太陽系の惑星とは?順番や特徴、大きさ、距離、英語名について徹底解説

太陽系の惑星は太陽に近い順に、水星/金星/地球/火星/木星/土星/天王星/海王星の8つの星が存在します。

実は15年ほど前までは9つだったのですが、「冥王星」が準惑星として分類され、惑星の中からは外れたのです。30代以上の方は冥王星も太陽系の惑星の一つとして教えられていたため、驚いた方も多いのではないでしょうか。

この記事では太陽系にあるそれぞれの惑星の大きさ、重さから英訳まで天体の特徴について簡単に解説していきます。太陽系の惑星について知りたい方は必見です!

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

そもそも太陽系とは?

そもそも「太陽系」とはいったい何のことを指すのでしょうか。

太陽系とは「太陽の重力によって、地球などの様々な天体が周囲を公転している構造」のことを指します。この構造は、太陽以外の恒星でも見られる事が多く、太陽以外の恒星の周囲に惑星が1つ以上ある状態の構造のことを、「太陽系外惑星系」と言います。

太陽系とは?特徴や大きさ、謎、銀河系との関係について紹介【歴史年表付き】
生命は存在する?太陽系外惑星とは?特徴や探査の歴史などを詳しく紹介

太陽系の惑星は全部で8種類

太陽系の惑星

太陽系は太陽を中心として、太陽の重力によってその周囲を公転している8つの惑星、5つの準惑星、惑星と準惑星の周囲を公転する衛星から成ります。

太陽系の惑星は太陽に近い順から

  • 水星
  • 金星
  • 地球
  • 火星
  • 木星
  • 土星
  • 天王星
  • 海王星

となっています。それぞれを簡単に解説していきたいと思います。

水星

水星

水星の概要

大きさ直径2.44×10³km(地球の約0.4倍)
重さ3.3×10²³kg
太陽からの平均距離0.387au ※au=1.5×10⁸km
自転周期175.8日
公転速度47.36km/s
公転周期88日
軌道半径5.8×10⁷km
衛星の数なし
英語Mercury

水星の特徴

水星は太陽系の惑星の中で最も小さく、木星の周囲を回っている衛星のガニメデよりも小さいです。水星の表面は月によく似ていて、クレーターが多数見られます。大気がほとんどないため、隕石がきた場合、そのまま地上に到達するのでクレーターを形成しやすいという特徴があります。

水星は太陽に近いため、日中は観察するのが難しく、夜は太陽と共に沈んでしまいます。そのため地球から水星を観察するときは、日の出の時間帯もしくは日没の時間帯がベストです。

水星の探索は昔から行われており、1973年にはマリナー10号が水星を観測し、水星の表面の様子や温度、磁場の様子などをデータとして持ち帰りました。2004年にはメッセンジャーが打ち上げられ、2011年に水星の軌道に入り、そこで初めて水星の表面を全体的に観測し、揮発性の物質が多く存在することが明らかになりました。

金星

金星

金星の概要

大きさ直径6.05×10³km(地球の約0.95倍)
重さ4.87×10²⁴kg
太陽からの平均距離0.723au ※au=1.5×10⁸km
自転周期243.0日
公転速度35.0km/s
公転周期224日
軌道半径1.08×10⁹km
衛星の数なし
英語Venus

金星の特徴

金星は地球の隣にある惑星で、地球と構造がよく似ており、直径は地球の0.95倍、質量は0.82倍です。金星の大気はほぼ二酸化炭素で出来ていて、気圧は92気圧(地球での海底920m地点の水圧と同等)ととても高くなっています。

二酸化炭素による温室効果で気温も高く、平均気温は450度前後にもなり、太陽に近い水星よりも高くなっています。その上、地表では100m/sの風が吹いており、空は硫酸でできた雲で覆われているため太陽の光は地上に届かないという環境になっています。また、金星は惑星の中で唯一自転の方向が反対方向です。

金星探査は1961年のベネラ1号から始まり、マリナー2号、ベガ1号、2号、マゼランなど多数打ち上げられています。2005年に打ち上げられたビーナスエクスプレスは翌年金星の軌道に入り、現在も金星の観測を行っています。

地球

地球

地球の概要

大きさ直径6.37×10³km
重さ5.92×10²⁴kg
太陽からの平均距離1au ※au=1.5×10⁸km
自転周期23時間56分
公転速度29.78km/s
公転周期365.256日
軌道半径1.5×10⁸km
衛星の数1(月)
英語the Earth

地球の特徴

地球は太陽系で唯一生物が存在する惑星です。今までに160以上の衛星も観測されていますが、その中でも生物が確認されているのは地球だけです。なぜ生物が住めるようになったかというと、大気の組成と豊富な水の存在が生物が生きるのに適した環境だったからです。

地球は自転の際に約23度傾いているため、同じ地点でもいろいろな環境、つまり季節が味わえます。日本では四季がありますが、地域によっては白夜や極夜など一日中、昼や夜というような環境の所もあります。

また、月は地球の衛星に含まれます。太陽系の惑星のほとんどに衛星が存在しますが、惑星に対する衛星の大きさを比較すると月は直径が地球の4分の1、質量が80分の1とどの衛星よりも比率が高くなっています。月の次に比率が大きい衛星は海王星のトリトンで質量が海王星の800分の1となっています。

火星

火星

火星の概要

大きさ直径3.39×10³km(地球の約0.53倍)
重さ6.4×10²³kg
太陽からの平均距離1.52au ※au=1.5×10⁸km
自転周期24.66日
公転速度24.07km/s
公転周期687日
軌道半径2.28×10⁹km
衛星の数2(フォボス、ダイモス)
英語Mars

火星の特徴

火星の性質は地球と似ており、約24時間40分で自転し、自転軸が25度傾いているため四季の変化も見ることができます。地球から火星を観測する場合、赤く見えますが、これは火星の表面が酸化鉄で覆われているからです。

火星の表面にはクレーターや高い山も見られ、オリンポス山は太陽系最大の火山とされています。オリンポス山の標高は27kmで、富士山の約7倍、エベレストの約3倍です。火星の表面には水が流れていた跡があり、地下には氷として水が存在しているのではないかと考えられています。

フォボスとダイモス

火星の大気はほとんど二酸化炭素で構成されており、大気圧は約8hPa前後と地球に比べると非常に低い値となっています。火星には1877年にホールという人物が発見した2つの衛星があり、どちらも火星から非常に近いところに位置しています。

木星

木星

木星の概要

大きさ直径6.99×10⁴km(地球の約11.2倍)
重さ1.899×10²⁷kg
太陽からの平均距離5.2au ※au=1.5×10⁸km
自転周期9時間55分
公転速度13km/s
公転周期399日
軌道半径7.9×10⁹km
衛星の数79
英語Jupiter

木星の特徴

木星は太陽系最大の惑星です。しかし、その大半がガスでできているため、比重は割と小さい値となっています。そして、自転速度が約10時間と非常に早いため、横に潰れた楕円形をしています。

木星には大赤斑と呼ばれる台風の右図のような模様があり、これは地球からも観測できます。大きさは地球の約3倍もあり、木星の表面にできる気流や雲によって構成され、地球でいう台風、ハリケーンのようなものだと認識されています。

大赤斑

また、木星には土星と同じく環があることが発見されています。惑星探査機ボイジャー1号によって証明されましたが、土星のようにはっきりしていません。非常に小さな粒子の集まりでできており、木星にある火山が噴火した時にでた物質が由来であると考えられています。

土星

土星

土星の概要

大きさ直径5.82×10⁴km(地球の約9.45倍)
重さ5.69×10²⁶kg
太陽からの平均距離9.55au ※au=1.5×10⁸km
自転周期10時間13分
公転速度9.67km/s
公転周期29年
軌道半径1.4×10⁹km
衛星の数82
英語Saturn

土星の特徴

土星は太陽系で2番目に大きな惑星である一方で、惑星の中で最も密度の小さい惑星となっており、その比重は水よりも小さいです。土星の大気は水素を主成分としており、その中にアンモニアでできた雲が浮かんでいます。

土星の環

大きな環も特徴で、最初に発見したのはガリレオガリレイだとされています。環は小さな岩石や水の集まりで、多数の細い環が幾重にも重なってできています。地球から観測する際、土星の環が消えて見える現象が起こることがありますが、これは土星の環が地球から見てちょうど水平になる時で、約15年に一度訪れるとされています。

土星にも白斑という、木星の大赤斑のような斑点が生じることがありますが、木星のものと比べるとスケールはだいぶ小さくなります。また、どのようなメカニズムで斑点ができるのかは未だ明らかになっていません。

天王星

天王星

天王星の概要

大きさ直径2.5×10⁴km(地球の約4倍)
重さ8.7×10²⁵kg
太陽からの平均距離19.2au ※au=1.5×10⁸km
自転周期17時間14分
公転速度6.8km/s
公転周期84年
軌道半径2.87×10¹⁰km
衛星の数27
英語Uranus

天王星の特徴

天王星は太陽系で3番目に大きな惑星です。1781年にイギリスの天文学者によって偶然発見されました。天王星の大気は水素とヘリウムとメタンから成っており、メタンが赤い光を吸収する性質を有しているため全体が青みがかって見えます。

天王星は公転軸に対して自転軸が約98度傾いており、大昔に巨大な隕石が天王星に衝突したことが原因ではないかとされています。自転軸が傾いているため極付近の方が太陽に近いですが、赤道付近の方が気温が高いことがわかっています(平均気温はマイナス200度)。これは未だに解明されていない現象です。

また、天王星には環がありますが、一般的な望遠鏡では観測することができないほど細いです。環を初めて観測したのは惑星探査機のボイジャー2号で、当時は探査機でしか確認できませんでしたが、現在では最新の宇宙望遠鏡ならば地上からも観測できるようになっています。

海王星

海王星

海王星の概要

大きさ直径2.46×10⁴km(地球の約3.88倍)
重さ1.02×10²⁶kg
太陽からの平均距離30.0au ※au=1.5×10⁸km
自転周期0.67日(16時間6分)
公転速度5.43km/s
公転周期164.8年
軌道半径4.5×10¹⁰km
衛星の数14
英語Neptune

海王星の特徴

海王星は太陽系の中で最も外側に位置する惑星です。海王星は天王星の発見以後に天文力学の計算で発見するに至りました。天王星の外側にさらに惑星がないと天王星の軌道を証明できないことから天文学者が探索し始め、1846年にヨハン・ガレによって発見されたのです。

大気は水素を主成分とするガスから成っていますが、天王星よりも青みがかって見えるのは何の物質が原因かは解明されていません。太陽からは一番遠い惑星のため気温は最も低く、マイナス220度前後です。そして表面付近では400m/sの風が吹いているという過酷な環境です。

大暗斑

大暗斑という木星の大赤斑や土星の白斑のような模様が以前は見られたのですが、現在では消失しています。また、海王星にも環が観測されており、4本あることがわかっています。いずれも非常に細く、途中で途切れているものがほとんどで、円状というよりもむしろ弧状に近い形となっています。

太陽系には5種類の準惑星もある

太陽系の準惑星

5種類の準惑星とは?

太陽系にある準惑星
冥王星2006年までは惑星の仲間であったが、エリス発見後に準惑星の定義ができたため惑星の分類から外れた。
エリス2003年に発見された天体。冥王星と同じくらいの大きさ。軌道は惑星群と比較して45度近く傾いている。
ハウメア2005年に発見され、2008年に準惑星に分類された。冥王星の7割ほどの大きさとされている。
マケマケ2005年に発見され、2006年に冥王星についで準惑星に分類された。語源の詳細は不明。
ケレス1801年に発見された最初の小惑星。準惑星に分類されているが、今現在でも準惑星か小惑星かあいまいなところがある。

惑星と準惑星の違いは?

準惑星は2006年に新しく定められた基準で、定義は太陽の周囲を公転していること、自らの重力で球形をしていること、公転軌道に自分以外の惑星が存在することの3点を満たす天体のことです。惑星との違いは公転軌道に自分以外の複数の天体が存在することです。

定義上で異なるのはその一点のみで、この決まりにより冥王星は惑星から外されたのですが、他にも大きな違いがあります。冥王星は他の惑星よりも軌道が細長く、軌道面も傾いているため、明らかに他の惑星と動きが違うことです。

太陽系外縁天体とは?個数や特徴、種類をわかりやすく解説

冥王星

冥王星

冥王星の概要

大きさ直径2.27×10³km(地球の約0.18倍)
重さ1.3×10²²kg
太陽からの平均距離40au ※au=1.5×10⁸km
自転周期6日
公転速度不明
公転周期247.7年
軌道半径5.9×10⁹km
衛星の数5
英語Pluto

冥王星の特徴

冥王星は2006年に準惑星に分類されるまでは惑星の仲間で、学校でも太陽系の惑星は9つあると教えられていました。冥王星が見つかったのは1930年で、天王星と海王星の軌道が天文力学の観点から合わず、さらなる天体があるのではないかと探索された結果、発見されました。

大きさは月の約3分の2で岩石質の天体であると考えられています。ハッブル宇宙望遠鏡でも表面の様子をとらえられませんでしたが、2015年にアメリカの探査機ニューホライズンズが冥王星に接近することに成功し、表面の地形が複雑な形を成していることを観測しました。

冥王星の軌道は惑星とは非常に異なっており、時には海王星よりも太陽に近づくこともあります。軌道が不規則なため、冥王星の大気は太陽との距離によって組成や状態が変化します。

太陽系の惑星って何でできているの?

  • 水星:岩石惑星・磁場あり・大気なし
  • 金星:岩石惑星・磁場なし・二酸化炭素
  • 地球:岩石惑星・磁場あり・窒素、酸素
  • 火星:岩石惑星・磁場なし・二酸化炭素
  • 木星:巨大ガス惑星・磁場あり
  • 土星:巨大ガス惑星・磁場あり
  • 天王星:巨大氷惑星・磁場あり・水素、ヘリウム
  • 海王星:巨大氷惑星・磁場あり・水素、ヘリウム

岩石惑星とは

直径が小さく、密度が高い。中心部には鉄、ニッケルでできた核があり、その周囲をマントル(ケイ酸塩)、さらに外側を地殻(ケイ酸塩)が覆っている。

巨大ガス惑星とは

直径は大きいが、密度は小さい。水素やヘリウムが主成分。中心部は岩石や水でできた核がある。中心部に近いところの水素やヘリウムは固体や液体状になっている。

巨大氷惑星とは

水素とヘリウムが主成分だが、巨大ガス惑星と比較してメタンの割合が多い。水、メタン、アンモニアから成るマントルが存在すると考えられている。

太陽系の惑星に生命体はいるの?

太陽系の惑星に生命体は現在まで確認されていません。特に知的生命体がいることはほぼあり得ないとされています。微生物のような原始的生命体の存在を探索していますが、今の所は見つかっていません。

生命が存在するための条件として、活動の源となるエネルギーの存在、体を構成する有機物の存在、水の存在が挙げられます。火星には過去にこの3つの条件が揃っていた可能性がありますが、現在では水の存在が確認できません。

惑星以外でも生命体は見つかっていませんが、土星の衛星タイタンやエンケラドスに生命体が生息できるような環境が整っているということで調査が進められています。

タイタンは太陽系で唯一表面に恒常的に液体が存在します。有機化合物の存在も認められているので、生命体の存在条件は揃っています。エンケラドスは表面を氷で覆われていて、中心部の岩石にはエネルギーがあると考えられ、有機物の存在も確認されているため、こちらも生命が生きるための環境が整っているのです。

太陽系の惑星に関するまとめ

太陽系は私たちにとって最も身近な宇宙であるため、研究が大いに進んでいますが、まだまだ未知の部分がたくさんあります。地球以外の天体で生命体が確認されていないのは残念ですが、新しい生命体の見つかる日が待ち遠しいですよね。

今回は簡単に太陽系の惑星や準惑星について解説してきましたが、まだまだ説明が足りません。この記事を読んでいただき、太陽系や宇宙について知るきっかけとなり、さらに深く調べてみたいと思っていただけると幸いです。

この記事もおすすめ








16 COMMENTS

京藤 一葉(サブ)

> 匿名様

ご指摘ありがとうございます。
確認し、修正いたしました。

返信する

コメントを残す