岡倉天心はどんな人?生涯・年表まとめ【思想や名言、作品も紹介】

1911年 – 50歳「ハーバード大学から名誉修士号を与えられる」

五浦とボストンを往復する生活を送った
出典:台東区文化探訪アーカイブス

アメリカでの活動を評価される

天心はボストンで講演会や執筆などを精力的に行い、日本美術の紹介に努めました。その努力が認められ、1911年にハーバード大学から名誉修士号を与えられています。当時学長を務めていたローウェル学長は、天心を「東洋美術に精通していながらヨーロッパの文化も受け入れ、そのうえで日本の貴重な伝統を守ろうとしている」と高く評価しました。

1913年 – 52歳「新潟県赤倉で死去」

東京都豊島区にある岡倉天心の墓
出典:ニッポン旅マガジン

腎臓病と心臓病を併発して亡くなる

1913年9月2日、岡倉天心は52歳で亡くなりました。腎臓病や尿毒症、心臓病を併発していたようです。ハーバード大学の名誉修士号を与えられた後、客員教授としての講座の準備が進んでいたときの出来事でした。

新潟県赤倉温泉に構えていた自分の山荘で最期を迎えました。家族や弟子に看取られ、シラカバで作られた棺にはキキョウやオミナエシなど、秋の野花がたくさん載せられたそうです。

岡倉天心の関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

東洋の理想

岡倉天心が1901年にインドで執筆した著作です。有名な「アジアは1つである」という文章から始まるこの本は、仏教や儒教がどのように日本美術と融合し、日本の伝統文化となっていったかが論じられています。日本史や文化史、美術史に関心がある方にはぜひおすすめしたい1冊です。

岡倉天心 その内なる敵

「砂の器」「点と線」などで知られる松本清張が書いた岡倉天心の評伝です。近代日本美術の指導者としての天心ももちろん描かれているのですが、それ以上に彼の人間性に迫っています。天心の功績だけでなく、生身の天心像を知りたい方におすすめです。

岡倉天心『茶の本』を読む

天心の「茶の本」を批評家・若松英輔が新たな視点から読み解いた本です。天心と交流のあったタゴールをはじめ、内村鑑三、九鬼周造などさまざまな思想家の考えにも触れながら読み解いていきます。著者の優しい語り口は、現在の読者には難しく思われがちな「茶の本」を親しみやすくしてくれます。

おすすめの動画

3分でわかる岡倉天心(人から分かる3分美術史100)

岡倉天心について3分間でわかりやすく解説している動画です。画像を交えながら、天心の生涯をシンプルに紹介しています。天心について簡単に知りたい人におすすめです。

美術を身近に親しんで~茨城県天心記念五浦美術館

茨城県の魅力を紹介する動画チャンネル「いばキラTV」の動画です。北茨城市にある茨城県天心記念五浦美術館を訪れた気分になれます。

おすすめの映画

天心

岡倉天心とその弟子たちの苦闘を描いた映画です。竹中直人が天心を、中村獅童が横山大観を演じています。文化勲章を受賞した大観が語る、五浦での過酷な制作の日々と師・天心の生涯の物語です。

おすすめドラマ

脱兎のごとく 岡倉天心

1985年に放映された、松本清張「岡倉天心 その内なる敵」が原作のドラマです。天心を山崎努が、愛人・九鬼波津を名取裕子が演じました。DVDにはなっていませんが、日本映画専門チャンネルなどで再放送があるかもしれません。

関連外部リンク

岡倉天心についてのまとめ

今回は、岡倉天心の生涯や功績、名言などをご紹介してきました。筆者は書いていくなかで、明治という時代に日本や東洋思想の優れた部分に注目し、欧米に伝えた天心は強い自信と勇気のある人物だったのだろうと感じました。現在の私は自分たちの文化に自信をもてるだろうか、と考えています。

天心の日本美術への功績に思いを馳せていただけたら幸いです。

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