一員に

毛利のスペースシャトル搭乗が決定してから2年後の1992年、ついにスペースシャトル・エンデバー絵hの搭乗が実現します。9月12日、ペイロードスペシャリスト(搭乗科学技術者)としての任務を任され、8日間に渡って宇宙に滞在しました。

滞在期間中はスペースラブ実験、SL-Jミッションを遂行します。具体的には微小重力環境下での材料実験や鯉を用いた宇宙酔いの動物実験を含む生命科学実験などです。全ての実験を完了し、9月20日に地上へ降り立った際に毛利は「宇宙から国境線は見えなかった」とのコメントを残しました。

2000年 – 52歳「2度目の宇宙飛行」

スペースシャトル計画に参加 イメージ

ミッションスペシャリストとして2度目の宇宙飛行へ

1998年にNASAのミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者)の資格を得ると、2000年のスペースシャトル計画への参加を命じられることになりました。

2000年2月12日から23日にかけてスペースシャトル・エンデバーによる自身2度目となる宇宙飛行を遂行します。この時の任務はSRTM(Shuttle Radar Topography Mission)と呼ばれ、レーダーで地表を撮影し、高精度の立体地図を作成することでした。

2000年 – 52歳「日本科学未来館の館長に」

日本科学未来館

日本科学未来館の館長に就任

スペースシャトル計画から帰還し、日本へ帰国すると、今までの経験を生かして世の中に科学の面白さを広めたいという動機から日本化学未来館の館長に就任します。2001年7月に開館し、最新の科学技術の紹介や科学技術者の成果の発表を、展示物や実験の実演により伝えていきます。

毛利は2021年に日本化学未来館の館長を退任することを予定していますが、それまで約20年に渡って科学の交流を図ったのでした。

毛利衛の関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

宇宙から学ぶ―ユニバソロジのすすめ

2度の宇宙飛行を通じて得た経験を元に新しいものの見方や考え方をするというユニバソロジという概念を提唱しています。地球や生命について宇宙との関係を元に考察し、地球上の生命のつながりを著者独自の視点で解説しています。

宇宙からの贈りもの

宇宙飛行士であり、日本化学未来館の館長でもある毛利衛が2度の宇宙飛行から得た体験を様々な観点から紹介している書籍です。宇宙での生活や実験などのミッション、宇宙飛行士になるための訓練、全ての経験をありありと描いているため、読んでいるうちに宇宙への興味が湧くようになります。

モマの火星探検記

宇宙飛行士ならではの新しい生命観・地球観・宇宙観を元につづられたサイエンス・ファンタジーです。2033年に人類が火星に到達し、火星を探検するうちに見つけた新しい発見の数々を興味深く描いています。

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宇宙を旅した日本人~毛利衛・向井千秋・若田光一・土井隆雄・・・~

日本人初の宇宙飛行士・毛利衛の宇宙体験記から日本人女性初の宇宙飛行士・向井千秋、日本人初の船外活動をした宇宙飛行士・土井隆雄に至るまで彼らの宇宙への旅の軌跡を映像で楽しむことができます。NHKで放送されたハイライトシーンを網羅した映像集となっています。

ハイビジョン宇宙へ Vol.1 毛利さんと飛ぶ〜シャトルからの眺め〜

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毛利衛についてのまとめ

毛利衛は日本人として初めてスペースシャトル計画に参加した宇宙飛行士となり、現在でも科学の分野で世の中に大きな貢献をしています。幼い頃から宇宙にあこがれ、その夢を追い続けていたからこそ宇宙飛行が実現したのです。

現在は日本科学未来館の館長として、科学技術の発信とそれを受け継ぐ後継者の育成を行っています。2021年に館長を退任する予定ですが、今までに科学の面白さを伝えてきた功績は計り知れません。

今回は毛利衛についてご紹介しました。この記事をきっかけにさらに興味を持っていただけると幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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