2013〜2017年「大統領 2期目」
2012年のアメリカ合衆国大統領選挙の再選をかけ、オバマ大統領は出馬しました。共和党の候補者ミット・ロムニーと選挙戦を繰り広げ、苦戦を強いられましたがハリケーン・サンディという大型ハリケーンへの対応が評価され、再選。
再び大統領に就任します。
2013年 – 50歳「シリアの化学兵器問題」
2013年8月に、内戦状態であったシリアの首都ダマスカスの郊外で化学兵器が使用されたと報じられました。
シリア政府か、それとも反アサド政権が行ったのか、特定はできませんでしたが、オバマは国連の決議無しでシリアへ軍事介入する姿勢を見せました。また、化学兵器を使用したのはアサド政権と結論し、アサド政権に限定的な武力を行使することを決定。
しかし、9月にロシアから「シリアの化学兵器を国際的な管理下におき、廃棄すること」「シリアの化学兵器禁止条例への加盟」を提案され、アメリカはこれに合意。シリアでの武力行使は見送られました。
2013〜2015年 – 50歳「キューバの雪解け」
2013年春、オバマ大統領は約50年ほど国交が途絶えていたキューバとの交渉を開始しました。
この交渉にはカナダ政府とローマ教皇が仲介役に入り、2013年12月には南アフリカ共和国で開かれたネルソンの追悼式でキューバ国家評議会議長カストルと、お互いに歩み寄ることを示す握手を交わします。
2014年12月には、アメリカとキューバの国交正常化の交渉を開始するという発表を行い、その数ヶ月以内に大使館を開設。銀行や貿易などについても話し合うことに合意します。2015年7月には正式にアメリカ、キューバの国交回復が実現しました。
キューバとの国交回復は「キューバの雪解け」と呼ばれ、オバマ大統領の最大の外交成果であるとされています。
2016年 – 53歳「広島訪問」
日本人のわたしたちにとって最も印象的な出来事が、広島訪問でしょう。実は現役アメリカ大統領が広島へ訪問するのは、オバマ大統領が初めてです。
5月27日、広島を訪問したオバマ大統領は17分にわたって演説を行い「核なき世界」を訴え、多くの人を感動させました。しかし、アメリカ国内では評判が悪く「弱腰外交」と批判されます。
2018年〜「大統領解任後」
2018年 – 55歳「ワシントンD.Cに残る」
大統領退任後、オバマは通例に従わずワシントンD.C.に残るウィルソン大統領以来の大統領経験者になりました。
5月22日にはオバマとミシェル2人で創設した映像会社「Higher Ground Productions」がNetflixと映像製作の契約を結びます。
また、1作目の映画「アメリカン・ファクトリー」は第92回アカデミー賞でアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞。「マイ・ストーリー」はプライムタイム・エミー賞の4部門にノミネートされるなどの功績を早くも残しています。
2020年 – 57歳「大統領に出馬したバイデン氏を応援」
2020年、オバマは自身が大統領だった時に副大統領を任せていたジョー・バイデンを支援すること表明しました。
当初は、バイデン氏がオバマに支持を表明しないようお願いをしていたため支持表明を行いませんでした。しかし、バイデン氏が党候補に確定した後の2020年4月に支持を表明し、その後は応援演説や選挙資金集めのイベント開催を行なってバイデン氏を応援。
民主党全国大会の演説ではトランプ氏を人種差別主義者と批判し、バイデン氏の当選を後押ししました。
バラクオバマの関連作品
おすすめ書籍・本・漫画
マイ・ドリームーバラク・オバマ自伝
オバマ大統領が政治家を志した背景がわかる自伝です。また、アメリカの人種差別に対する問題について、オバマ自身の体験を元に描かれています。
オバマ大統領について知る資料としてはもちろん、人種差別の現状について知る一助にもなる一冊です。
約束の地 大統領回顧録|上
オバマ大統領が退任後に出した回顧録です。オバマ大統領のことがわかるのはもちろん、普段触れる機会の少ないアメリカの歴史や政治の事情、アメリカ政界関係者のことについてもわかります。
オバマ大統領や政治に興味のある方におすすめです。
おすすめの映画
アメリカン・ファクトリー
アメリカンファクトリーはオバマの製作会社である「Higher Ground Productions」の1作目です。2019年アメリカ合衆国のドキュメンタリー映画でオハイオ州の向上を題材に、職場で発生する価値観の相違や機械の台頭について描かれています。
将来、わたしたちの仕事のほとんどが機械によって奪われる。そんな世界でどう生きるかを考えさせられる映画です。
マイ・ストーリー
マイ・ストーリーはオバマ大統領の妻ミシェルに密着したドキュメンタリー映画です。差別に負けず、今を全力で生きるミシェルの生き様と人柄に勇気づけられます。ぜひ、すべての人に見てほしい映画の一つです。
関連外部リンク
バラクオバマについてのまとめ
バラクオバマについて紹介しましたが、いかがでしたか?
オバマは、その出自と一貫した「弱者救済」の姿勢から、アメリカの少数派の支持を集めて大統領となりました。アメリカ史上初の黒人大統領、というだけでも異例でしたが政策面でも平和主義や弱者救済を軸に置いており、個人主義のアメリカでは稀な大統領だったと言っても良いでしょう。
少数派でも、自分の意思を貫いて弱者のために尽くすオバマ大統領の生き様には惹かれるものがあります。
本記事が、オバマを知るきっかけになれば幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。