寛永の三筆
本阿弥光悦(ほんあみ-こうえつ):1558年~1637年
本阿弥光悦は江戸時代の書家・陶芸家・茶人で、光悦が興した書流は光悦流と呼ばれています。光悦の代表作は『蓮下絵和歌巻』や『四季草花下絵古今集和歌巻』などがあげられます。
近衛信尹(このえ-のぶただ):1565年~1614年
近衛信尹は安土桃山時代から江戸時代初期の公卿です。代表作には『近衛信尹筆和歌屏風』があります。
松花堂昭乗(しょうかどう-しょうじょう):1582年~1639年
松花堂昭乗は江戸時代初期の真言宗の僧侶です。昭乗の代表作は『松花堂芳野道之記』があります。
幕末の三筆
市河米庵(いちかわ-べいあん):1779年~1858年
市河米庵は江戸時代後期の書家で、5千人の門人を抱えていました。代表作には『景幽佳兮足真賞』や『楽志論屏風』があげられます。
貫名菘翁(ぬきな-すうおう):1778年~1863年
貫名菘翁は江戸時代後期の儒学者です。代表作は『山水詩画双幅』があげられます。
巻菱湖(まき-りょうこ):1777年~1843年
巻菱湖は明治政府の官用文字を菱湖流に改めた功績により、1万人を超える門下生がいました。代表作には『五十嵐翁穆翁碑』や『篋中集』があげられます。
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明治の三筆
日下部鳴鶴(くさかべ-めいかく):1838年~1922年
日下部鳴鶴は力強い筆跡が特徴で、これまで和様だった日本の書式の基準を唐様に変更しました。代表作は『大久保公神道碑』や『木村重成碑』などがあります。
中林梧竹:1827年~1913年
中林梧竹は造形型を追求した独特の書風で書道界への影響が大きかった人物です。代表作には『朝爽』や『鈍刀不截骨』があげられます。
巖谷一六:1834年~1905年
巖谷一六は明治政府に仕えた官僚で1880年に来日した楊守敬から六朝書式を学び、独特の書風を作り上げました。代表作には没後編纂された『一六遺稿』や自身で筆を執った『山水画』があげられます。
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昭和の三筆
西川寧(にしかわ-やすし):1902年〜1989年
西川寧は中国文学者でもありながら、書の巨人と呼ばれ現代の書道界に大きな影響を与えました。代表作には『西川寧自選作品集』や『西川寧臨賈思伯碑』などがあげられます。
手島右卿(てしま-ゆうけい):1901年~1987年
手島右卿は文化功労者で、ニックネームで「ライオンの右卿」と呼ばれていました。代表作には『右卿臨書集成』や『右卿唐詩帖』などがあります。
日比野五鳳(ひびの-ごほう):1901年~1985年
日比野五鳳は1901年に生まれた書家で、1948年に教員を退職してから書道に専念しました。代表作には『奈良七重』があります。
三筆の覚え方
三筆を覚える際は最も有名な空海・嵯峨天皇・橘逸勢だけは覚えておきたいところ。このように覚えるといいかもしれません。
「筆(三筆)と佐賀(嵯峨天皇)、早(橘逸勢)く食う(空海)」
加えて、三蹟も覚えておきましょう。三蹟の代表人物は小野道風・藤原佐理・藤原行政です。
「咳(三蹟)したら、去り(藤原佐理)ゆく雪(藤原行政)と道風(小野道風)」
三筆に関するまとめ
今回は、三筆について解説しました。
三筆の言葉自体は教科書で聞いたことはありますが、人物と代表作品までは覚えていない印象があります。しかし、じっくり調べてみると三筆は、日本書道の歴史に大きな影響を与えた功績を持った人物たちの総称ということがわかりました。
このように時間を経てから調べ直してみると、意外な発見があるのが歴史を勉強していく中で得る大きな特徴です。
この記事を通して、三筆について興味や関心を持っていただけたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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