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シェイクスピアの名言20選!発言に込められた意図や背景も解説

あなたの人生はあなたが主役

シェイクスピアズ・グローブ

All the world’s a stage And all the men and women merely players.

「お気に召すまま」の一節で「この世は舞台であり、人は皆役者なのだ」という意味です。大変有名な一節で、シェイクスピアが原典だと知らない人も多いかもしれません。原文には続きがあります。

They have their exits and their entrances; And one man in his time plays many parts,

「それぞれに登場と退場がある。人はその時々に合わせて色々な役を演じている」と書かれています。元々は、シェイクスピアの時代にあった世界劇場という理念からきているのですが、今ではこの名言だけが切り取られ、人生は私たちの演じ方次第で変わるものというニュアンスでも使われます。

今演じている役が嫌なら、別の役でまた人生に登場してもいいのでは?という前向きな意味にも読めますね。

時の流れの速さは人によって違う

2019シェイクスピアフェスティバルより「お気に召すまま」

Something as time runs by respective speed by the respective man.

「時というものは、それぞれの人間によって、それぞれの速さで走るものなのだよ」という意味で、これも「お気に召すまま」の一節です。このセリフについてはシェイクスピアが具体例を紹介しています。最も時間が長いのは、結婚の約束と式を挙げる日との間の時間で、断頭台に連れていかれる泥棒には駆け足で時間が過ぎるとのこと。

本来、私たちは平等に時間が与えられているものですが、私たちがその時間をどう過ごすかは、置かれている環境や経験、年齢によって異なってくるのです。この今という時間をどういう心持ちで過ごすかによって、今後の自分の時の流れの速さも変わってくるのかと思うと、気が引き締まります。

名前には意味がない

フォード・マドックス・ブラウン作「ロミオとジュリエット」

O Romeo, Romeo! Wherefore art thou Romeo?

「ああ、ロミオ、ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?」という「ロミオとジュリエット」に出てくるこのセリフは、シェイクスピアをよく知らない人でも耳にする名言ですね。シェイクスピアは、名前は所詮記号であり、そこに価値を見出すべきではないといった趣旨のことを、他の物語でも書いています。

このセリフの後で、ジュリエットは続けます。

What’s in a name? That which we can call rose by any other word would smell as sweet,

「名前が何でしょう? 私たちがバラと呼んでいるあの花は、他の名前で呼ばれても、甘い香りは変わらない」という意味です。つまりジュリエットは、ロミオが「ロミオ」という名前でなくてもあなたを愛しますということですね。外見ではなく中身が大切という恋愛の本質を突いた名言です。

行動することが大事

末娘コーデリアに対して怒りを表す父リア王

Nothing will come of nothing.

四大悲劇の一つ「リア王(King Lear)」で有名なセリフです。「無からは何も生まれない」という意味です。物語の中でリア王は、国を分割して3人の娘に譲ろうとします。長女と次女は言葉巧みに父への愛を述べますが、末娘コーデリアだけは姉たちのようなうわべだけの愛は偽善だと思い、何も言いません。そこでリア王はこのように怒ったのです。

コーデリアが父リア王に対して真実の愛情を抱いていたとしても、言わなければ何も通じません。何か思っているなら、それを伝える努力をすべきなのです。コーデリアはそれを怠ったがために、のちに悲劇的な運命に見舞われることになります。

弱点は強みに変わる

両目がえぐられて盲目になってしまったグロスター

Our means secure us, and our mere defects Prove our commodities.

これも「リア王」の一節です。「頼りになるものがあれば私たちは油断するが、単なる弱点でも役に立つこともあるのだ」という意味です。このセリフは両目がえぐられて盲目になってしまったグロスターのものです。視力を失って初めて、今まで見えていなかったものに気づくのです。

自分が欠点だと思っていることでも、人によってはそこが長所と感じることもあります。見方によってそれが自分の強みに変わるというのは、私たちを勇気づけてくれる発想です。

最悪な時は最悪ではない

1608年の「リア王」の表紙

The worst is not So long as we can say, “This is the worst.”

「『どん底だ』と言えているうちは、まだどん底ではない」という意味で、「リア王」に出てきます。まさに人生の「どん底」に近いエドガーが、盲目になった父に対して言います。原文では、もっと落ちるかもしれないから、今はどん底ではないといった話の流れなのですが、どこか励ましのようにも感じます。

「最悪だよ」と言える余裕があるならまだ大丈夫なのです。私たちもピンチの時にこそ思い出したい名言ですね。

大事なのは今

「テンペスト」第1幕第1場

There, sir, stop: Let us not burthen our remembrance with A heaviness that’s gone.

シェイクスピア単独執筆の最後の作品と言われる「テンペスト(The Tempest)」に出てくる名言です。「お互いの思い出に、過ぎ去った悲しみの重荷を負わせるのはよしましょう」という意味です。過去の遺恨から争っていたアロンゾーとプロスペローが和解する場面で出てきます。

過去のことに囚われすぎて、関係がこじれてしまうことがありますよね。しかし、それでは未来は生まれません。過去ではなく今を生きるために、こんな言葉をさらりと言える人間になりたいものです。

失敗してももう一回チャレンジしよう

このセリフを言ったアントニオとゴンザロ

Do not, for one repulse, forego the purpose that you resolved to effect.

「成し遂げんとした志を、ただ一回の敗北によって捨ててはいけない」という意味の一節は「テンペスト」に出てきます。諦めてはいけない、というシェイクスピアの力強い声が聞こえてきそうなセリフです。

「テンペスト」はシェイクスピアが最後の作品にしようと思って執筆したのか、これでもか!というほどたくさんのメッセージを詰め込んでいます。人生訓はもちろん、うっとりしてしまうような愛の言葉も多いです。

不幸を思うのは不幸を呼ぶだけ

愛し合うオセロとデズデモーナ

To mourn a mischief that is past and gone is the next way to draw new mischief on.

四大悲劇の一つ「オセロー(Othello)」に出てくるセリフです。「過ぎた不幸を嘆くのは、新しい不幸を招く近道だ」という意味で、公爵がデズデモーナの父であるブラバンショーにいう言葉です。ブラバンショーはオセローと娘の交際に反対していました。しかし公爵は「避けがたい不幸も、これを忍べば、やがて笑うことができる」と前向きになれる言葉をかけるのです。

不幸なことが起きれば、気持ちを引きずってしまうのは、ある意味仕方のないことです。しかし周りの人がこうした言葉をかけてあげることで、気持ちの整理をすることもできるはずです。

明けない夜はない

「マクベス」劇のポスター(1884年)

The night is long that never finds the day.

「どんなに長い夜も必ず明ける」という一節は四大悲劇の一つ「マクベス(Macbeth)」に出てきます。マクベスに父を殺されたマルカムが、マクベスに復讐をしようと決意を語っている場面です。マクベスを殺さないと夜は明けないけれども、その日は必ずくると言っています。

コロナ禍でよく聞くフレーズですが、原典がシェイクスピアだと知っている人は少ないかもしれません。この言葉だけが人生訓として一人歩きし、今では苦難の中で明るい未来を信じるフレーズとして使われています。

シェイクスピアの名言集や関連書籍

シェイクスピア名言集

シェイクスピアの翻訳本の著者としては有名な小田島雄志による著書です。名言だけでなくその解説も載っている上、原文と訳もあるので、初心者には一番おすすめです。岩波ジュニア新書ですが、人生経験が豊富な大人だからこそわかるシェイクスピアの名言もあるので、幅広い年代の人が楽しめる本といえます。

心を支えるシェイクスピアの言葉

河合祥一郎というシェイクスピアを専門にしている英文学者による著書です。この本は、名言の前後の話を載せているので、名言の背景や深い意味がわかりやすくなっています。シェイクスピアの作品を読んだことがないという人にも伝わるように書かれているので、敷居が低いのもいいですね。これを読むと、物語自体にも興味を持って読んでみたいと思えるかもしれません。

シェイクスピア 愛の言葉

この本の著者は、小川絵梨子という翻訳劇を中心に活躍している著名な演出家です。そのため、人の話し言葉に近い訳語を使っている印象を受けます。シェイクスピアというと「難しそう」という先入観がある人にもとっつきやすい本です。シェイクスピアの恋愛に関する名言は素敵なフレーズが多いことも、この本を通して知ることができます。

シェイクスピアの名言についてのまとめ

心に響くシェイクスピアの名言がありましたか?近代の文豪である夏目漱石も、シェイクスピアに魅了された一人でした。東京帝国大学で教鞭をとっていた時に、シェイクスピアの名言について話していた記録が、今も残っています。

気に入った名言は、英語の原文を声に出して読んでみることをおすすめします。シェイクスピアの英語は古語なので、若干読みづらいかもしれませんが、韻を踏んでいたり、リズミカルなセンテンスであったりと、英語が分からなくても心地よい響きが楽しめます。

シェイクスピアの名言は生きる上でパワーをくれるものがたくさんあります。日々生活することにさえ難しい世の中ですが、こんな時だからこそシェイクスピアの声に耳を傾けて欲しいです。そして、名言の一つにでも興味を持ったなら、ぜひ原典にチャレンジしてみてください。

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