第三次産業革命
第二次産業革命の最中、二度の世界大戦を経験して世界は大きな損失を受けました。しかし、産業の改革は止まりません。新たな第三次産業革命が始まりました。
第三次産業革命をわかりやすく解説すると…
第三次産業革命とは、単純作業の自動化などコンピューターによるデジタル技術が発達した時期のことをいいます。具体的な時期に関しては諸説ありますが、1980年代から2010年代を示すことが多いです。
第一次、第二次産業革命までは製造における単純作業を工場労働者が行なっていました。しかし、第三次産業革命ではコンピューターが発明されたことによって、単純作業すらも機械が行うようになります。
現在の工場見学などを見てみると、製品の製造から箱詰めまで全て機械が行っていて工場労働者は一人か二人ほどしか傍にいません。産業は人の手から離れてデジタル技術を使った機械へと転換したのです。
工場での単純作業が自動化されたことによって、人々の生活もまた大きく変化しました。工場労働から企業における事務や営業業務へ移行し、新たな情報技術を使ったIT産業への雇用も増加します。
第三次産業革命において情報技術は、デジタル技術が発達したことによって著しく発展しました。コンピューターを利用したインターネットの普及により、必要な情報が手に入りやすくなったのです。
また、インターネットを搭載した情報機器としてパソコンや携帯電話が登場。更に、持ち運びやすく機能性の高いノートパソコンやスマートフォンにまで進化しました。
その結果、現在はどこにいても情報が得ることができます。離れた家族や友人とネット回線を通じて顔を見ながら話すことも可能になりました。
また、情報技術の発達は巨大な情報システムを確立に繋がったのです。情報システムはよりスムーズな情報処理や伝達を可能にしました。大多数の企業においてインターネットを搭載したパソコンが導入され、情報システムを活用した会社運営をしています。
また、インターネットを利用して海外とも容易に繋がるようになったため、更なる技術開発に向けて世界的な競争が起きるようになりました。
第三次産業革命は産業改革を地球規模にまで拡大させ、世界を一体化し始めたのです。また、原子核を利用した原子力エネルギーによる原子力発電も普及し、人々の生活はより便利なものになっていきます。
完全なる機械の自動化へ転換
第三次産業革命では、社会システムの多くが人の手を使った作業から完全な機械の自動化作業へと転換しました。その最大の変化の源はコンピューターの普及です。
コンピューターとは、複雑な計算を高速かつ大量に行うことができる機械です。1946年にアメリカで発展し、1970年代には産業界に普及し始めました。コンピューターと他の機器を組み合わせることによって、自動運転や自動作業が可能となったのです。
第三次産業革命が始まった1980年代では、人を介さずに製品の組み立てを行う産業用ロボットを多用した工場が増加します。そのおかげで作業ミスが激減し、作業効率が大幅に向上しました。
それだけなく、石油の精製や金属加工、化学製品の製造といった危険な作業もロボットに委ねることができます。作業員たちの人身事故が減り、安全性の高い職場が増えていきました。
それまで工場内で単純作業をしていた労働者たちは、工場生産の管理や経理などの事務作業をするようになります。コンピューターによるデジタル技術のおかげで情報や通信技術が発展し、それらを使うIT産業への雇用も増加したのです。
また、完全な機械の自動化は工業だけではなく医療、教育など社会のあらゆる分野に適応されました。例えば、最先端の医療器具を使った医療やコンピューターによるオンライン授業などが行えるようになったのです。
交通においては自動運転によって走行する列車が登場し、交通時間が短縮かつ正確になります。他にも、YouTuber(ユーチューバー)などネット上で働くという新しい働き方も生まれました。
第三次産業革命の2大要素
1:コンピューターの普及
第三次産業革命の重要な要素として真っ先に挙げられるのは、コンピューターの普及です。コンピューターが普及したことでデジタル技術が発展し、機械の自動化が実現されました。
コンピューターは1946年にアメリカで開発されました。真空管と呼ばれる内部を高度な真空にして電極を入れたもので作られたのが、最初のコンピューターです。1970年代に工業生産に使用され始め、ゲーム機などの娯楽用品にも活用されました。
その後、コンピューターの仕組みはどんどん改良されていきます。コンピュータープログラムのソフトウェアを開発するマイクロソフト社が設立され、Windowsなどの様々な情報を管理するシステムが生まれました。こうして更に複雑な情報処理が行えるようになったのです。それによって情報技術も発達し、新たな産業としてIT産業が誕生しました。
また、個人で使用できるコンピューターとしてパソコンが特定の企業以外にも幅広く普及し始めます。コンピューターをどれだけ扱うことができるかによって雇用状況も変化し、現在では学校教育にもコンピューター授業が組み込まれています。
コンピューターの普及は機械の自動化だけではなく、第三次産業革命におけるデジタル技術の発達を大きく進歩させたのです。
2:情報技術の改革
第三次産業革命のもう一つの重要な要素は情報技術の改革です。コンピューターの発明と普及によってデジタル技術が発展し機械が自動化されたことで、情報技術は注目され革命的な改革が起きました。
デジタル技術の発展とともに、地球規模の情報通信ネットワークであるインターネットが完成し、巨大な情報システムが確立したのです。その結果、情報を取り扱うIT産業が世界的に拡大しました。
製品よりも、その製品に関する情報の取り扱いが重要視されるようになったのです。企業の情報管理は徹底され、フェイスブックやTwitterなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)企業が多く誕生しました。
こうした情報技術の拡大により、通信手段もまた革命的な変化を遂げます。国内や海外の出来事、個人の情報をインターネットを通じて簡単に知ることが可能になりました。
それに加えて、ネット上で遠く離れた海外の人々との交流もできるため、間接的な人間関係の繋がりが増加します。こうして情報技術の改革は、コンピューターによるデジタル技術が生み出した最も貴重な産物となったのです。
また情報技術の改革に伴って、情報機器も変化しました。それ以前はアナログ回線を使った電話や紙での情報交換をしていました。しかし、コンピューターが登場したことで、情報機器はパソコンや携帯電話によるネット上のメールへと変化したのです。
パソコンや携帯電話は徐々に進化し、ノートパソコンやスマートフォンなど最先端かつ多用性に優れたものへとなりました。現在では、特定の場所にいなくても好きな場所で情報のやり取りができるようになったのです。
第三次産業革命の影響
第三次産業革命では機械が自動化され、人々の扱う仕事が情報へと切り替わりました。世界的な情報システムが確立されたために、海外の産業状態がより明確に分かるようになったのです。
その影響によって、技術開発の世界的競争が起こりました。2010年代になると、情報技術は十分に発達してその分安価なものになります。手軽に利用できる情報技術を利用して、新しいコンピュータープログラムの利用や開発が活発になりました。
第三次産業革命の問題点
第三次産業革命の問題点として挙げられるのは、プライバシー侵害と情報依存です。誰でも簡単にあらゆる情報を得て発信もできるようになったため、個人の日常生活における情報も安易に世界中へと広まるようになりました。
Twitterやフェイスブックによって他人の生活をネット上に書き込むことによって、人々のプライバシーが著しく侵害されるようになったのです。また、簡単に情報が手に入ることに依存してしまい、情報機器であるパソコンやスマートフォンに依存する人々が続出しました。
特にインターネット依存やスマートフォン依存は深刻であり、歩きスマホや長時間のネットゲームが増加して社会問題となっています。情報技術の発展は素晴らしいものですが、その反面で人々の興味関心を集めすぎてしまったのです。