無期懲役は地獄?人生終了と言われる7つの理由

理由①:最低でも30年は出られない

日本最大の刑務所である府中刑務所
出典:Wikipedia

前述した通り、無期懲役は30年の間、仮釈放が成立しません。これは「有期刑の上限が30年である以上、無期懲役犯がそれ以下の刑期で出所するのは矛盾する為」です。なお有期刑の上限が20年から30年となり、凶悪事件の時効が撤廃されたのは2005年の事でした。

1980年代までは、無期懲役判決を受けても18年以内に90%近くの囚人が仮釈放されていました。1970年代には10年以下で仮釈放された囚人もいたのです。ところが、2002年に1人が18年で出所したのを最後に、短期間で出所した囚人はいません。

とはいえ無期懲役の意味を知らず、「10年くらいで出所できる」と勘違いしている人がいるのも事実。逆に犯罪を助長するとして、2008年から「無期懲役の仮釈放の運用状況」が公開されるようになりました。

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理由②:事実上の終身刑

多くの囚人は仮釈放が認められない
出典:不思議ネット

30年の刑期が過ぎると、仮釈放の審査が行われます。ただ仮釈放の是非は、「検察官の意見」と「懲罰回数」が反映されます。2020年に仮釈放が認められたのは僅か8人。審査で認められた割合は毎年約25%とされ、全無期懲役犯全体のわずか0.3%です。

仮釈放が認められなかった場合、次の再審査を待たなければいけません。2020年末時点で、30年以上服役している無期懲役犯は297人。50年を超える者も10人います。そして仮釈放の審査前に亡くなる、もしくは仮釈放が認められずに亡くなる囚人の方が多いのです。

囚人全体の高齢化も進み、岡山刑務所には2017年から非常勤の介護福祉士(男性)が加わりました。50歳で無期懲役となり、最短で仮釈放が認められてもその時は既に80歳。多くの人達にとって無期懲役は終身刑と同じなのですね。

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理由③:懲罰を受けると刑期が伸びる

閉居罰で精神を病む者も…
出典:new.infoseek

仮釈放が認められる基準の一つは、前述した通り「懲罰回数」です。懲罰の一つが、閉居罰と呼ばれるものです。これは居室で壁を見ながら、正座で背筋を伸ばしながら8時~17時まで過ごすというものです。

持ち物は歯ブラシなどの最低限のものだけで、テレビやラジオ、私物の持ち込みは禁止です。この罰は1回で50日ほど続きます。この懲罰は極めて過酷で、精神的に壊れてしまう人もいます。

懲罰の回数が1回もない者は、45%の割合で仮釈放が認められますが、10回を超える場合は認められる割合は10%もなく、刑期は伸びます。刑務所は口論、いやがらせ、イジメなどの揉め事が存在する場所。争いに発展する、もしくは巻き込まれると懲罰対象です。

30年にわたり自分を押し殺し続けても、仮釈放の可能性は半分以下。そう考えると、「懲罰を受けない事」は仮釈放される為の最低条件と言えるのです。

理由④:獄中では娯楽が制限されている

府中刑務所内にある図書室
出典:slow.news

刑務所では囚人用のパソコンもスマホもありません。もちろんSNSやYouTubeもない為、私たちがイメージする現代的な娯楽はないのです。囚人達の娯楽は、労働時間以外の午後7時から9時(休日は午前中に3時間程追加)のテレビ程度です。

ただこのテレビも、検閲後に許可の許された録画済みのもの。この他には、官本と呼ばれる刑務所にある中古本、差し入れの本、そして囲碁や将棋などです。刑務所によっては月に1ヶ月ほどの割合で、慰問や映画鑑賞、1年に1度の割合で運動会もあるそうです。

私達の娯楽とはかけ離れたものが、囚人達には娯楽になりえます。2022年の30年前は1992年で、ゲームはファミコン、ネットも普及していません。無期懲役で30年も服役している場合、私達が想像する娯楽については、概念すら存在していないのかもしれませんね。

理由⑤:最初の月収はわずか数百円

囚人の月収は本当に安い
出典:Wikipedia

刑務所は囚人を収容すると共に、囚人の改善・更生を行う施設です。囚人達は就労をしますが、一部の作業を除き、これがなかなかの重労働。肉体労働でも食事は1600kcal程であり、囚人達は徐々に痩せてきます。

そして作業は10等工から1等工に区分けされていますが、入所してしばらくは10等工から始まります。一例では、岡山刑務所では最初の月収は数百円から開始。ちなみに月収平均は4700円とされています。場所によってはもっと安いところもあるのです。

労働時間は1日7時間。ブラック企業よりは短いと感じるかもしれませんが、作業中は私語禁止で、発言には必ず挙手が必要です。超安月給で一切の自由は許されない。そんな生活を30年も続けるのは、まさに地獄と言えるでしょう。

理由⑥:プライバシーがない

網走刑務所の共同部屋
出典:旅は道連れ、世は情け

囚人達の居住空間には、共同室と単独室がありますが、多くの囚人は共同室で生活します。ここは5〜6人の囚人達が共同生活を送り、彼らは作業も食事も全て一緒。夫婦といえども365日24時間共に過ごすのは苦痛であり、それがずっと続くのは極めて苦痛です。

部屋にイビキのうるさい人がいると、それだけで睡眠の妨げになります。些細な事で、喧嘩や揉め事だって起こるでしょう。そうすれば懲罰で刑が伸びる事も考えられます。無期懲役となれば、耐え忍ぶ生活を30年も続けなくてはいけません。

理由⑦:仮に出所できても社会に馴染めない

航空写真からみる府中刑務所
出典:Wikipedia

地獄とも言える無期懲役刑を終えて出所しても、今度は茨の道が待っています。2022年の30年前といえば1992年。ニュースなどで多少の情報は知っていても、出所して生活するのと見聞では雲泥の差。まさに浦島太郎状態です。

また30年も服役し続けていると、身内として受け入れてくれる人がいなくなっているケースもあります。また刑務所での貯金もたかが知れており、生活保護に頼るケースも後を絶ちません。社会に馴染めぬまま、残りの短い生涯を生きる事になるでしょう。

ちなみに無期懲役犯の出所は、あくまで仮釈放。生涯にわたり保護観察を受け、少しでも犯罪行為に手を染めれば、再び刑務所行きです。生活に困窮し、社会に馴染めず、刑務所が自らの居場所として犯罪を繰り返す本末転倒なケースもままあります。

無期懲役は長期にわたる地獄であり、服役中も仮釈放後も極めて苦行である事が分かりますね。

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