シンデレラ体重を目指す際の注意点
ここまで、シンデレラ体重が気持ち悪いといわれる理由や、シンデレラ体重がもたらすリスクを解説しました。危険とはいえ、今でもシンデレラ体重を目指す人は後を絶ちません。
ここからは、シンデレラ体重を目指す際の注意点を、3つにまとめて解説します。
- 危険な情報に騙されない
- 海外ではシンデレラ体重は規制対象
- 筋肉を維持して脂肪を減らす
危険な情報に騙されない
近年はインターネットの発達や、SNSの浸透によりさまざまな情報が溢れている時代。「簡単に痩せる」という謳い文句に騙され、危険な目に遭う女性も少なくありません。
2022年には、韓国の医師が販売するダイエット薬に、覚醒剤の原料が含まれていた事が発覚。購入した女性の多くは30代〜40代で、違法なものと気づかずに服用していました。全国で500人ほどが購入したとされ、税関は購入者に注意を呼びかけています。
また2021年の薬物検挙者数は1万4408人。大麻の検挙者は5783人で、30歳未満が約7割を占めました。安易に痩せられると謳い、ダイエットとして若者に薬物を勧める売人も後を絶ちません。
大切なのは、自分で情報を吟味する事。シンデレラ体重を目指すとしても、誤った情報に惑わされて健康を損なわないよう注意しましょう。
海外ではシンデレラ体重は規制対象
近年では、シンデレラ体重を規制する動きも進んでいます。フランスでは、BMI18以下の女性をモデルに起用すると、最高で半年の禁固刑と75000ユーロ(約980万円)の罰金刑が課せられます。
厚生労働省の国民健康・栄養調査(2018年)では、BMIが18.5未満の人が占める割合は、20歳代女性で19.8%。小学生の3人に1人は「痩せたい」と考えています。
一方で、日本の肥満率は4.5%と先進国で一番低い値です。日本人の痩せへの願望は、海外では滑稽に見えています。痩せれば痩せる程、海外の人達の印象が悪くなる事は覚えておきましょう。
筋肉を維持して脂肪を減らす
体重を減らす為、過度な食事制限や危険な治療はしてはいけません。筋肉を維持して脂肪を減らす事が基本です。ネット上には、様々な体操や食生活の改善方法が提示されています。ただ有益なものだけでなく、危険な内容もあるため注意が必要です。
2023年4月には、お笑い芸人のかまいたちの山内健司が「GLP-1ダイエット」で3ヶ月で8kg痩せた事を報告。このダイエットは、お腹への注射と服薬で食欲を抑え、摂取した糖分のうち半分は尿として排出されるもの。山内は脂肪を減らす事に成功します。
ただGLP-1ダイエットに使われる薬は、本来2型糖尿病の治療目的に使われるもの。ダイエット目的での利用は、「医の倫理に反する」と批判がありました。現在動画は削除されていますが、医薬品を無責任に勧める行為は良くありません。
シンデレラ体重を目指す為、筋肉を維持して脂肪を減らしたいと思うのは理解できます。ただ、簡単にできる事ではなく、運動や正しい食生活を経て得られるものである事は覚えておきましょう。