オウム真理教とは?起こした事件や幹部、修行法を解説【現在の活動も紹介】

幹部・上祐史浩

上祐史浩
出典:デイリー新潮

上祐史浩はオウム真理教の元幹部で、オウムが破産によりアレフとなった際に代表として就任した人物です。現在はアレフからも退いて新しい宗教団体「ひかりの輪」を設立し活動を続けています。

大学時代からチベット仏教やヨーガに興味を抱いていた上祐は、雑誌に取り上げられていた麻原の記事を読んでオウム真理教の前身であるオウム神仙の会に入会しました。1992年には教団で二番目に高い位階の「正大師」に昇進し、翌年にはロシア支部長に就任しています。

1995年の地下鉄サリン事件が起きるまで上祐はロシアに駐留していましたが、事件後麻原に呼び戻され「緊急対策本部長」に就任すると教団のスポークスマンの役割を果たしました。

麻原彰晃の娘・松本麗華

松本麗華
出典:HUFFPOST

松本麗華は麻原の三女で、オウム真理教の元幹部です。麻原の子供たちの中でも格別の寵愛を受け、幼いころから後継者としての教育を受けていました。11歳にして早くも正大師となり、教団の中で麻原に次いで二番目の地位を与えられています。

オウム真理教が解体した後、小学校や中学校に通うことが出来ず小学校三年生から通信教育を受けました。高校も通信制の学校に進み、2004年には文教大学人間科学部臨床心理学科に入学して心理学を学んでいます。

オウム真理教事件について

オウム真理教在家信者死亡事件

「オウム真理教在家信者死亡事件」とは1988年9月22日にオウム真理教の信者だった男性が、修行中に死亡した事件です。原因は百日修行と呼ばれる厳しい修行に用いられた薬物による中毒といわれていて、死亡させるつもりが無かったことから過失致死事件として扱われました。

教団に関係する初めての死者が出たこの事件をきっかけに、教団は多くの違法行為に手を染め始めます。事件発覚を恐れた麻原の指示で遺体は秘密裏に遺棄され、のちに事件の一部始終を目撃していた別の信者を口封じのため殺害しています。

坂本堤弁護士一家殺害事件

殺害された坂本堤弁護士一家
出典:時事ドットコムニュース

「坂本堤弁護士一家殺害事件」はオウム真理教の幹部6人が、オウム真理教問題に取り組んでいた坂本堤弁護士とその家族を殺害した事件です。坂本弁護士は1989年5月から教団の反社会性を批判していて、「オウム真理教被害者の会」を組織していました。

事件が起こったのは1989年11月4日で、教団のナンバー2だった村井秀夫や古くからの信徒のひとり新実智光らによって実行されました。動機としては翌年から予定されていた衆議院議員総選挙への出馬や、今後の教団運営の障害になると麻原が考えたためとされています。

松本サリン事件

松本サリン事件の現場
出典:東京新聞

「松本サリン事件」とは長野県松本市にあった裁判所宿舎を狙って、オウム真理教がサリンを散布した事件です。散布されたサリンが周辺の住宅街を襲い、8人が死亡し約600人が負傷しました。

当時松本市にあったオウム真理教支部の、立ち退きを巡って行われていた裁判を担当した判事の殺害を狙ったのが犯行動機です。

松本サリン事件で犯人扱いされた河野義行さん
出典:琉球新報Style

松本サリン事件で警察は第一通報者だった無実の河野義行さんを、犯人であるかのように取り扱いました。長野県警は杜撰な捜査から河野さんを重要参考人として取り調べ、マスコミは容疑者扱いで報道しています。誤解が解け真犯人が分かったのは、地下鉄サリン事件の後でした。

地下鉄サリン事件

地下鉄サリン事件の現場
出典:ニッポン放送NEWS

「地下鉄サリン事件」は1995年にオウム真理教が引き起こした、化学兵器によるテロ事件です。大都市の一般市民を狙って化学兵器が使用されるという、世界でも類を見ない凶悪な犯行は人々を震撼させました。

東京の地下を走る地下鉄の3路線5編成の車両の中でサリンが散布され、乗客や駅員ら14人が死亡し負傷者数は約6,300人にも上りました。また救助に当たった警察や消防、被害者の搬送先の病院のスタッフにも100人以上の二次被害者が出ました。

地下鉄サリン事件とは?経緯や目的、犯人まとめ【被害者の後遺症も紹介】

オウム真理教の修行法「イニシエーション」

初期のオウム真理教の修行にはヨーガから取り入れたものが多くありました。その後、徐々にオウム独自の修行法が編み出され、宗教用語で「加入礼」を意味する「イニシエーション」と呼ばれるようになります。

ヘッドギアを装着する「PSI」

ヘッドギアを装着する信者たち
出典:宗教.jp

PSIとはPerfect Salvation Initiationの略で、完全救済イニシエーションとも呼ばれます。麻原彰晃の脳波を再現した電流を流す特殊な電極のついたヘッドギアを装着し、自身の脳波と同調させるという修行でした。

信者がヘッドギアを使用するためには、レンタルで月額10万円、購入なら100万円という高額なお布施が必要でした。このヘッドギアを装着した姿があまりに仰々しく一目で信者だと分かったため、オウム信者の象徴のようにもなっていました。

眉間を指圧する「シャクティーパット」

「シャクティーパット」とはサンスクリット語で「霊力の原型を与える」「弟子を目覚めさせる」「導師の行為」などを意味し、ヒンドゥー教において導師が弟子の眉間を指圧する動作のことを指します。

オウムでのシャクティーパットは非常に重要視されていて、正大師などの位階の高い人間が信者に直接触れてエネルギーを注入するといったものでした。受けた側は精神の安定や神秘体験を得ることができますが、与えた側は大きくエネルギーを消費し相手の穢れをもらい受けるとされていました。

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