明石元二郎の関連作品
おすすめ書籍・本・漫画
明石元二郎
明石元二郎について書かれた書籍は数えるほどしかないのですが、その中でも貴重なエピソードが沢山載っているのがこの本です。上下2冊とボリュームもありますが、明石元二郎を知るには一番おすすめです。
最初の出版は1928年と古いのですが、何度か再販されています。しかし残念ながら新刊を書店で見つけるのはかなり難しいです。ただ、古書店には出回っていますし、もしくは国立国会図書館デジタルコレクションに収録されているので、地元の図書館を通じて読むことができます。
明石元二郎大佐
明石元二郎の手記「落花流水」の現代語訳が掲載されています。日露戦争のための史料とはいえ、元二郎がまとめたロシア史は、当時の人が書いたものの中では完璧なものとしての呼び声が高いものです。またロシア国内にいた不平分子についてもかなり詳しく説明されていて、読み物としても面白いです。
文章を読んでいると、文章の構成がわかりやすく、明石元二郎という人が切れ者だったことがよくわかります。
情報戦の敗北
明石元二郎のインテリジェンスを、点ではなく線や面として捉え、太平洋戦争までの情報戦を見つめた本です。今につながる歴史をまとめてあるので、とても興味深い内容でした。
情報を集めるといっても、結局そこには人が介在する訳で、どうしても偏りがあるものにならざるを得ません。さらに、集めてきた情報を元に、意思を決めるのも人です。そこにもどうしてもその人のフィルターがかかってしまいます。要はそれを自覚して私たちは日頃から見聞きし、判断すべきということでしょう。
おすすめの動画
台湾に立つ”謎の鳥居” 〜その背景にある涙の物語〜
明石元二郎の波乱に満ちた生涯をまとめている動画です。コンパクトにまとめてあるので、明石元二郎をほとんど知らない人にもおすすめできます。こんな人が日本人にいたのかと、驚く人も少なくないと思います。
明石元二郎という人は、どんな仕事も適当にやらず、責任を持って取り組む人でした。だからこそ日露戦争でも腹を括ってインテリジェンスを成し遂げることができたのだと思います。逆に台湾の近代化については、在任期間があまりに短すぎてしまったがために、無念の思いが強く、死後は台湾に埋葬するよう遺言したのでしょう。
おすすめの映画
日本海大海戦
1969年公開のこの作品は「東宝8.15シリーズ」と呼ばれる戦争映画の一つです。その中でも日露戦争を描いた異色の映画になりましたが、他のシリーズ作品同様、東郷平八郎を演じた主演の三船敏郎を始め、オールスター・キャストで作られました。
日露戦争を取り上げた作品は他にもありますが、この映画は明石元二郎の扱いが大きいのが特徴的です。明石元二郎役には仲代達矢が抜擢されました。仲代達矢の演技は、得体の知れない雰囲気が醸し出されて、存在感があります。また、円谷英二が特技監督として参加した最後の作品としても知られ、模型特撮が目を惹き、日本映画史上でも欠かせない一作です。
おすすめドラマ
坂の上の雲
歴史小説の大家である司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」を、NHKが2009〜2011年に渡って放送した作品です。明石元二郎を塚本晋也が魅力的に演じていました。第2・3部に登場しています。大作ですが、スタッフ・キャストの熱意がひしひしと伝わってきて、何度でも見返したくなる魅力があるドラマでした。
司馬遼太郎はこの作品で明治という時代の特異性を語っていますが、国に対する純粋な思いがあり、どこか明るいという、司馬遼太郎の言う「明治人気質」を元二郎も備えています。同時代人と元二郎を横並びで比較してみると、元二郎は確かに変わった人ではありましたが、明治時代には受け皿がある「変人」だったと感じます。
ポーツマスの旗
1981年にNHK連続ドラマとして放送された本作は、吉村昭の同名小説を元に作られています。石坂浩二演じる外務大臣小村寿太郎を主人公にしていて、情報の価値に重きを置くというストーリー上、明石元二郎の業績も大きく取り上げられています。
明石元二郎役には原田芳雄がクレジットされていますが、髪が長くてソバージュをかけたようなヘアスタイルで、初めて見たときには度肝を抜かれました。軍人としてはあり得ない髪型ではありますが、原田芳雄の迫真の演技が全てを成り立たせていた気がします。残念ながらDVD化されていませんが、たまにNHKーBSで再放送をしています。
関連外部リンク
- 国立国会図書館
- 防衛研究所WEBサイト / National Institute for Defense Studies, Ministry of Defense
- 外務省史料館
- 公文書に見る日露戦争
- 福岡市の文化財
- 市ヶ谷地区見学(市ヶ谷台ツアー)の御案内
- 坂の上の雲ミュージアム
- 司馬遼太郎記念館
明石元二郎についてのまとめ
明石元二郎という人は、出会いに恵まれた人生だったと感じます。川上操六や児玉源太郎とは上司と部下という関係性を超えて、お互いの人間性に全幅の信頼を置いていたように思います。明石工作の協力者であったフィンランドのシリヤスクも、利害関係を超えた深い友情で結ばれていたらしいエピソードが残っています。
諜報員として優秀だったことは事実です。しかしそれ以上に、人間的魅力に溢れた人であり、とてもウエットな感情の持ち主でもあった気がします。きっとその振り幅の大きさに周囲の人は魅了され、腹を割って話したくなる相手に見えたのでしょう。
明石元二郎は、日本史上で重要な役割をした人物であり、日本人として知っていて欲しい人です。しかしそれだけではなく、歴史という枠を超えて、素敵な生き方をした一人の男の話としても、ぜひ読んで欲しいと思います。
明石元二郎さんの貴重な論文ありがとうございます。不安定な国際情勢の中 情報オンチである今の日本にとって非常に大切なことが書かれていました。フェイスブックとツイッターにシェアせていただきました。いっそうのご活躍とご研鑽、ご健康とご多幸をお祈り致します。
倉岡
明石元二郎さんの貴重な論文ありがとうございます。不安定な国際情勢の中 情報オンチである今の日本にとって非常に大切なことが書かれていました。フェイスブックとツイッターにシェアせていただきました。今に日本に必要なこと。