ウォーレンバフェットの現在の資産と投資先
2021年現在の資産は1004億ドル
2021年、バフェット氏の資産はついに1004億ドルとなり、大富豪の仲間入りを果たしました。
1004億ドルと言えば、日本円で約10兆円です。日本の2021年の国家予算が約100兆円であることを考えると、その10分の1の資産をバフェット氏は保有していることになります。
そう考えると、途方もない金額ですね。
バフェット氏の最新ポートフォリオ
バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイのポートフォリオが、2020年12月に公開されました。
それによると、バフェット氏は新たに無線通信会社『ベライゾン・コミュニケーションズ』、石油会社『シェブロン』プロフェッショナルサービス会社『マーシュ・アンド・マクレナン』を購入しました。
また、医薬会社2社の株を買い増ししており、所有していた11の銘柄を売却しています。売却に関しては、すべて売却したものもあれば、ほんの少しだけの銘柄もあります。
結果、現在のバークシャー・ハサウェイのポートフォリオは以下の通りです。
- アップル:43.6%
- バンク・オブ・アメリカ:11.3%
- コカ・コーラ:8.1%
- アメリカン・エキスプレス:6.8%
- クラフト・ハインツ:4.2%
- ベライゾン・コミュニケーションズ:3.2%
- ムーディー: 2.7%
- U.S.バンコープ:2.3%
- ダビータ:1.6%
- シェブロン:1.5%
- その他:14.8%
こうして見てみると、アメリカの大企業が大部分を占めていることがわかりますね。
ウォーレンバフェットが実践している投資手法
2つの投資ルール
バフェット氏の投資ルールは非常にシンプルで、次の通りです。
- 絶対に損をするな
- ルール1を忘れないこと
投資では、勝つことよりも負けないことが大切と言われます。この原則をバフェット氏は心に留め、成果を出してきました。また、彼は投資のタイミングや銘柄の選定について、必ず根拠を求めます。
なぜこの会社を買収するのか、というテーマで小論文を1本書けないなら、たとえ100株でも買わない方がいいとバフェット氏は言っています。株を買う理由をはっきりと論理的に説明できないなら買わない方がいいということですね。
6つの投資基準
バフェット氏は投資する企業を以下の6つの基準に従って購入しています。
- 企業の本来の価値よりも割安な株を買う
- 自分が理解できるビジネスを行っている企業を買う
- 長期間、安定して業績を伸ばし続けている企業を選ぶ
- 需要があり、競争力も高い将来性のある企業を選ぶ
- 借金の少ない企業を選ぶ(自己資本比率50%以上)
- 資本を効率よく使って稼ぐ企業を選ぶ(ROE10%以上)
バフェット氏が銘柄選びで重視しているのは割安な株を購入することです。ただし、割安でなくても将来性のある素晴らしい会社なら、適正価格で買います。将来性のある会社とは、多くの人がほしいと思い、なおかつどの会社にも真似できない商品・サービスを販売している会社です。
具体的には、ビジネスを始めるのに莫大なお金がかかる業種やコカ・コーラのような圧倒的なブランド力のある企業ですね。こういった会社は長期投資で利益が見込めるので、バフェット氏はたとえ割高でも購入しています。
同様の理由で、バフェット氏は長年安定して業績を伸ばしており、借金が少ないうえにお金を上手に使って稼ぐのが得意な企業を投資先に選んでいます。具体的にいうと、自己資本比率50%以上かつROE(自己資本利益率)10%以上の企業です。
自己資本比率とは企業の安定性を測る比率で、高いほど倒産するリスクが低いとされます。またROEは企業がどれだけの利益を出したかを測る比率のことで、高いほど稼げている会社です。要するに、そのまま行けば問題なく成長する企業と言ってもいいかもしれません。
また、バフェット氏は損とは理解できないところからやってくるとして、自分がわからないビジネスを行っている会社には手を出しません。こうして見てみると、投資手法としては昔から言われていることが多いように思えます。バフェット氏は基本を忠実に守っている投資家と言えるでしょう。