キャンプ仲間から美咲ちゃんの証言がなかった3つの理由
ここからは、キャンプ仲間から美咲ちゃんの証言がなかった理由を、3つにまとめて紹介します。
- キャンプ仲間とは顔馴染みの仲だったから
- 美咲ちゃんの母親が取材を受けないよう伝えたから
- SNSの誹謗中傷から守るため
ネットでは、キャンプ仲間は初対面だった、宗教関係者だったというような書き込みもあります。しかし後の解説を読めば、ネットの書き込みは憶測だとわかるでしょう。
理由①:キャンプ仲間とは顔馴染みの仲だったから
美咲ちゃんの家族とキャンプ仲間は、全員が家族ぐるみの付き合いがあり、年に2〜3回はキャンプをする仲間でした。それは2019年10月21日に、美咲ちゃんの母親が投稿したInstagramからも明らかです。
2019年に美咲ちゃんの母親が投稿したInstagram
顔馴染みの子が行方不明になれば、辛いのは間違いありません。無神経なリポーターが被害者やその家族に取材を受ける事はよくある事。安否がわからない中で、マスコミの前で取材や証言をしたくないと思うのは、当然の感情ではないでしょうか。
警察や消防は行方不明発生時から、キャンプ場から東西6kmの距離を捜索しています。もちろん、警察はキャンプ仲間に当時の状況を聴取している筈です。「取材にキャンプ仲間が応じていない=キャンプ仲間の証言がない」という訳ではないのです。
理由②:美咲ちゃんの母親が取材を受けないよう伝えたから
美咲ちゃんの母親は、「キャンプ仲間に取材を受けないで欲しい」と伝えていました。行方不明は痛ましい話とは言え、大人達も美咲ちゃんを1人にしてしまったという落ち度があります。
世間の風当たりが強い中、キャンプ仲間の顔が世間にバレればどうなるでしょうか。今はSNSですぐに情報が漏洩する時代。親の顔を通じ、子どもの学校や名前がわかるのも時間の問題です。キャンプ仲間は自分の子供たちを守る為、取材を受けない選択をしました。
美咲ちゃんの母親は、友だちからの支援も断っています。それは自分のせいで美咲ちゃんがいなくなった為、自分で「何とかしたい」という想いからです。友だちは「せめて応援したい」と言っており、美咲ちゃんや家族の事を大切に思っている事がわかります。
理由③:SNSの誹謗中傷から守るため
美咲ちゃんの母親が取材をためらった理由は、SNSによる誹謗中傷です。母親は美咲ちゃんがすぐに見つかると考えており、自分自身の顔出しや取材もNGにしていました。しかし母親が取材に応じる前から、母親の顔はネット上に流出しています。
結局、美咲ちゃんは見つからず、顔を出して呼びかける事を決意。しかしSNSでは「母親が怪しい」「母親はミュウハウゼン症候群」等の誹謗中傷で溢れました。母親は、これらの誹謗中傷に追い詰められている事を明かしています。
父親が顔を出さなければ今度は父親を疑い、有志のボランティアが遺体の一部を見つければ今度はボランティアを疑う。今回の行方不明事件はSNSの危険性と、正義感や陰謀論を振りかざす人間の恐ろしさが露呈しました。
結局のところ、遺体が見つかるまではキャンプ仲間が「怪しい」という声がSNSでは溢れていました。ただ取材や証言としてキャンプ仲間は顔を出さなかった為、「直接的な誹謗中傷」を受けていません。美咲ちゃんの母親の判断は正しかったと言えるでしょう。