リチャード・プリンス
リチャード・プリンス(Richard Prince)は流用(という名のコピー)で有名な現代アーティストの一人です。彼は広告や写真など既存の作品を基に、自身のアートワークを加えるシミュレーショニズム(アプロプリエーション・アート)と呼ばれる手法でシンディ・シャーマンやジェフ・クーンズらと並び、商業的な姿勢に反する前衛的な表現で旋風を巻き起こしています。
プリンスは、著作権と所有権の概念を疑問視し、再定義するために、マスメディアの画像を再利用しています。2005年、彼の「Untitled(Cowboy)」は、オークションで1.2億円以上で販売された史上初の写真になりました。最近では、一般ユーザーの投稿したInstagram画像を引用し、コメントのみ自分で書き換えた作品を販売しています。こちらも1000万円以上で売買されており物議を醸しました。議論と訴訟は、ある意味、プリンスの作品の一部といえます。
キース・へリング
キース・へリング(アメリカ,1958-)は80年代にニューヨークで流行した、ビルや壁をキャンパスとしてペイントする違法行為でもある「ストリートアート」での草分け的な存在だったアーティストです。「サブウェードローイング」という地下鉄の壁に描いたアートで一躍有名となりました。
太い線で極端にデフォルメされた人やアイコンの犬は記号のようにすら見えます。それらのカラフルな色彩に力強い線で描かれた簡略化されたアートが作品の特徴といえます。そして1986年には「php shop(ポップショップ)」というショップをオープン。そこでは自分の作品のtシャツやグッズなどを販売し、これは現在の美術館にあるアートショップの先駆けとなったのです。
ジェームズ・ローゼンクイスト
ジェームズ・ローゼンクイスト(アメリカ,1933-2017)はポップアートを代表する画家で、巨大な絵画や版画作品を描いている作家です。水爆実験やきのこ雲やマスメディア上の通俗的な広告などを集めた「F‐111」という作品を発表。彼の作品はベトナム戦争への批評の呼びかけを引き起こし、高い評価を受けています。
彼は「一切れのパンを、アロハシャツを、映画スターを私は描きました。それはとても面白いことでした。ニューヨークに来る前は システィーナ礼拝堂を描きたかったのです。これが生きた壁画の学校だと思いました。」という言葉を残しています。彼は大衆文化やシュールレアリスム、歴史的絵画手法を生涯追求し、2017年に死去しました。
ダミアン・ハースト
ダミアン・ハースト(イギリス,1965-)は90年代のイギリス・アートシーンに最も貢献した現代アーティストとして知られています。「生と死」「アートとモラル」の関係性を世に問い続けているアーティストで、サメの死骸をホルマリン漬けにした『生者の心における死の物理的不可能性』や、床に置かれた牛の頭部をうじ虫が這い回りハエが育つ『千年』など、ショッキングでバイオレンスな作品が多いのが特徴です。
2007年には35億円の製作費をかけてプラチナで作られた頭蓋骨に8601個ものダイヤモンドを敷き詰めた『神の愛のために』におよそ120億円の値がつき世界でも現存する美術作家の中で最も高額で作品が取引されました。ギャラリーやディーラーを通さずに作品をサザビーズのオークションにかけるという前例のない行動をとったことや、スタジオを株式会社化したりなど、ビジネスとしての成功も納めており、「イギリスで最も稼ぐアーティスト」ともいわれています。
ロバート・インディアナ
ロバート・インディアナ(アメリカ, 1929-)はスウェーデン出身でニューヨーク在住のアーティストです。段ボール・麻袋・新聞紙など身近な製品を利用して、大都市のスピード化を表した作品などが有名です。また、EAT、LOVE、DIEなどの記号のような文字のネオンサインのような作品なども手がけています。
印象的には色彩と色彩をぶつけ合って輪郭をはっきりさせ、標語や標識のような作品となっています。今現在も多くの「LOVE」作品を生み出し続けているアーティストです。
日本人・海外のポップアート有名画家に関するまとめ
今回日本のポップアーティストを中心に、世界のポップアーティストも含めて30名紹介しました。感想は、どのアーティストの作品もそれぞれの世界を作り出していて、次第に引き込まれていく感覚を起こさせてもらいました。
執筆していても感じるオーラーですので、実物はもっと心揺さぶられるものであるのは想像できます。この記事を参考に、少しでもポップアートの魅力と作品を知ってもらえたら嬉しく思います。展覧会の参考にしてもらえたら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。