ウィンストン・チャーチル首相とはどんな人?名言や名演説も紹介

1939年 – 64歳「第二次世界大戦の時に海軍大臣となる」

多くの犠牲を出した第二次世界大戦が勃発した

1939年に第二次世界大戦が勃発すると、対独強硬派だったチャーチルが海軍大臣に任命されています。チェンバレン首相はドイツとの早期講和を目指し経済面から圧力をかけようとしましたが、チャーチルは徹底抗戦の構えでした。この時は官僚に「やつは100年でも戦うつもりだ」と批判されています。

当初は互角に戦っていたイギリス海軍でしたが、多くの戦場でドイツ軍への敗退が続き一時はチャーチルも更迭を覚悟したといいます。しかし批判はチャーチルではなく、チェンバレン首相に向いたためにチェンバレン首相は総辞職しました。チェンバレン首相の総辞職により、玉突き人事でチャーチルが首相となることとなったのです。

1940年 – 65歳「大英帝国の首相となる」

イギリス全土に空襲を行うドイツ軍戦闘機

1940年に国王ジョージ6世より任命を受け、首相となり内閣を発足させました。1940年代もドイツが得意とした“戦車や車両”が猛スピードで突進してくる“電撃戦”によりイギリスは敗戦を重ねています。当時イギリス軍は第一次世界大戦の時のような歩兵戦のスタイルだったためです。

いよいよ戦況が厳しくなったときに、イギリスは完全に孤立し危機に立たされました。しかし演説で民衆を力づけ、イギリスは粘り強く応戦。“バトル・オブ・ブリテン”というイギリスへの空襲が開始されますが、イギリス空軍は果敢に応戦しドイツから制空権を守り抜きました。この頃の演説でチャーチルは演説時に“Vサイン”をし、チャーチルのトレードマークの1つとなりました。

1945年 – 70歳「ドイツが降伏しイギリスが戦勝国となる」

バルコニーでVサインをするチャーチル

1945年5月8日にドイツが無条件降伏をし、ヨーロッパ戦争は終結しました。この日は“V‐Eデー”といわれています。この時チャーチルはバッキンガム宮殿のバルコニーに立ち、「これは諸君の勝利である」と宣言し、皆で愛国家“ブリタニアよ、支配せよ”を熱唱したといいます。

1953年 – 78歳「ノーベル文学賞を受賞」

ガーター勲章という名誉ある勲章を授与された

1948年から1年に1冊ずつ“第二次世界大戦”を著し、“ノーベル文学賞”を1953年に受賞しています。陸空海軍将官や歴史学者なども総動員して著した大作でした。この本はベストセラーとなり、莫大な冨を築いたといいます。この年にエリザベス2世から、ガーター勲章を受勲しています。

しかし政治の方は、1950年に再度首相になるものの心臓発作を繰り返すようになっており、徐々に表舞台から離れていきました。1960年代には酷く老衰し、言葉の意味もよくわからなくなっていたといいます。

1965年 – 90歳「脳卒中により死去」

チャーチルの墓

晩年はチャーチルの誕生日には、屋敷の周りに人々が集まると屋敷の窓からVサインしていたといいます。そして1965年の1月の脳卒中を発症。一命は取り留めますが、左半身麻痺の後遺症を負います。そして2週間後に家族に看取られながら死去しました。最後の言葉はなかったといいます。享年90歳でした。

チャーチルの関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫)

ノーベル文学賞を受賞したチャーチルの著書です。人生の中で多くの失敗もしたチャーチルですが、失敗があるからこそ成し遂げたのかもしれない偉業と、観察眼が垣間見える1冊です。

【24年11月最新】チャーチルをよく知れるおすすめ本・書籍ランキングTOP7

おすすめの映画

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

2017年のイギリス映画で、アカデミー賞を2部門受賞した作品です。この映画でチャーチルに興味を持ったという人も多かったっといいます。イギリス国民に今でも絶大な人気を誇るチャーチルの人間ドラマを描いた名作です。歴史に興味が余りない人でも楽しめる一作です。

関連外部リンク

チャーチルについてのまとめ

いかがでしたでしょうか?筆者はチャーチルというと“英国紳士の典型”みたいなイメージを勝手に持っていましたが、その実はかなり性格に癖のある、失敗も多くした人物だったと知って、その人物が英雄になったということで人生何があるかわからないものだなと感じています。

名言の中でチャーチルも“諦めない”というスタンスで何事も挑み、その結果がイギリスの勝利と文学賞だったのかもしれません。そしてイギリスで最も偉大な人といわれるようになったのです。晩年に活躍したチャーチルは、今からでも遅くないというメッセージになるような気がしてなりません。この記事を読んでそんなチャーチルを少しでも知っていただけたら光栄に思っております。

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