松下幸之助の名言・今社会で活躍している人のために
人は社会に出て活躍の場が与えられると、時として大切なことを忘れてしまいます。それを思い出させてくれる名言を紹介します。忙しい毎日を送っていても、時には名言をじっくり味わい、立ち止まってみてはいかがでしょうか。
人生で迷うなんて、贅沢だ
迷う、ということは、一種の欲望からきているように思う。ああもなりたい、こうもなりたい、こういうふうに出世したい、という欲望から迷いがでてくる。それを捨て去れば問題はなくなる。
人生のあらゆる場面で人は迷います。中にはもう過去になったことにまで、こうしていれば、ああしていれば、どうなっただろうと迷っている人もいます。
2つの人生を同時に生きられない以上、迷うのは当然のことだと思う人もいるでしょうが、幸之助はこれを欲望から来ているのだと断じています。欲望を持つことは決して悪いことではありませんが、迷って結論が出ない状況では、事態は先に進んでいきません。
迷っていないで前進しろ、と活を入れられたような気がして、背筋が伸びる言葉だと思います。幸之助は欲望を捨てて、人生をひた走ってきたのでしょう。
儲かってもそうでなくても、いつでも自分は変わらないし、変わりたくない
恵まれた生活も結構だし、恵まれない暮らしも結構、何事も結構という気持が大切だと思います。
松下幸之助が長年働いている間は、うまくいっているときだけではなかったはずです。特に幸之助と妻のむめ、妻の弟、友人2名が事業を立ち上げたばかりのときは、事業はうまくいかず、友人は幸之助のもとを去っていきました。
会社が大きくなってからも、公職追放を受けて仕事ができなくなったり、不景気で業績が落ちたりしました。この言葉はこれらのことをすべてくぐり抜けて来た幸之助だからこそ、言えた言葉だったのでしょう。
何事も結構、この気持を忘れなければ、どんなときでも心穏やかに暮らしていけるのではないでしょうか。
自分が楽しまないとお客さんも喜ばない
自らも楽しみ人々にも喜びを与える。大切な人生をこうした心構えで送りたい。
松下幸之助が先頭となって作り出した家庭用電器製品で、どれだけ多くの女性が家事労働から解放されたかはよく知られています。洗濯機、冷蔵庫、炊飯器は今や家庭ではなくてはならない存在です。幸之助は商売をして利益を得るだけでなく、多くの人々に実際に喜びを与えました。
多くの人が喜んでくれたことは、幸之助の喜びにもなったでしょう。そこで幸之助は利益以上の何かを受け取っています。そして、それがさらに幸之助を成功させました。
自分の喜びとお客さんの喜びは切っても切り離せないものなのです。やはり、何事も自分のことだけではダメなようです。
無理やり売りつけるばかりでは、いつか必ず行き詰まる
無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ。
現在でもそうですが、松下幸之助が活躍していた時代、電器製品は高価なものでした。1台でも多くの電器製品を売れば、そのときは儲かるかもしれませんが、幸之助はそれを良しとはしませんでした。
客の好みを優先せずに、役に立つものを売るというのは、一歩間違えると余計なお世話だと受け取られてしまいます。ですが幸之助は長い間使う電器製品を買うからには、決して後悔して欲しくなかったのでしょう。
この言葉を守るなら、客は必ず次の機会も同じ店、同じ人から買いたいと思うはずです。売る側も買う側も満足して幸せになり、経済も発展してすべてが丸く収まるのです。
才能よりも大切なことがある
才能なきことを憂うる必要はないが、熱意なきことをおそれなくてはならない。
何かを成し遂げるためには才能よりも熱意が大切です。社会で働くためには、才能が必要だと思いこんでいる人はたくさんいることでしょう。もちろん才能はないよりもあった方が良いです。
しかし、仕事に対する熱意があれば、障害があっても乗り越えていけます。逆に熱意がなければどんなに才能があったとしても、ちょっとしたことで仕事に行き詰まってしまいます。知識や経験は熱意を持って仕事をしていれば、後からついて来ます。
これは勉強や家庭生活についても言えることです。自分には才能がない、この言葉を逃げるために使ってはいけないのです。
人の言うことにも耳を貸せ
どんな賢人でも、その人ひとりの知恵には限りがあって、だから自分の知恵、才覚だけで事を運べば、考えがかたくなになる。視野が狭くなる。
幸之助の興した事業は大きくなりましたが、それは幸之助1人の力ではなし得なかったことです。たくさんの従業員がいたからこそ、現在のパナソニックが存在しているのです。
そこには幸之助の姿勢が大きく関係していたと感じられます。もし彼に、周りの人々の言葉に耳を貸す姿勢が欠けていたとしたら、ついて来る人は今よりもずっと少なかったかもしれません。
人は自分が認められ、必要とされていれば、喜んで力を貸すものです。幸之助1人ではなく、多くの人の力で作られているからこそ、パナソニックは誰からも愛される企業になったのではないでしょうか。