「セックス・ピストルズってどんなバンド?」
「おすすめのアルバムや代表曲は?」
「伝説やパンクファッションを知りたい!」
セックス・ピストルズとはイギリスのロンドンで結成されたパンクロックの代表的なバンドです。パンクロックとはハードロックやプログレッシブロックに反発して生まれた音楽ジャンルのひとつです。
日本でもパンクロックは1970年代後半からブームとなり、現在でも高い人気を誇っています。セックス・ピストルズから影響を受けたと公言しているバンドやアーティストも少なくありません。
この記事ではそんなセックス・ピストルズの功績やファッション、代表曲などを紹介します。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
セックス・ピストルズとはどんなバンド?
ロンドンパンクを代表するバンド
セックス・ピストルズは1970年代後半にイギリスで流行したロンドンパンクを代表するバンドです。
1970年代前半にアメリカのニューヨークで始まったパンクロックは、マルコム・マクラーレンという人物によってイギリスに広まります。イギリスのファッションデザイナーである彼はアメリカでパンクロックに出会い強い影響を受けると、イギリスに戻りセックス・ピストルズをプロデュースしました。
セックス・ピストルズは同じころにデビューした「クラッシュ」と「ダムド」と合わせて、三大ロンドンパンクバンドと呼ばれています。
セックス・ピストルズの名前の由来
セックスピストルズの名前の由来は、彼らの生みの親マルコム・マクラーレンの開いていたブティックの名前に由来します。マルコムはのちにファッション業界で「パンクの女王」と呼ばれたヴィヴィアン・ウエストウッドと共に、1971年にブティック「レット・イット・ロック」をオープンしました。
その後、マルコムはパンクロックに影響され店名を「セックス」に改名し、パンクファッションの服を扱い始めます。そして店員や常連客が結成していた「スワンカーズ」というバンドに目を付け、バンド名を「セックス・ピストルズ」に改名させて売り出そうとしました。
セックス・ピストルズの音楽性
シンプルかつ派手なギターサウンド
ボーカル・ギター・ベース・ドラムというシンプルなバンド編成から繰り出される、勢いのあるギターロックサウンドがセックス・ピストルズの持ち味です。難しい理論を理解したり高い演奏技術がなくても、音楽を楽しむことが出来ることを証明しました。
シンプルでタイトなドラムとベースの演奏の上で、少し歪ませた音色のギターがコードをかき鳴らすサウンドは当時の若者たちの心を鷲掴みました。
攻撃的で主張を持った歌詞
パンクロックは反抗と破壊の音楽です。セックス・ピストルズもその例外ではありません。
社会を風刺したり戦争や宗教について触れるなど、当時の若者たちの思っていても口に出せなかったことを代弁していました。彼らの楽曲にはイギリス政府や王室に反発するような歌詞の曲も少なくありません。
デビューシングルの「アナーキー・イン・ザ・U.K.」では無政府主義を主張しキリスト教を批判していますし、イギリス国歌と同名異曲の「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」ではエリザベス女王とイギリス政府をこき下ろしています。
セックス・ピストルズの功績
多くの若者に音楽を始めるきっかけを与えた
1970年代中頃に流行っていたハードロックやプログレッシブロックは、アルバムの売り上げを第一に考える産業ロックでした。また高価な楽器が買える環境や高い演奏技術を必要とするため、演奏できたのはひと握りのミュージシャンだけだったのです。
そんな中現れたセックス・ピストルズの楽曲や演奏はシンプルで簡単なものが多く、歌詞の内容も小難しくなく主義主張や欲求を表現したものでした。初心者でも演奏できるような楽曲が多いため、セックス・ピストルズは「下手くそ」だと揶揄する人もいるほどです。
しかしその簡単さが当時のイギリスの若者たちに、「これなら自分たちにも出来るかも」と思わせます。そして多くの若者が次々とバンドを結成し、パンクロックが流行することになりました。
パンクファッションを流行させた
マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドがデザインしたファッションや髪型は、今までにはない斬新なものでした。
寝ぐせのようなハネた髪型に破れたTシャツや革ジャンを合わせて、アクセサリーとしてチェーンや安全ピンを身に着けたスタイルです。
セックス・ピストルズは彼らのデザインの広告塔になり、パンクロックの流行と伴ってパンクファッションを広めていきました。現在ではファンションのスタイルとしても確立され、パンクファッションに身を包んでいてもパンクロックは聞かないというような人も現れています。