「インダス文明って何?どんな特徴があるの?」
「そもそもどこで、どのように栄えて興ったの?」
「インダス文明の歴史や遺跡について教えて欲しい!」
このようなことを思っている方も多いでしょう。世界の大きな古代文明として「メソポタミア文明」、「エジプト文明」、「黄河文明」、そして「インダス文明」の4つが挙げられています。
その中でもインダス文明は非常に高度な技術と生活水準の高い都市を持っていました。しかしインダス文明は突然消滅してしまいます。
原因を究明するため、これまで多くの学者たちが調査・研究してきましたが、いまだ原因は判明していません。インダス文明で用いられていたインダス文字が解読できていないことも、謎を深める要因の一つかもしれません。
この記事ではインダス文明の歴史や言語、宗教、身分制度などについて解説したあと、謎の多いインダス文明の秘密に迫っていきます。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
インダス文明とは
インダス文明の概要や特徴を簡単に解説
文明の名称 | インダス文明 |
---|---|
年月 | 紀元前2600年から紀元前1800年まで |
場所 | インド・パキスタン・アフガニスタンのインダス川、及びガッガル・ハークラー川周辺 |
文字 | インダス文字 |
人種 | ドラヴィダ人 |
インダス文明は紀元前2500年頃から紀元前1800年頃までにインダス川流域を中心に栄えた古代インドの文明です。インダス文明では他の文明に比べ、計画的な都市建設により排水溝や倉庫などの生活水準の高い都市が作られていました。
インダス文明ではモヘンジョ=ダロやハラッパーなどの有名な都市遺跡が建設されたほか、独自の言語や印章に代表される文化なども根付いていたと考えられています。
また身分制度も確立され、宗教的・政治的な面からも、非常に近代的な文明であったともいわれているのです。
さらに文明間での交流もあったとされており、特に距離の近いメソポタミア文明は重要な交易相手でした。この交流によってメソポタミアの宗教や文化がインダスに伝わり、逆にインダスの郷土品や技術はメソポタミアに伝わりました。
そもそも文明とはなにか
ではそもそも文明とはなんなのでしょうか。
考古学者ゴードン・チャイルド(1892ー1957)によると、以下の9つの指標が文明と呼ぶ上で重要なポイントだと挙げています。
- 効率的な食糧生産
- 大きな人口
- 職業と階級の分化
- 都市
- 治金術
- 文字
- 記念碑的公共建造物
- 合理科学の発達
- 支配的な芸術様式
この指標を満たしていれば、文明と呼んでも差し支えないでしょう。しかしこれら全てを満たさないといけないわけではありません。南アメリカで興ったアンデス文明やマヤ文明などは文字や治金術を持ちませんでした。
文明は時期や時代により、その姿をゆるやかに変えています。古代文明が人類の生活の基盤を作り、その子孫たちが更なる利便性を求め文明の9の指標を発展させていきました。
インダス川流域はどんな場所だったのか
インダス川はチベットから始まり、中流域をパンジャーブ地方、下流域をシンド地方と言います。パンジャーブ地方にはハラッパー遺跡、シンド地方にはモヘンジョ・ダロ遺跡があることで知られています。
パンジャーブには5本の川の意味があり、全ての川はインダス川に合流しています。川に囲まれているため、土地が肥沃で農業に適していたこと、また、東西の文化の交流点だったことから、古くから人が住み、文明が発展したのでしょう。
パンジャーブ地方はシンド地方とともに、インドの歴史が始まった土地ですが、現在はそのほとんどがパキスタンになっています。
現在もインダス川はパキスタンの農業だけでなく重工業も支え、飲料水も供給しているのです。
インダス文明の特徴
解読が待ち遠しい!謎めいた『インダス文字』
インダス文明には独自の文字文化がありました。これらは「インダス文字」といわれ、印章などに使用されました。しかしインダス文字は現在も解読されておらず、いまだ謎の多い文字の一つです。
インダス文字が未解読の理由として、現在出土しているインダス文字のテキスト自体が少ないことや、他の言語との比較対象がないことが挙げられます。現在AIによる解析が進められていますが、現時点では解析の目途が立っていない状況です。
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