マルクスとはどんな人?生涯・年表まとめ【資本論や経済学についても紹介】

功績2「経済学に新しい視点を与えたマルクス経済学」

資本主義が当たり前になっていた世の中に「それは本当に良いものか」と石を投じた

マルクス経済学とは、『資本論』で展開された理論を元に生まれた経済学の分野です。

上述しましたが、マルクスは資本論で現在の資本主義がどのような仕組みで成り立っているかを分析し、資本主義経済の問題点を指摘しました。

資本主義社会では、労働者は工場でひたすら商品を作るだけの虚しい活動を強いられます。

本来、労働とは自分の力を発揮し高める自己成長の場で楽しいもののはずですが、会社を運営するための歯車的存在になってしまうと労働はただ苦しいものになってしまいます。このようにマルクスは予言し、続けていずれ資本主義は成り立たなくなると言いました。

そのため、恐慌などが起こったり経済が停滞したりするとたびたびマルクスの理論が話題に上がります。

功績3「共産主義同盟を結成したマルクス 」

『共産党宣言』

唯物史観の確立により、自分の理論に自信を持ったマルクスは共産主義実現のために革命活動を開始しました。

その活動の一つが共産主義同盟の結成です。マルクスは同盟の主義主張・行動方針をまとめることになり『共産党宣言』を執筆。労働者による革命の必然性と意義を説き、最後は有名な

万国のプロレタリアよ、団結せよ

で締めくくられます。プロレタリアとは労働者という意味です。この書は後に国際労働者協会の規約にもなりました。また、後継の国際社会主義者大会は今日当たり前となっている一日八時間労働を世界各地に広めています。

今、私たちが体を壊すまで働かずに済んでいるのは、マルクスのおかげとも言えます。

マルクスの名言

マルクスの名言は彼自身の思想を表しているものが多い

「豊かな人間とは、自身が富であるような人間のことであって富を持つ人間のことではない」

誰かの役に立てる人間こそ、本当に豊かな人間であるという意味です。

「すべてを疑え」

マルクスが当時、資本主義が当たり前だった世の中に一石を投じることができたのは、まさにすべてを疑っていたからでしょう。当たり前のものこそ、疑うべきなのかもしれません。

「学問には平坦な大道はありません。そして学問の険しい坂道をよじ登る労苦をいとわない者だけに、その明るい頂上にたどり着く見込みがあるのです」

マルクスは経済学を10年以上勉強して『資本論』を書き上げました。新たな発見は、地道な積み重ねの成果からできています。

マルクスの人間関係

盟友エンゲルス

フリードリヒ・エンゲルス

マルクスにとってエンゲルスは思想を分かち合い、同じ場所を目指す盟友でした。

『共産党宣言』など二人は共同で執筆することも多く、密接に意見交換をしています。意見を交わすだけでなく、亡命者だったために金銭面で苦労するマルクスに資金を送り続けました。また、マルクスの死後には彼の著作を管理し、出版した人物でもあります。

マルクスがその思想を現代まで広められたのは、エンゲルスの助けが大きいと言えます。

愛妻イェニー

イェニー・フォン・ヴェストファーレン

マルクスは妻のイェニーを溺愛していました。

イェニーは貴族出身で、マルクスはそのことを誇りにしていました。経済的に困窮していたときも、貴族のイェニーみすぼらしい格好はさせられないと彼女の衣服にはお金を使っていたほどです。

二人の夫婦関係は最後まで良好で、国を渡ることになっても貧困に喘ぐことになってもイェニーはマルクスを支え続けました。まさに、病めるときも健やかなるときも二人は互いを支え合ったのです。とても素敵な関係ですね。

マルクスにまつわる都市伝説・武勇伝

都市伝説・武勇伝1「長年仕えたメイドをはらませたがエンゲルスの子だと思わせていた」

エンゲルスはマルクスの娘からひどい人だと思われていた

20世紀の世界に大きな影響を与えた偉人マルクス。さぞや立派な人なのだろうと思われますが、実は人間味あふれる人物でダメなところもありました。その一つに、長年家に仕えていたメイドとの浮気があります。

マルクス家には妻イェニーに幼い頃から仕えていたメイドがおり、ある日子供をもうけます。当時は父親がはっきりしなかったのですが、エンゲルス家の女中の手紙からマルクスの娘たちはその子供をエンゲルスの子供だと認識していました。

さらに、娘たちはエンゲルスがその子供を自分の子と認めないことに腹を立てていました。娘たちのマルクスへの信頼は厚く、エンゲルスは死の直前にメイドの子の父親はマルクスだと明かしますが認めてもらえませんでした。

都市伝説・武勇伝2「読書家だったが文字が下手で計算ミスが多かった」

読むのにコツがいるほど汚く、エンゲルスは弟子にマルクスの文字の読み方を教えている

マルクスは熱心な読書家でしたが、文字が下手で計算ミスの多い、ある意味おおらかな人物でした。特にマルクスの悪筆は相当なもので、彼の書いたものを読めたのは親しい仲にあったエンゲルスだけだったようです。

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