中国の有名哲学者
孔子
孔子は春秋時代の哲学者であり、諸子百家の先駆けとなった儒家の始祖です。彼が広めた「仁と礼に基づく理想社会の実現」という儒教思想は、中国における政治理念や思想、文化の基礎となり、現代においても中国を中心とした東アジア各国で強い影響力を持っています。
また、孔子の言行が書かれた儒教の経典である「論語」は、孔子自身の手によって執筆されたものではありません。実は、「論語」は孔子の死後に彼の弟子によって編纂された書物でした。
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孟子
孟子は、儒学において孔子の次に重要視されている中国戦国時代の哲学者です。彼は性善説を説き、仁義による王道政治を目指しました。性善説とは、人間の本性は基本的に善であるとする学説です。
また、孟子を批判して性悪説を提唱した荀子は、孟子より少し後の時代を生きた哲学者でした。彼は人間の本性は基本的に悪であるとし、礼を学ぶ重要性を主張しました。
墨子
墨子は諸子百家の1つである墨家の開祖となった哲学者です。彼は儒家の仁を差別的な思想であるとし、無差別な愛を説く独自の平和主義・博愛主義的な思想を切り拓きました。
その後、墨家は戦国時代であった中国国内で大流行し、宗教団体となるまで勢力が拡大していきます。その結果、儒家に対抗できる最大勢力となりましたが、戦国時代が終了した頃には消滅しました。
イギリスの有名哲学者
トマス・ホッブズ
トマス・ホッブズは、17世紀のイングランドにおいて絶対王政の立場を擁護した哲学者です。彼は著作「リヴァイアサン」において、「万人の万人に対する闘争」にある人間の自然状態を回避するために、自然権を国家に譲渡すべきであると主張しています。
彼の人工的国家論と社会契約説は近代ヨーロッパにおける政治哲学の基礎を形成しました。しかし、国王の特権を擁護する彼の主張は、イギリス議会からは批判の対象となりました。
ジョン・ロック
ジョン・ロックはイギリス経験論の父と呼ばれる哲学者です。イギリス経験論とは、人間が持つすべての知識は経験に基づくものであるとする思想を指しています。
また、彼は自由主義の父とも呼ばれており、自身の著書である「統治二論」で主張した政治思想はイングランドで発生した名誉革命を正当化しました。その後、彼の思想はアメリカ独立宣言やフランス人権宣言にも影響を与えました。
アダム・スミス
アダム・スミスは産業革命期のイギリスで著作「国富論」を発表した哲学者です。「国富論」において、個人が利益を追求することによって社会全体の利益が「神の見えざる手」によって達成されると説きました。
彼は近現代における自由主義経済理論を体系化した人物であり、「古典派経済学の父」と呼ばれています。また、彼は経済学だけでなく倫理学にも精通しており、道徳について書かれた「道徳感情論」を出版しています。
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ジェレミ・ベンサム
ジェレミ・ベンサムは、正しい行為や政策は最大多数の最大幸福をもたらすと考える功利主義を提唱した哲学者です。この理念は、19世紀にイギリス東インド会社がインドの支配をした際の行政法体系に大きな影響を与えています。
また、彼は功利主義に基づいて、当時のイギリスでは禁止されていた同性愛を擁護しました。同性愛は誰にも被害を与えず、当事者間において快楽がもたらされるとし、合法化を提唱しました。
ジョン・ステュアート・ミル
ジョン・ステュアート・ミルは、功利主義を基礎として自由主義やリバタリアニズムに影響を与えた政治哲学者です。彼は著作「自由論」において、国家の権力に対する諸個人の自由について論じました。
また、晩年の彼は社会主義者であったようです。彼は産業革命や植民地競争によって急速に豊かとなっていったイギリスの背後に潜む経済的な社会問題を課題とし、持続可能な定常型社会を構想していました。