足利義昭とはどんな人?生涯・年表まとめ【信長や光秀との関係、子孫も紹介】

足利義昭の関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

将軍足利義昭ー信長を一番殺したかった男ー

足利義昭の生涯を凝縮して一冊にまとめて描いています。絵が可愛いので、日本史が苦手な人にもとっつきやすい作品です。漫画ではありますが、地図や写真も活用しながら説明されているので、勉強にもなります。特に義昭が将軍になった前後の行動は、あちこちへ行くため頭の中だけでは理解し辛く、地図で書かれるととてもわかりやすいです。

足利義昭をメインで扱う作品は意外と少ないので、そういう意味でも稀少であり、足利義昭についてのよく知らないという初心者にもぜひおすすめします。

信長と将軍義昭

織田信長と足利義昭の関係について、従来までは義昭は、信長による傀儡政権というイメージがついて回っていたように思います。しかし実際には、義昭は信長包囲網を形成しようとするなど、自分の意思で行動していることも多く、義昭はよくドラマなどで描かれるような単なる愚かな将軍ではなさそうです。

この本を読むと、それについての歴史的な説明が書かれていて納得できます。義昭が使えない将軍だというイメージを持っている人にこそ読んで欲しいです。また、織田信長を知る上でも足利義昭への理解は欠かせないこともよくわかります。

松本清張ジャンル別作品集ー武将列伝ー

ここに含まれている「陰謀将軍」という短編が足利義昭について描かれたものです。推理小説で知られる作家の松本清張によるもので、あとがきに著者自身が義昭好きであることを書いています。義昭の心情を丁寧に推測し、歴史的事実にきちんと沿う形で描いているので違和感がなく、逆に足利義昭という人間に興味を持たせてくれる、魅力的な短編です。

本当に義昭がこんな思いで行動していたのかどうかはわかりませんが、彼を理解するとっかかりの一つになると思います。短いので、手軽に手に取って読める点もおすすめです。

おすすめの動画

【漫画】足利義昭の生涯を簡単解説!【日本史マンガ動画】

足利義昭の生涯を、マンガを使って15分でわかりやすくまとめています。実際にこんな会話であったかどうかは別としても、足利義昭をよく知らない人にも理解しやすいように、ポイントを押さえている解説です。短い動画なので、これを見てから内容の濃い本などに手を出すのも良いですね。

特別展:室町将軍ー戦乱と美の足利十五代ー

2019年に九州国立博物館で開催された、室町将軍にスポットを当てた展覧会です。足利義昭の書状や、洛中洛外図屏風も展示されていました。

何より、等持院に並んでいる歴代の足利将軍坐像が勢揃いしているのが圧巻です。等持院でも見られますが、場内があまり明るくないため、ここまではっきり一つ一つを見るのは難しいです。そういった意味でも貴重な映像です。

「麒麟がくる」第28回「新しき幕府」

戦国時代を専門にしている小和田哲男教授が、大河ドラマ「麒麟がくる」の史料的解説をしています。ドラマを見るだけではなく、実際に史料ではどう書かれているのか、その歴史的背景と共に説明されているので、深い理解が得られます。

おすすめのアニメ

信長の忍びー伊勢・金ヶ崎編ー

重野なおきの原作は4コママンガで、今もヤングアニマルに連載中です。アニメも原作に忠実でショートストーリーが続いていきます。短い分テンポがよく、デフォルメされたキャラクターたちのギャグ要素も敷居を低くしてくれており、誰にでも見やすい歴史アニメです。

主人公は伊賀の忍びである千鳥で、信長に仕えています。足利義昭も若干鬱陶しいキャラクターで登場します。話の流れは史実に沿っていて、通史の勉強にもなる作品です。

信長協奏曲

石井あゆみの原作漫画は第57回小学館漫画賞少年向け部門を受賞しています。そしてこの作品は2014年、フジテレビ開局55周年プロジェクトでアニメ・実写ドラマ・映画に展開されました。実写ドラマ・映画は話数が少ないので設定の違うところもありますが、アニメは笑えるシーンも多く、原作の雰囲気を忠実に再現しています。

主人公は現代を生きる高校生サブローです。偶然タイムスリップした戦国時代に出会った織田信長が、自分とそっくりな容貌をしていたことがきっかけで織田信長の代わりに戦国時代を生き抜いていくストーリーです。足利義昭は歴史上の設定のまま登場します。

おすすめドラマ

麒麟がくる

NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

2020年度のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は明智光秀が主人公ですが、足利義昭役には滝藤賢一が好演していますね。純粋に民の安寧を願っていて、将軍という立場もそれを叶えるためと考えており、織田信長とは理想とする社会が違うことを鮮明に伝えてくれています。

これまでの戦国時代を描く大河ドラマでも足利義昭は登場することは多々ありましたが、今回は戦国大名の中でも特に義昭と関わりが深い明智光秀が主人公なので、これまで以上に義昭の登場も多くなることでしょう。

功名が辻

2006年NHK大河ドラマ「功名が辻」で描かれたのは山内一豊と妻の千代の物語です。この中では足利義昭を三谷幸喜が演じていました。三谷幸喜自身、もともと足利義昭が好きだったということで、なんとも憎めないキャラクターになっていて話題になりました。

また、明智光秀を坂東三津五郎が生真面目に苦悩する様子を見事に演じていたので、その二人の関係性がとても良かったです。

軍師官兵衛

2014年NHK大河ドラマは黒田官兵衛(如水)について描かれましたが、ここでは吹越満が足利義昭を演じていました。吹越版の義昭はかなりコミカルで、重々しい雰囲気のドラマの中で肩の力を抜かせてくれるような、楽しい場面になっていました。

義昭の、足利将軍家というプライドを保ちたいがために選ぶ行動が、客観的に見るとなんとも可笑しく、だんだんと可哀想な人という印象にもなりました。義昭は本当にこんな人だったのではないか?と思ってしまうような、魅力的な義昭像を見せてくれました。

関連外部リンク

足利義昭についてのまとめ

足利義昭という人は、日本史を俯瞰で見た時に、大きな功績を残した人だと痛感します。義昭の行動が、平和な時代を迎えるための歴史の流れを加速させたからです。

確かに、天下をまとめあげたのは織田信長であり豊臣秀吉でした。歴史上異例とも言える長く平和な江戸時代を迎えることができたのは、徳川家康の入念な仕込みがあったからです。しかし、結果的にではありますが、彼らを歴史の表舞台へ引っ張り上げたのは足利義昭でした。彼がいなかったら、信長はもうしばらく中部地方の一大名に過ぎなかったかもしれないのです。

武功をあげれば出世できる戦国時代は、上昇志向の人間には魅力的な時代だったでしょうが、普通に暮らしたい庶民にとって、応仁の乱以降戦が続いていたことは迷惑でしかなかったはずです。早く戦がない世の中がきて欲しいと願っていたでしょう。

そんな庶民を救ったのは足利義昭でした。室町幕府最後の将軍にふさわしい仕事を成し遂げた人物だと思います。

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