音楽家バッハとはどんな人?生涯・年表まとめ【作品や性格、代表曲も紹介】

1749年 – 64歳「 脳卒中で倒れる」

聖トーマス教会の人事に介入される

1549年5月末にバッハは脳卒中で倒れます。当時聖トーマス教会の学長という地位にあったため、その地位を羨んだ人たちの企みでゴットロープ・ハラーという後任を勝手に決められてしまいました。

しかしバッハは一時健康を取り戻して復職します。当時ほとんど視力を失っていたため翌年眼科手術を受けますが、その手術は失敗し、術後の容体は悪くそのまま病床で亡くなってしまいます。

1829年 – 没後79年「 マタイ受難曲が再演される」

若き日のメンデルスゾーンによって蘇った傑作

バッハの死後、一部の鍵盤練習曲以外は忘れられてしまいます。しかし愛好家や演奏家たちの手でその音楽や手法は細々と受け継がれていきました。時代が下ると古楽研究が活発になったということもあり、当時20歳で新進気鋭の音楽家・メンデルスゾーンの指揮によって晩年の名作「マタイ受難曲」が蘇演されます。

メンデルスゾーン

初演当時の書評は大絶賛というほどでもなく、どちらかというと題材のストイックさや作品の精巧さが一般市民には敬遠され、無理解な記者による批判的なものもありました。しかしこの再演は今日のバッハの知名度に至るきっかけとなりました。

この再演は学校設立のためのチャリティー公演として、俳優のエドゥアルト・デヴリエントが協賛し、興業的には成功をおさめました。メンデルスゾーンは「キリスト教徒の最も偉大な音楽を世界に蘇らせるには、俳優とユダヤ人の息子が必要だったということになりますね!」と思わず皮肉を言ったようです。メンデルスゾーンはユダヤ人ですが、バッハと同じ敬虔なルター派教徒でもありました。

フェリックス・メンデルスゾーンとはどんな人?生涯・年表まとめ

バッハの関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

J.S.バッハ (講談社現代新書)

日本国内のバッハ研究におけるパイオニアである磯山雅の著書です。この本はその中でも特に読みやすく、「バッハの雑学集」としても楽しめます。明日から誰かに言いたくなるようなバッハの知識が沢山書かれています。

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

「バロック音楽」「古典派」「ポリフォニー・ホモフォニー」といったような用語にピンとこない方は、一度体系的に音楽史を網羅したこの本をお勧めします。西洋音楽史全体について1人の筆者が書いていますので、分断されることなく物語のように楽しく読むことができます。

マタイ受難曲

こちらも磯山氏の著書になります。マタイ受難曲を理解することは決して簡単なことではありませんが、やさしい言葉遣いで安心して読むことができます。読みやすいのに、内容はとても本格的で、多くの人に読まれている一冊です。

【24年11月最新】バッハがよく知れるおすすめ本ランキングTOP12

おすすめ代表曲・作品

J.S.バッハ《マタイ受難曲》第1部全曲 カール・リヒター(1958)

演奏は古いですが、バッハのオルガン作品やチェンバロ作品を多く演奏したカール・リヒターの指揮によるマタイ受難曲です。対訳としてドイツ語と日本語を字幕で見ながら動画を視聴できます。第2部もリンクから視聴できます。

Bach (1685-1750) Kaffeekantate BWV 211 – Harnoncourt

こちらも演奏が古いですが前述した「コーヒーカンタータ」の動画です。コーヒー中毒の娘とそれをやめさせたい父親とのやりとりがコミカルな小喜歌劇となっており、作曲者がバッハというのも驚きですが、なんと作詞は「マタイ受難曲」の台本を書いたピカンダーだというのが面白いです。彼らがもしオペラを書くことがあったなら、このような喜歌劇だったのでしょうか。

おすすめの映画

アンナ・マグダレーナ・バッハの日記

俳優ではなく若い頃の古楽演奏家・グフタフ・レオンハルトがバッハ役をつとめ、演奏シーンではリテイク無しで実際に演奏しています。できるだけ服飾品や建物などで当時を再現しており、演奏場所の環境の悪さなどにリアリティを感じます。

「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」

2020年公開の映画で、実在するブラジルのピアニスト「ジョアン・カルロス・マルティンス」の半生を描いた作品です。病やハンディキャップを抱えながらバッハの全ピアノ曲収録という難業に挑戦しようとする姿を描くピアニストのストーリーとなっています。

バッハ曲の解釈というのは人それぞれ大きく差がありますので、「史上最高のバッハ奏者」という宣伝文句に対する解釈もそれぞれであり、ストーリー自体は賛否が分かれる映画となっていますが、マルティンス本人の演奏が使用されており、とても素晴らしいです。バッハ作品の名曲と名演をダイジェストで味わいたい、という人にはお勧めできる映画です。

関連外部リンク

バッハについてのまとめ

いかがでしたでしょうか?筆者は声楽家ですが、マタイ受難曲のソロやコーヒーカンタータは歌ってみたい憧れの曲です。

ジャズやロックなど、即興性のある音楽を演奏する人にもバッハの愛好家は多く、日本で「音楽の父」と呼ばれている理由がよくわかります。

ストイックな作風で敬遠されがちなバッハですが、バッハについて知っていると良いことが沢山ある気がします。少しでも興味を持って頂けると嬉しいです。

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7 COMMENTS

早乙女和完

ありがとうございます。様々に参考になりました!バッハは教会で即興演奏をして!乗りすぎてミサの前に相当長い時間演奏しすぎて!教会オルガニストを首になり、様々な教会オルガニストを職業として渡り歩いたと聞きます!又作った曲はあまり厳密な譜面に残さず!息子たちが譜面化させたと聞ききます!詳細は割愛しますが!私はそんなバッハの神ががった演奏をあこがれる!無名の細竿三味線弾きです!そんな情報を知りたくてコメントしました!

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