有島武郎とはどんな人?生涯・年表まとめ【代表作や家系、死因まで紹介】

有島武郎の関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

或る女

有島武郎の代表作で、構想から数えると十数年をかけた大作です。近代日本文学大正期の傑作とも評されています。封建社会の名残の中で、自らの殻の破り方を模索する女性の悲劇的な運命を描き、そのモデルが国木田独歩の恋人ではないかということで話題となりました。

カインの末裔・クララの出家

カインの末裔は有島武郎の名を世に知らしめた出世作で、北海道の農村で農業を営む男の苦悩や葛藤を描いた作品です。クララの出家はイタリアが舞台の作品で、18歳の少女クララが出家し、修道女となるまでの1日を描いています。主人公はどちらも有島武郎がモデルではないかと言われています。

小さき者へ・生まれ出づる悩み

「小さき者へ」は題名のごとく、子供達に向けた作品となっています。妻・安子を亡くした後の武郎が子供達に語りかけるような構成で描かれています。「生まれ出づる悩み」は漁師の家に産まれながら、画家としての人生を選んだ主人公の様子が細かい描写とともに綴られた作品となっています。

おすすめの童話・伝記・評論

一房の葡萄

有島武郎が生前に制作した唯一の創作集で、挿絵も装丁も自ら手がけています。童話でありながら、人生の真理にも迫った作品となっており、子供から大人まで楽しめる内容となっています。作品の背景は有島武郎が幼少期を過ごした横浜で、自伝のような趣も感じられます。

有島武郎ーー地人論の最果てへ

有島武郎研究の第一人者である著者が彼の作品と生涯について読み解き、解説をしている書籍です。生涯に関しては誕生時から亡くなる時まで記されていますが、メインは有島武郎の文学論、芸術論、思想論に関してです。伝記として読むには物足りないかもしれませんが、有島の思想については詳しく知ることができる一冊です。

惜しみなく愛は奪う

「惜しみなく愛は奪う」は有島武郎が「或る女」完成後に認めた評論です。この作品の発表を機に理想の愛と現実の愛の間で葛藤するようになった有島は創作意欲を消失してしまい、執筆活動がおろそかになってしまったというエピソードが残っています。有島の評論を文庫本に収めた貴重な一冊です。

おすすめの映画

カインの末裔

有島武郎の「カインの末裔」を映画化した作品で、ベルリン国際映画祭でも上映されるほど好評を博しました。「日本の裸族」などで知られる奥秀太郎が監督を務め、渡辺一志、田口トモロヲ、古田新太、内田春菊をキャストに迎えての豪華作品となっています。

ドモ又の死

有島武郎の戯曲「ドモ又の死」を劇中劇として使用しながら、平成時代を生きる少女の日常を描いた作品となっています。情緒障害者更生施設に暮らす少女たちが「ドモ又の死」を演じるという内容を三輪明日美、藤谷文子、片桐はいりらが見事に表現しています。

有島武郎についてのまとめ

今回は有島武郎の生涯や作品についてご紹介しました。

有島武郎は幼い頃から厳しい教育を受け、留学も経験した結果得た、豊富な知識と幅広い視野で数々の文学作品を世に残しました。鋭い視点で物事を描き続けた反面、自らの思想と現実との間で葛藤を抱くようになり、最後は愛人と情死を果たしてしまうのでした。もう少し長く生きていたら、どのような作品を残していたのだろうと考えると残念でなりません。

この記事をきっかけにさらに有島武郎に興味を持っていただけると幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2 COMMENTS

京藤一葉

> 藤田正一さん
コメントありがとうございます!
編集部で精査し改善していきます。
今後とも宜しくお願い致します。

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