シンデレラ体重が招く5つの危険
シンデレラ体重は身体に大きな危険を引き起こす可能性があります。ここからは、シンデレラ体重が招く危険を、5つにまとめて解説します。
- 摂食障害
- 免疫低下
- 骨折しやすい
- 不妊症
- 生まれてくる子供へのリスク
理由①:摂食障害
シンデレラ体重を目指し、無茶な食事制限を行うと、摂食障害に陥る可能性があります。摂食障害は、食行動を中心に様々な問題行動が起こる病。体重に対する異常なこだわりや、見た目へのコンプレックスが根底にあります。
摂食障害といえば、食べられなくなる拒食症が有名ですが、短時間のうちに大量に食べてしまう過食症も該当します。治療は食行動の是正、適切な体重維持だけでなく、家族や友人の理解も必要です。長期的な治療が必要ですが、再発するケースも少なくありません。
日本では、摂食障害の厳格な統計は行われていません。しかし海外では拒食症の有病率は女性で0.9%〜2.2%、過食症の有病率は1.5%〜2%とされます。日本人は痩せすぎという見解もあるため、有病率は最も多いのかもしれません。
近年は、SNSでシンデレラ体重を公表する芸能人も多く、その姿に憧れる若い女性も少なくありません。またTVでは、太っている事を揶揄する事もあります。「太る事が悪い」という認識が世間にあり続ける限り、シンデレラ体重を目指す人は減らないでしょう。
理由②:免疫低下
痩せるため食事制限をすると、身体に必要な栄養素が摂れません。結果的に免疫がどんどん弱くなります。すぐに風邪をひいたり、疲れやすくなる、食欲の低下や肌荒れの原因になります。シンデレラ体重を達成したら、風邪を引きやすくなったという女性も多いです。
免疫を回復させるには、栄養バランスの摂れた食事、適度な運動が必要です。更にストレスをかけない生活や、十分な睡眠も確保しましょう。シンデレラ体重にこだわる事が1番のストレスかもしれません。
ちなみに免疫の程度に大きな影響を与えるのが女性ホルモン。生理前に分泌量が増えるのがプロゲステロンであり、逆に生理後に増えるのがエストロゲンです。エストロゲンは免疫の活性に大きな影響を与えており、生理不順もまた免疫の低下に直結します。
理由③:骨折しやすい
シンデレラ体重を目指す事で、将来的な骨折のリスクは高まります。10代は最も骨密度が増加する時期であり、この時期に過度なダイエットをすると骨密度は増えません。骨密度は将来的に低下するため、10代の頃のストックが重要です。
10代から20代にかけてシンデレラ体重を目指す事で、骨粗鬆症になるリスクは増加。高齢期になると骨密度は低下し、全身の筋肉を支える事は難しくなります。高齢者が転倒して骨折すると、歩けなくなるだけでなく、認知症になるリスクもあります。
10代〜20代の無茶な行動が、将来の生活の質に直結する。シンデレラ体重を目指す事は、その後の人生設計にも大きな影響を与えます。
理由④:不妊症
女性ホルモンは、免疫以外にも妊娠の有無にも影響を与えます。シンデレラ体重を目指して過度なダイエットをすると、崩れてしまうのがホルモンバランスです。ホルモンバランスが崩れると、生理不順や無排卵となり、不妊の原因になります。
一説では、無月経の未婚女性の30%〜40%が、無理なダイエットが原因です。妊娠するため、ホルモン剤による排卵誘発が必要になるなど、大変な苦労が伴います。
女性らしさを求めてシンデレラ体重を目指したのに、逆に女性ホルモンが分泌されなくなる。これは本末転倒です。妊娠しやすい体質は、痩せすぎや太りすぎではなく、BMI19〜22.5のライン。妊娠を目指すならシンデレラ体重を目指すのはやめましょう。
理由⑤:生まれてくる子供にもリスクが
シンデレラ体重の人が妊娠した場合、生まれてくる子供にもリスクが考えられます。日本人の平均出生体重は、最近40年で200g減少し、割合は全体の9〜10%程度。先進国にもかかわらず、日本人の未熟児の割合は高く、痩せを目指す女性が多い事も要因と考えられます。
またお腹にいる胎児は、母体から栄養を受けて成長します。しかし母体の栄養が不足している場合、胎児は貪欲に栄養を摂取するので、将来的は肥満や糖尿病のリスクは増加。安易にシンデレラ体重を目指すと、そのリスクは次の世代にも引き継がれます。