世界&日本で起きた詐欺事件ランキングTOP20

5位:MRIインターナショナル事件 – 米国

MRIインターナショナルインクの本社
出典:Wikiwand

MRIインターナショナル事件とは、アメリカに本社がある資産運用会社が起こした詐欺事件です。彼らは「MARS投資」という名の診療報酬請求債権を売買する事業を運営していると投資家たちを騙し、約1300億円以上の資金を得ました。

診療報酬請求債権とは、病院で受けた治療費のうち保険会社へ請求する債権のことです。しかし、実際は資産運用はしておらず約8000人もの被害者を出しています。投資家の多くは日本人であり、顧客情報誌には女優や俳優などの著名人も載っていました。

警察の捜査もあり、代表者のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガは詐欺罪で逮捕され、50年の実刑判決を受けています。

4位:AIJ投資顧問年金詐欺事件 – 日本

お年寄りの年金を奪った卑劣な犯罪

AIJ投資顧問年金詐欺事件とは、株式会社AIJが起こした詐欺事件です。AIJは日経225オプション取引*を主軸として事業を展開しており、投資顧問として企業年金基金や厚生年金基金からも資産運用を委託されていました。

しかし、実際には集めた資金約1500億円のほとんどを取引の失敗により失っていたのです。基金には偽の実績を報告しており、詳しい調査があるまで事実は判明しませんでした。社長ら含めた幹部3人が逮捕され、株式会社AIJは破産しています。

*日経225オプション取引

日経225オプション取引とは、原資産を日経平均株価とするオプション取引です。決められた期日と価格で日経平均株価を売買する権利を売り買いする取引であり、オプションを買うには株価(オプション料金)を支払う必要があります。

3位:ストラットン・オークモント詐欺事件 – 米国

詐欺の主犯ジョーダン・ベルフォード
出典:Wikipedia

ストラットン・オークモント詐欺事件とは、ジョーダン・ベルフォードが起こした詐欺事件です。彼は映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のモデルにもなっています。

ベルフォードは1990年代に株式会社ストラットン・オークモント社を設立し、1000人以上の株式ブローカーを雇い株を騙し取る投資詐欺を行いました。1998年に証券詐欺罪などで逮捕され、22ヶ月間服役し、出所後は自伝や講演会を行っています。

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2位:L&G社巨額詐欺事件 – 日本

L&Gの本社
出典:Wikiwand

L&G社巨額詐欺事件とは、健康食品会社「L&G」による詐欺事件のことです。彼らは資金を集めるために疑似通貨「円天」という電子マネーを発行し、「100万円預けると3ヶ月ごとに9万円の利益が得られる」と投資家たちを騙しました。

被害額は約1000億円にもなり、被害者は日本全国で約5万人もいたのです。その後、L&Gの会長は逮捕され、2010年に懲役18年の刑が言い渡されました。

1位:マドフ事件 – 米国

詐欺の主犯バーナード・L・マドフ
出典:Wikiwand

マドフ事件とは、詐欺師であるバーナード・L・マドフが起こした世界最大の詐欺事件のことです。彼は1960年に自身の証券会社を設立し、「年間で10%の利子(利回り)を出す」と投資家たちに話して資金を集めていました。

しかし、実際には利益を出すどころか新しい投資家からの資金を既存の投資家への配当に当てるネズミ講詐欺だったのです。被害額は約650億ドルという最高額になりました。マドフは2009年に逮捕され、2021年の4月に刑務所にて82歳で亡くなっています。

彼の所業は各地で報道され、マドフをモデルにしたドラマやドキュメンタリーが作られました。

詐欺事件ランキングに関するまとめ

今回は、日本と世界で起きた詐欺事件をランキング形式でまとめました。全体的に見てみると、詐欺事件にもいくつか特徴があることが分かります。投資詐欺やネズミ講詐欺が多く、年代も1990年代や2000年代前半によく起きているのです。

詐欺事件をランキング化し分析することで、このように詐欺の種類が理解でき、被害に遭わないための対策を考えることができます。この記事を読んだことで、少しでも皆さんのお役に立てたなら幸いです。

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4 COMMENTS

砂川@工場勤務の歴史マニア

追伸お許しください。

9位:富田商事事件 – 日本
「富」田商事は、「豊」田商事ではないでしょうか。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご確認して頂けると幸いに存じます。

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岩野祐里

砂川さんへ
大変失礼いたしました!確認したところ、おっしゃる通り「富田商事」ではなく「豊田商事」でした。すぐに修正するようにいたします。
ご指摘ありがとうございます!

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砂川@工場勤務の歴史マニア

「円天」「OGグループ」「平成電電」とか懐かしいですね!
平成電電に至っては一時期テレビCMも流れていたような記憶があります。

「年間利回り10%を毎年達成」なんて、投資では無謀と言うのは常識だという金融の知識があれば、実はどの事件も引っかからずに済むのですよね。投資で5%の利回りを達成すれば十分優秀ですし、10%は調子いい時の数字です。ウォーレン・バフェットですら20%の利回りを達成するのがやっとなのに……

今回も大変勉強になりました。
また、記者の方が丁寧に分析しようと努力なされた事も見受けられました。
執筆お疲れ様です。

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岩野祐里

砂川さんへ
今回の記事も読んでいただき、本当にありがとうございます!

詐欺とは知らずテレビなどで公にされていた事件も多いですよね。恐ろしいことです。こういった被害に遭わないためにも、最低限の金融知識は学んでおくべきですね。

お褒めの言葉もいただき、本当に感謝しております。次回の記事でも興味深いと思ってもらえるよう精進してまいりますね!

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