「マルクスってどんな人?」
「マルクス主義ってなに?簡単に教えてほしい!」
「マルクスの『資本論』ってなに?」
この記事を読んでいるあなたは、このようなことを思っているのではないでしょうか。マルクスとは、共産主義の父と言われる思想家です。世界の歴史に影響を与えた人物ランキングの27位にランクインしており、こと20世紀に与えた影響で言えばトップ10にも食い込むほどの人物と言えます。
マルクス主義やマルクス経済学、という名前で知っている方も多いかもしれません。
マルクスは数々の著書を出版していますが、中でも有名なのが『資本論』です。この本は資本主義の詳細を明らかにし、問題点を指摘しています。経済だけでなく、革命思想も交えているこの本は特に社会主義者に読まれ、共産主義国成立のきっかけともなりました。
今回はマルクス経済学に興味を持ち、調べていく内にマルクスの思想が気になり数々のマルクス本を読み漁った筆者がマルクスという人物について解説します。マルクスの人生や思想、資本論の内容はもちろん人間味あふれるエピソードもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
マルクスとはどんな人物か
名前 | カール・マルクス |
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誕生日 | 1818年5月5日 |
没日 | 1883年3月14日 |
生地 | プロイセン王国トリーア |
没地 | イギリス・ロンドン |
配偶者 | イェニー・フォン ・ヴェストファーレン |
政党 | イギリス・ロンドンのハイゲイト墓地 |
マルクスの生涯をハイライト
マルクスは1818年にプロイセン王国(今のドイツ)の弁護士の家に生まれました。幼い頃から頭が良く、将来を期待されていたそうです。そんな彼が哲学に興味をもったのは法律を学ぶために入った大学でした。
法律よりも哲学に興味をもったマルクスは卒業後、弁護士ではなくジャーナリストとなり政治的な問題を批判し続けます。結果、マルクスは国を追い出されて亡命を余儀なくされました。パリへ移ったマルクスは、そこで生涯の友となるエンゲルと出会います。
二人は『共産党宣言』や『ドイツ・イデオロギー』などを出版。さらに共産主義同盟という秘密結社を結成し、革命を起こすべく行動します。しかし、やはりパリでもこの活動は良く思われず、マルクスは再び亡命し、ロンドンへと移りました。
マルクスはここでも政治記事の執筆を行い、変わらず活動しようとします。しかし、革命への機運が下火となっており、組織的な活動は停滞せざるを得なかったようです。有名な『資本論』はこの地で書き上げられ、後の政治家や思想家に影響を与えることとなります。
1860年代になると不況から失業者が増え、労働運動が活発になりました。これをきっかけに第一インターナショナル(国際労働者協会)が発足。第一インターナショナルとは、資本家に対抗するために組織された労働者の国際組織です。今で言う労働者組合のようなものですが、同時に社会主義運動について会議をする場でもありました。
マルクスはインターナショナルで「ドイツの労働者代表」として参加し、組織の規約作りを行いました。
第一インターナショナル内では勢力争いがあり、当初はマルクスが優勢でしたが徐々に勢いは衰えていき、最終的には解散してしまいます。以降、目立った活動はなく病死した長女ジェニーの後を追うように、1883年3月にこの世を去りました。