庵野秀明とはどんな人?生涯・年表まとめ【エヴァにまつわる逸話や名言も紹介】

庵野秀明が携わったその他の主な作品

  • 風の谷のナウシカ
  • 王立宇宙軍 オネアミスの翼
  • トップをねらえ!
  • ラブ&ポップ
  • 彼氏彼女の事情
  • 巨神兵東京に現わる
  • シン・ウルトラマン など

庵野秀明の功績

功績1「新世紀エヴァンゲリオンが社会現象化」

主題歌「残酷な天使のテーゼ」を歌う高橋洋子

庵野秀明の代表作「新世紀エヴァンゲリオン」は、1990年代を代表するアニメーションとして社会現象となりました。その人気は20年以上経っても続いており、ファン層は当時の直撃世代から現代の若者まで幅広くいます。

歴史上において、日本では3度のアニメブームが起きており、「新世紀エヴァンゲリオン」の流行は「鉄腕アトム」「宇宙戦艦ヤマト」に続く3度目にあたります。この現象は、第3次アニメ革命と呼ばれることもあり、現代に続く様々な作品に影響を及ぼしました。

また、主題歌である「残酷な天使のテーゼ」は、カラオケのランキングでは長きにわたって上位に入り続けており、根強い人気を誇っています。そして、この曲は地上波の音楽番組でも度々取り扱われており、2020年に行われたアニメソング総選挙では、「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」を抜いて第1位に輝いたのです。

功績2「深夜アニメブームの火付け役となる」

昔は深夜アニメが少なかった

庵野秀明が描く重厚な世界観は、それまでのアニメ界がターゲットとしてきた子供だけでなく、大人にも注目された結果、深夜アニメブームの火付け役となりました。深夜アニメは、今でこそ当たり前の存在となっていますが、それまでの時代において深夜帯でのアニメ放送は主流ではなかったのです。

当時、「新世紀エヴァンゲリオン」が口コミで話題となった結果、深夜の再放送で高視聴率を記録しました。そして、再放送が行われた1997年以降は、毎年多くの深夜アニメが放送されるようになったのです。

また、「新世紀エヴァンゲリオン」において描かれる、主人公の不安定な精神世界と作中における現実世界が連動して世界の危機に影響を及ぼすという設定は、「セカイ系」と呼ばれるサブカルチャージャンルを形成しました。その結果、特に深夜帯のアニメにおいて、「セカイ系」に分類されるアニメが多く制作されたのです。

功績3「独立して株式会社カラーを設立」

庵野秀明が独立するまで所属していた株式会社ガイナックス

2006年、庵野秀明は株式会社カラーを設立して独立しました。その後、創立時から長く関わっていた株式会社ガイナックスを退社しています。この株式会社カラーにおいて、「新世紀エヴァンゲリオン」のリビルド作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズや、「シン・ゴジラ」の制作を行っているのです。

彼が独立した理由は、給与体系などの社内システムにおける改善を株式会社ガイナックスに対して何度進言しても受け入れてもらえず、不信感を抱いていたことにありました。その結果、自身の意思で経営を行うために、株式会社カラーを設立したのです。その際に、何名かのスタッフも同時に株式会社カラーへ移籍しました。

また、株式会社カラーが制作している新劇場版シリーズでは、複数の企業に出資してもらう形態である製作委員会方式ではなく、原作者である庵野秀明が自ら出資する自主制作の形式が取られています。この興行形態は、彼が自分の会社を立ち上げたことで可能となった方針なのです。

庵野秀明の名言

パソコン通信にハマる人たちは現実世界に帰れ

この言葉は、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終回における衝撃的な展開が、当時の流行であったパソコン通信上で大きな議論を巻き起こし、制作側にも多くの批判的な意見が寄せられたことに対して、彼が発した台詞です。

また、彼はインターネット上においてチャットや掲示板に投稿された議論や批判的なコメントを「便所の落書き」と表現しました。彼にとって、自分が魂を込めて制作した作品が、様々な善意や悪意の前に晒されるのは耐え難いことだったのかもしれません。

僕のようなアニメや漫画をばかり見てきた世代は、パッと浮かんだことにだいたいいつも元ネタがあり、時に嫌になる

彼はこの言葉を、書籍「庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン」やコミックス版「新世紀エヴァンゲリオン」における所信表明文などの各所で度々言っています。一流のアニメ監督である庵野秀明も、ゼロから創作をすることの難しさに苦しんでいたのです。

彼以前の作品は、アニメを見て育った世代ではない監督や脚本家、漫画家が制作した作品が多くありました。しかし、そのような先駆者たちが制作したアニメや漫画を見て育った庵野秀明は、それらの影響を受けざるを得なかったのです。

実際に、彼が生み出す作品には、過去の名作を知っていると嬉しくなってしまうようなパロディやオマージュを取り入れたシーンが多く見られます。多くのアニメファンにとっては嬉しいことではありますが、本人にとっては悩ましい問題であったようです。

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