ミッドウェー海戦の勝者は?
ミッドウェー海戦は、アメリカの勝利に終わりました。圧倒的な戦力の差で明らかに日本が有利だった戦闘のために、戦後アメリカの指揮官が「我々はラッキーだった!」と語る程日本が勝てる戦いでした。
歴史に「if」はありませんし、後述に挙げるような敗因がなければとも考えられますが、もし日本が勝っていたら、太平洋戦争はもっと長引いていたのかもしれません。
日本は主力戦力を多く失った
この海戦で日本海軍は1日に4隻の主力空母を失い、約3000人の戦死者を出しています。そのため日本の主力空母は2隻になり、連戦連勝だった日本軍が、守勢に転じることとなりました。搭乗員は比較的救出されたために、士気は下がっていなかったそうです。
しかしこの時の損失は後の戦闘に響き、二度と日本が快進撃を見せることはありませんでした。そしてこの事実も戦果は水増しして報告され、国民に知らされないまま突き進んでいくこととなるのです。
ミッドウェー海戦の敗因は何か?
圧倒的に有利だったミッドウェー海戦を落としたのは日本にとって、手痛い負けとなりました。太平洋戦争の運気が決まったといわれるミッドウェー海戦。敗因は何だったのかを見ていきます。
ずさんな情報管理と情報収集
ミッドウェー海戦の時には、アメリカは日本の暗号をほぼ解読していたといいます。そのため、日本がミッドウェーで作戦を行うことを事前に察知していたのです。そのためミッドウェー島近海で米軍の攻撃にあっています。
一方日本は、直前まで米軍艦隊がいることに気づきませんでした。しかもミッドウェー海戦直後、アメリカの新聞やラジオで、「海軍は日本軍の動きを事前に察知」という見出しで事実を放送しています。そのため日本は容易に暗号が解読されていることに気づけたはずですが、気づきもせずその後暗号も変えていないのです。
貧弱な防空能力
貧弱な防空能力も、大きな敗因の一つです。日本軍の防空は、米軍に比べて非常に貧弱でした。日本軍は当時レーダーを搭載していたのは、軍艦1隻のみで実質戦闘機での目視によって敵の発見を行っていました。そのため発見が遅れ、空母に3隻に米軍の奇襲攻撃を受けてしまう結果となりました。
対空火力も米軍に大きく劣っていました。米軍は駆逐艦も対空砲を利用していましたが、日本は平射砲を使用し高角装置を付けていたといいます。これも米海軍の火力に比べて劣るものでした。奇襲を受けた日本軍が、十分に対空防御が出来なかったために、防空主力は戦闘機が担っていました。しかし空中戦が始まると、防空に手が回らなくなるために戦艦への攻撃が容易になっていったのでした。
“運命の5分間”に左右された?
ミッドウェー海戦には“運命の5分間”と呼ばれる時間があったといわれ、「日本の機動部隊があと5分間時間が与えられれば」というものです。
ミッドウェー海戦では南雲中将の判断の元、狭い空母で既に積まれている艦載機の爆弾を下ろし、別の爆弾に積みかえてました。しかしこの判断が命取りとなり、結果間に合いませんでした。
つまり米軍の攻撃があと5分遅ければ攻撃隊が米軍艦隊を攻撃し、艦隊は勝利したと説明したのです。不運が重なったための敗北といわれましたが、後に他の証言者の内容などから異論も多く出ており、“運命の5分間はなかった”と否定されつつある論ではあります。
ミッドウェー海戦の敗因は何だったのか?敗因から学べる教訓も紹介
もしミッドウェー海戦に日本が勝っていたら?
“勝てた”戦いを落としたと残念がられることも多いミッドウェー海戦。もし勝ったらどうなったのだろう?歴史は変わらないとわかりつつも考えてしまいますよね。ミッドウェー海戦にもし勝っていた場合、良ければ敵空母を壊滅させることにより、日本の空襲を失くせたと想像できます。
ただし1943年代にはアメリカ軍は、新しい空母が出来ているので、それまでの半年ほどは日本優勢のままでいけたのかもしれません。この後新しい戦闘機をアメリカは開発し、数で圧倒していますので時期が遅くなるだけで他の戦いでミッドウェー海戦のような戦いが起きてたのではないでしょうか。
そして日本は恐らくミッドウェー島を攻略できていたら、次はハワイ島を狙ったと考えられますが、この時にも上記の通りアメリカ軍の装備も整ってきているので難しい攻略にはなったのではと想像できます。どちらにしても日本不利は変わらないのではないでしょうか。
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